隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0637.しゃべくり探偵の四季

2005年08月19日 | ユーモア
しゃべくり探偵の四季
読 了 日 2005/08/18
著  者 黒崎緑
出 版 社 東京創元社
形  態 単行本
ページ数 304
発 行 日 1995/02/28
ISBN 4-488-01270-1

 

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リーズの前作「しゃべくり探偵」(336.参照)が面白かったので、以前から第2作も読みたいと思っていた。
前のは、文庫本で読んだのだが、本書は、ネットで単行本が安く手に入った。
全7編からなる短編集だが、前と同じ保住ホームズと和戸ワトソンの掛け合い漫才風は、最初の2編「騒々しい幽霊」と、「奇妙なロック歌手」だけで、次の2編「海の誘い」、「高原の輝き」は三人称による語り、そして「注文の多い理髪店」では、刑事のお客の調髪をしながらの独り語り、さらに「戸惑う婚約者」は、保住と和戸の二人羽織風の占い師が登場、そして最後は、屋台のアルバイトをする、保住君が、二人の客の会話を聞いて・・・・、というようにバラエティに富んだ構成となっているのだ。

僕は、この安楽椅子探偵のストーリーは、どちらかといえば短編の方がピリッとしまった話になるのではないかと思っているが、著者のこのシリーズは、それに加え、会話の妙や、ユーモア、風刺などが散りばめられて、絶妙なストーリー展開になっている。
僕の今までのユーモア・ミステリーに対する偏見を糾してくれた、シリーズである。この中で、1篇だけある長編の原型とも言える作品があり、興味深く読んだ。

 

 

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