心臓と左手 | ||
---|---|---|
読 了 日 | 2006/02/15 | |
著 者 | 石持浅海 | |
出 版 社 | 光文社 | |
形 態 | 文庫 | |
ページ数 | 261 | |
発 行 日 | 2009/09/20 | |
ISBN | 4-334-74643-8 |
年(2009年)暮れからまだ読んでない本のデータをパソコンで、HTMLデータとして取り込んで整理している。数えたことはないがざっと200冊以上はあるので、読み終わったらすぐにブログに書けるようにとの準備である。
また、同じ本を買ってこないように用心のためでもある。前にどこかで書いたが、古書店を見て歩いている時、欲しい本が安価で出ていると、既に持っているのを忘れて買ってしまうことが時として発生する。僕の悪い癖の一つだ。例え100円でも、ちりも積もれば山 にはならないが、豊かな経済力を誇っているわけではないから、そうした無駄遣いは慎まなければならない。
ところがこのところ、幸運に恵まれて?行きつけのセルフサービスのガソリン給油所で、カードのポイントが貯まってショッピングセンターの商品券をゲットしたため、またもや新刊の文庫3冊を買うことが出来たのだ。
今の僕にとって、これほど幸せを感じることは他にない。めったに出会うことのない至福の時が短い間に2度も訪れたことに、うれしさの反面ゆり戻しが来るのでは、と余分な心配も・・・。
無駄話が続いたついでに、先の未読の本のデータの整理についてもう少し書いておくと・・・。
僕のブログ作法は、記事を直接BROACH(NTTぷららの提供するブログサービス)に記述するのではなく、Windowsに付属する「メモ帳」で、いくつかのパターン、すなわちテンプレートを作っておき、そこに記事の内容を流し込むという方法をとっている。
テンプレートは、本の種類―例えば文庫とか単行本とか、あるいは長編であるとか短編集であるとか、更には国内の作品、海外の作品とか、その種類ごとにあわせて何種類かを用意しておくと、割と簡単にブログの記事が統一性を保たれる。これは、最初からそうなっていたわけではなく、何とか少しでも見栄えのする記事にしようとしてきた、3年弱の試行錯誤の結果である。
そうして、メモ帳で作った記事をhtmlの拡張子で一度、デスクトップに保存して、ブラウザーで開きプレビューすることが出来るので、その後にコピー&ペーストで、BROACHに移す。
そこで、わずらわしい本のデータは予め作っておけば、たくさん有る未読の本のデータも読み終わったら、少しの感想文を書くことで、すぐにブログに載せることが出来ると考えたのである。ある程度のhtmlや、ほんの少しのcssなどの知識がいることはいるが、それほど多くの知識を必要とすることはない。が、少し見栄えのあるもにと考えると、それはそれで少しの勉強(テクニック)もいるが・・・。
いったところで、前からちょっと気になっていた本書は、安楽椅子探偵タイプの連作集だ。
僕は安楽椅子探偵が探偵の究極の姿と考えているから、古今東西の安楽椅子探偵タイプのミステリーを出来るだけ多く読みたいと思っている。「念ずれば通ず」といわれるように、普段そうしたことを考えていると、不思議とどこからともなく情報が入ってくるばかりでなく、目にもつくようになる。
時にはタイトルだけでわかるときもある。ごくまれにだが・・・。
そんなこんなで、本書もその類で、著者のファンだということもあるのだが、以前からタイトルが気になっていた1冊だ。帯のキャッチコピーや解説などによれば、本書の主人公は僕が最初に読んだ著者の作品「月の扉」の主人公だそうだ。過去の記事を振り返ってみたら、「月の扉」(2006年2月読了)には感想文がない。
だからということでもないのだが、「月の扉」については全く覚えていないのだ。
初めて詠んだ著者の作品で、面白かったからファンになってその後も読み継いできたのだろうが、困ったことだ。そこで、読み返すことにした。こんなことをしていたら、いくら時間があっても足りなくなる。(内容については前の記事【701.月の扉】に追加した)
の連作集は「月の扉」の後日譚ということのようだ。サブタイトルにもなっている「座間味くん」というのは主人公の本名ではなく、前作で沖縄・座間味島の絵柄のTシャツを着ていたことで、周囲の人から便宜的に呼ばれたあだ名のようなものだ。今回もその名で呼ばれているので、彼の本名は依然として判らないままだ。
パズラーとして、余分なものを排除した形で進めるためか?あるいは前作でも名前を特定しなかったことからの継続でそうしているのか?いずれにしても座間味くんという名前で一向に差し支えはないが・・・・。
連作は、前作の沖縄での事件で参考人として事情聴取をされた座間味くんと、当時沖縄で行われることになっていた国際会議の警備の応援に派遣されていた警視庁の大迫警視が、新宿の書店で偶然に出会った事から始まる。時折逢って酒を酌み交わしながら、大迫警視が遭遇した過去の事件について話し合うという設定だ。現在警視が扱っている事件でないところが、他のミステリーで見られるシチュエーションと違っているところだが、大迫警視から聞かされる事件の顛末について、座間味くんは全く違った観点から真相を推理するというストーリーは小気味の良い結末を迎える。
下記の表にあるように、7編の短編が収録されているのだが、最後の1篇は「月の扉」の事件関係者が11年後の沖縄那覇空港で再会するというストーリーで、物語の締めくくりの役を果たしている。
# | タイトル |
---|---|
1 | 貧者の軍隊 |
2 | 心臓と左手 |
3 | 罠の名前 |
4 | 水際で防ぐ |
5 | 地下のビール工場 |
6 | 沖縄心中 |
7 | 再会 |
にほんブログ村 |