なみだ学習塾をよろしく! | ||
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読 了 日 | 2017/02/10 | |
著 者 | 鯨統一郎 | |
出 版 社 | 祥伝社 | |
形 態 | 文庫 | |
ページ数 | 394 | |
発 行 日 | 2010/03/20 | |
ISBN | 978-4-396-33561-8 |
空と煌めく太陽光にしばらくぶりの天候回復と思ったが、そんなに長く雨模様が続いたわけではないことに気付いた。寒く冷たい雨は1日でも長く感じて、長いこと雨が続いたなどという気がしたのだ。西日本、日本海側、北日本や北海道などなど、雪は相変わらず続いているようで、一日二日の雨降りなどに愚痴を言っては罰が当たる?
今では“罰が当たる”などという言い方は死語となったか、あまり聞かないが、子供の頃は親や近所の大人からよく言われたものだ。
部屋にさす陽が暖かく、こうした日が続けば寒い冬も過ごしやすく、暖房費も助かるのだが、思うに任せないのが自然の力だ。あまりかかわりのないことだが、暖かな部屋でふと「エネルギー不滅の法則」などということが頭をよぎる。
子供の頭ではなかなか理解できないことだった、いや今でもそうした物理学の基礎は分かってはいなくて、はるか上空のオゾン層のことさえよくは分からない。わからない話はやめよう。
前回の「片翼の折鶴」を予定より早く読み終わったから、木更津市立図書館で本書と「鎌倉香房ミステリー3」、そして「さよならハートブレイク・レストラン」の3冊を借りてきた。実は図書館に行ったのは「国を救った数学少女」(ヨナス・ヨナソン著 西村書店刊)が目当てだったのだ、生憎貸し出し中だったので、代わりの本ということで文庫を3冊借り出したのだ。
2-3日前にネットで確認したときには貸出可だったのだが、どうやらこの2日ほどの間に先客があったようだ。僕はこういうことにたびたび出会うから、あらかじめ予約しておけばいいのに、ついつい忘れてしまう。
本来の楽天的な性格と、大丈夫だろうという思い込みが、しばしばアンハッピーを招くのだ。
木更津市立図書館では、“ヤングアダルト”というコーナーがあって、本書のような文庫が収められているが、どのような分類化がいまいちわからない。いずれにしても今回借り出した3冊はいずれもヤングアダルトのコーナーにあったものだ。なにか僕のような年寄りを寄せ付けないような感じのコーナーだが、もちろんそんなことはなく、結構年配の人たちも見ているから、僕も遠慮なく借りてきた。
者の作品には一時期、はまったというほどではないが、割と探して読み続けたことがあった。2003年から2-3年ほどだったから、もう10数年も前になるのか。こうして気づかぬままに月日は流れていく。
今シーズンは南岸低気圧の通過が多いような気がするが、それでも雪が降らないだけよかったと思えばいいのだろう、降雪地帯、豪雪地方のことを考えて、温暖な地域に暮らす幸せを有難いと思おう。
著者・鯨統一郎氏の作品には、博覧強記と言っていいほどの人物が登場することもあって、僕のような浅学の徒はそうした人物に、憧れと尊敬の念を持つ。と同時に、物語を読んでいるうちは、あたかもそうした人物と同等の知識を持っているかのような錯覚を持ってしまうところも、面白く読める所以だ。
思うに著者自身が多分に登場人物に反映されているのではないか。初めて読んだ「邪馬台国はどこですか」で、歴史的事実を全く違う方面からの検証で、思いもよらぬ結論を導き出すところなどで、そんなことを感じるのだ。
この、波田煌子(なみだきらこ)シリーズは、2011年に本書同様、祥伝社から新書で発売された「なみだ研究所へようこそ!」を出発点として、「なみだ特捜班におまかせ!」と続いてよんできて、本書が3冊目となる。
今までは波田煌子の涙とともに、謎の解明がされるのだが、今回は彼女の謎解きの後に涙を流すのが学習塾の塾長となっている。一見ナンセンス風だが僕は他の作品と同じく、著者の博覧強記の下に編み出された本格推理だと認識している。時には馬鹿馬鹿しいと感じるような、謎解きもあるにはあるが、なんとなく気になる作品で、僕は好きだ。この後しばらくシリーズは途切れているが、何とか続きを書いてもらえないかと期待しているのだ。
# | タイトル |
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第一限 | 路線図と涙 |
第二限 | 相似形と涙 |
第三限 | 清少納言と涙 |
第四限 | 疑問詞と涙 |
第五限 | 月の満ち欠けと涙 |
第六限 | 確立と涙 |
第七限 | 基本的人権と涙 |
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