隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1966.スクランブル 要撃の妖精

2020年04月30日 | 航空

 

 

スクランブル
要撃の妖精
読了日 2020/03/19
著 者 夏見正隆
出版社 徳間書店
形 態 文庫
ページ数 811
発行日 2008/11/15
ISBN 978-4-19-892886-5

 

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日前、君津市のジョイフル本田に行ってきた。ジョイフル本田とは、茨城県荒川沖に本拠を構えるホームセンターだ。大きな店舗と多岐にわたる品揃えで、プロの職人からも頼りにされる店だ。何年か前に僕はここで、HARIO透過型ドリッパーV1を買った。
その頃のブログにも書いた覚えがあるが、その円錐型のドリッパーには、専用のペーパーフィルターが必要なのだが、今のところ扱い店はジョイフル本田だけなので、亡くなると君津まで足を運ぶことになる。
まあ、それでもさほど遠いところではないから、行ったついでに細々とした買い物も済ませ、しばらくぶりで隣に位置するBOOKOFFに立ち寄った。ここは僕の居住地である木更津市近郊では、最初にオープンした店だろう。その当初はずいぶん通ったものだが、最近は新たに本を買うことを控えているから、めったに訪れることはなくなった。
例によって、100円の文庫棚から何冊か買ってきた。本書はその中の1冊。

 

 

スクランブルシリーズの第2弾だ。第1弾は『スクランブル イーグルは泣いている』で、僕は2015年10月末に読んで、11月初めにブログに投稿している。シリーズ作品だから、順番に読もうと第1作を読んだのだが、たくさんあるシリーズ作品を順番に読んで、その推移を記憶するなどということは、僕にはできそうもないことだ。
にもかかわらず、そんなことを考えるのは、どうせ読むならよりその物語を面白く読もう、ということからだ。しかし、僕の無節操な読書がせっかくの試みも、いつも台無しにしてしまうのが通例だ。
世の中は常に新しく、面白そうな本を次々と出版する。そうした誘惑が僕を襲うから、そんな誘惑に極めて弱い僕は、ついついそっちのほうに目が行ってしまうのだ。
航空機サスペンスはもちろん嫌いではないが、難しい専門用語もあり、そのストーリーの早い展開に合わせて読もうとすると、理解不足になることも禁じ得ない。そのあたりがネックとなるも、そうしたことを勘案しても、そのスピーディな展開や、サスペンスフルなストーリーに魅せられる。

 

 

に読んだ『スクランブル イーグルは泣いている』の内容は、すでに記憶の彼方で、折角順番に読もうといった思いが仇になり、今頃第2作を読んでも繋がりが見えてこない。それどころかその時代の趨勢だったのか知らないが、自衛隊への厳しい批判的な環境が描写されていることに、ちょっとした疑問もわく。
しかし800ページを超える大作で、僕の期待したジェット機の操縦テクニックは、3/4を過ぎたあたりからようやく始まる。
戦争に拒絶反応を起こす僕だが、物語の戦闘機の活躍は、また別物なのだ。

昨日から始まったゴールデンウィークの、人の移動は公共交通機関の乗車率や、運行状態を見ればの話だが、緊急事態宣言の要請がおおよそ想定内ではないだろうか。
こればかりは個々人の自覚に頼るしかないのが、なんとももどかしい気もする。

 

 

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1965.酔いどれ小籐次留書 一首千両

2020年04月28日 | 時代ミステリー

 

 

酔いどれ小籐次留書 一首千両
読 了 日 2020/03/11
著  者 佐伯泰英
出 版 社 幻冬舎
形  態 文庫
ページ数 314
発 行 日 2005/08/05
ISBN 4-344-40681-8

 

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い先ごろの2月に第二、三作を読んで、ますますその面白さ、ストーリー展開に惹きつけられる。このシリーズも全作読みたいという気持ちは前からあることはあったが、いよいよ本格的にそうした気分が盛り上がって、第四作の本書に取り掛かった。
早速だが、タイトルに据えられた“一首千両”とは、吉原での座興に酔いどれた市井の旦那衆が、小籐次を打ち負かした者に、「賞金として千両を与える」と言ったとか、そんなうわさ話が流れたのが発端だ。
だが、それはうわさ話にとどまらず、実際の事と判明して、小籐次に厄介なことを持ち込むのだった。

今世界は、目にも見えぬ小さなウィルスによって、混乱を引き起こされている。小籐次に降りかかる火の粉は、厄介な出来事とは言え、相手は人間だ。
小籐次の腕をもってすれば、何とかしのぐ術もあるだろう。

 

 

本を読みながら、録画保存してあるはずの、酔いどれ小籐次留書のNHKドラマを見たいと思って、探しているのだが、それがなかなか見つからない。 いよいよ断捨離に取り掛かる必要があるみたいだ。もう、残り僅かの人生だから、いつどんなことであの世に召されるか分からないので、身辺整理を、と思いつつも、それがなかなかのもので、手につかない状態なのだ。
どうせ僕の部屋にあるものは、ガラクタばかりだから、みんな捨ててしまえばいいようなものだが、とは言いながらも決心がつかないのは、僕の優柔不断さか。
いろんなことを考えながら探しているうち、「アッ!もしかしたら、録画保存してあるというのは、僕の記憶違いか?」と思うようになる。僕のあやふやな記憶は、そんなものだ。諦めよう。
どうしても見たくなったら、レンタルビデオ屋さんで、借りよう。

 

 

ロ野球も、大相撲も、プロゴルフも、僕が見たいと思っているスポーツ競技は、押しなべて中止か延期だ。まあ、この際だから致し方のないことだが、それでもテレビはいろいろと企画を練るものだと感心する。
ゴルフ・サバイバルという番組は少し前からあったが、最近は女子ゴルフペアマッチ選手権なる競技が始まった。4ボール形式と言って、ペアを組みどちらか有利な法の成績をとって、優劣を決めるというもので、今まで全く知らなかった選手のペアが、闘いを進めておりなかなか面白い。
現在行われているのはシーズン1ということだから、この後シーズン2,3と続くのだろう。一流のプロ選手の試合とは一味違った面白さもあり、これはこれで面白く見ている。
一方、ゴルフ・サバイバルは10名のプロ、アマの選手が、1ホールごとに再開の選手が脱落して、最後まで勝ち残った選手が賞金100万円を獲得する、という競技だ。これには既にLPGAのツアーを闘っている選手も参加して、見ごたえのある競技が展開される。
録画した協議を昼間テレビでコーヒーを飲みながら観るのも良いものだ。そんなことを思いながら楽しんでいる。

 

 

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1964.天久鷹央の事件カルテ 魔弾の射手

2020年04月26日 | 安楽椅子探偵

 

天久鷹央の事件カルテ
魔弾の射手
読了日 2020/03/09
著 者 知念実希人
出版社 新潮社
形 態 文庫
ページ数 366
発行日 2019/09/01
ISBN 978-4-10-180162-9

 

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約してあった本書の順番が回ってきたことを知らせる図書館からのメールで、2月28日図書館に行って借りてきた。まだその頃はコロナの騒ぎも今ほどでなかったから、図書館も通常営業を行っていた。
緊急事態宣言後の今は、予約自体もキャンセル状態で、図書館業務は全面的に休止している。
さて、ずいぶん暫くぶりのシリーズだ。この前の『火焔の凶器』を読んだのが、2019年2月の事だからもう1年以上が過ぎた。多彩なテーマで著作を次々発表している著者だが、僕はこのシリーズでファンの仲間入りをした。それも2015年の事だから、月日の過ぎるのは早い。
この天久鷹央シリーズの面白さの一つに、誰に対しても傍若無人に振る舞う彼女にも、唯一弱点があり、それは姉の真鶴子なのだ。
飛び切りの美人でスタイルもよく、その笑顔に身も心もとろけそうになる小鳥遊(「“たかなし”と読む」は、天久医師の助手という対馬ながら、天久にはその名字の小鳥遊という字面から、「ことり」と呼ばれている)だが、そんな天久鷹央も姉の前では蛇に睨まれた蛙になるのだ。

 

 

ウェーバー作曲の歌劇で有名な「魔弾の射手」は、他にも数多くのミステリーのタイトルになっている。僕は中学生の頃、高木彬光氏の『魔弾の射手』に出会って以来、音楽のタイトルがミステリーに用いられることに、興味を覚えたことを思い出す。
本書では、廃墟となった元病院のビルから飛び降りた女性を始めとする、不審死が相次いで発生する。事故か自殺か、あるいは他殺か?奇妙な事件に興味津々の天久鷹央は、自分がその謎を解くと張り切って取り掛かるのだが、容易に手掛かりが見つからないまま、第二第三の事件が発生してしまう。

世界中を騒がす、新型コロナウィルスのワクチンや治療薬の開発に、アメリカをはじめとする各国の研究者は躍起となっている。我が国の薬品業界やそれ以外の企業も、感染者の拡大を防ぐ努力を重ねており、早い機会にその成果が実ることを全世界の人々から期待されている。

 

 

日のテレビ放送でも、各都道府県の知事から“不要不急の外出自粛”の要請が伝えられるも、まだ80%の減少には至らないようだ。我が居住地の木更津市でも、4月23日現在、感染者は10名となった。
どういう感染経路かは知らないが、1名ずつといった少ない増加ながら、感染者が増えていくことは歓迎できない。
千葉県では施設内でのクラスターと言われる、感染者集団の発生によることも報道されている。医療関係者の必死の対応にもかかわらず、その成果が見えてこないことに、ウィルスの怖さが募るばかりだ。我々が感染を防ぐには、外出の自粛が一番だが、やむを得ない外出から帰宅後の手洗い、うがい、消毒しかない。
マスクの品不足があらゆる場所で叫ばれているが、マスクで感染予防ができるわけではないのに、何故こんなにマスクの需要が多いのだろう。特に医療関係者用の特殊なマスクにも、不足が起きている状況が理解できない。
まさか一部の者による買い占めが原因ではないだろうが・・・・。

 

 

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1963.検事の信義

2020年04月24日 | リーガル

 

 

検事の信義
読 了 日 2020/03/02
著  者 柚月裕子
出 版 社 宝島社
形  態 単行本
ページ数 253
発 行 日 2019/04/20
ISBN 978-4-04-106657-7

 

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013年発行の作品にしては、いまだに図書館で順番待ちをしなければ読めない、という人気作品だ。中山七里氏と並んで(といっても中山氏は柚月氏の2年後くらいのデビューだ)、著者の柚月裕子氏も「このミステリーがすごい!」大賞の受賞者で、発表する作品に読者が殺到するといった人気作家である。
特にこの佐方貞人検事のシリーズは、『検事の本懐』(2011年)、『検事の死命』(2013年)に続く作品で3作目となる人気シリーズだ。
いずれも佐方貞人という検事を主人公に据えた裁判劇だが、ただの裁判劇というより、人間ドラマと言ったほうがいいだろう。実は著者は受賞後の第1作で、『最後の証人』という傑作裁判ドラマを書いている。
僕は中学生の頃授業の一環で、裁判所を訪れたことがあるが、当時はさほど興味がなかったが、ガードナー氏のペリイ・メイスンのシリーズを読んでから、その面白さに裁判劇に興味を持つようになった。小杉健治氏の作品をよく読むのは、氏の裁判劇が裁判の進行はもとより、そこに現れる人間ドラマが興味深いからだ。
いやいや、それは僕の浅はかな知識不足がもたらす思いで、裁判となるからにはそこに様々な人間模様が絡まっていたからで、それらが裁判の進行とともに明らかになっていくのは、必然的なことなのだ。

 

 

政府の景気判断が11年ぶりとなる「悪化」という表現になった。
コロナウィルスの感染拡大による緊急事態宣言発出とともに、経済活動を始めとするあらゆる活動がストップしているから、当然の結果なのだろう。その「悪化」が人々にどのような影響をもたらすかは、すでに失業者の増加や、立ち行かなくなる企業の発生など、中小企業ばかりでなく、輸出入が滞れば大企業と雖も安穏としてはいられない。特に部品を海外からの輸入に依存している製造業は、もろに影響を被ることになる。
コロナウィルスとの闘いはどうなるのだろう?
千葉県では昨日(22日現在)で、コロナウィルス感染者が726人となり、死亡者は13人となった。僕の住む木更津市も、9人の感染者が発生している。
休校により学童を持つ保護者向けに支援金を支給するという、独自の地方自治体も現れて、事態は増々深刻さを呈している。

 

 

んな憂鬱なニュースの中、息子の入所しているグループホームから、保護者向けの定期便が届いた。介護給付費自己負担金の明細や、施設における利用者(知的障碍者)の活動報告などが、半年ごとに送られてくるのだ。
施設のある富津市は感染者の発生もなく、介護者も被介護者も至って健康的な毎日を送っているようだ。
社会福祉法人薄光会は、障碍者を持つ保護者たちが立ち上げたものだが、今ではそこで働く職員たちの努力で、理事長を始めとする役員もすべて職員が担っている。
いろいろと虐待などという問題の発生する施設も見聞きするが、我が薄光会に限って、そうした問題は皆無だ。職員たちの自らを律する働きによって、利用者やその保護者たちとも良好なコミュニケーションがとられている。
暗いニュースばかりの中に、そうした明るい話題が飛び込んで、ほっと一息だ。

 

初出
# タイトル 紙誌名 発行月・号
1 裁きを望む このミステリーがすごい!2015年版(宝島社) 2012年4月
2 業をおろす 「このミステリーがすごい!」大賞作家
書き下ろしBOOK
2012年8月
3 死命を賭ける「死命」刑事部編 「このミステリーがすごい!」大賞作家
書き下ろしBOOK
2013年8月
4 死命を決する「死命」公判部編 書き下ろし  

 

 

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1962.酔いどれ小籐次留書 寄残花恋

2020年04月22日 | 時代ミステリー

 

 

酔いどれ小籐次留書 寄残花恋
読 了 日 2020/02/27
著  者 佐伯泰英
出 版 社 幻冬舎
形  態 文庫
ページ数 330
発 行 日 2005/02/10
ISBN 4-344-40600-1

 

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回の“意地に候”に続くシリーズ第三弾。
「残り花、寄する恋」と読ませる。昔、僕の不得意だった漢文の読み方だ。無敵の剣豪が口に出せない思いは、時により彼女の危機を助ける行動に奔る。年寄りの想いはいつの日か、おりょうに届くことがあるのか?
そんな思いを抱かせる小籐次の、純情な恋心がせつない。
“おりょう”とは、旗本水野監物の下屋敷を取り仕切る奥女中で、小籐次が心の中で思いを寄せている女性(にょしょう)だ。

前作の終盤で、肥前小城藩の能見一族13人の刺客との死闘で、深手を負った赤目小籐次は、庄屋の甚兵衛の屋敷に匿われて傷を治したが、そこにも代官所の役人が現れた。それを機に小籐次はそこを立ち退くことになる。
そして今回の幕開きは、幕府のお庭番の女悪心との出会いから、彼女を助けて、甲府勤番の悪事を懲らしめる大活躍だ。刃物の研屋を生業として、質素な暮らしを続ける小籐次だが、彼に安息の日を与えることのない刺客が、これでもかという具合に襲い掛かる。
その小籐次の活躍を面白おかしく書いた、ベストセラーともいえる読売のおかげで、今や知らない人がないほど、小籐次の名は江戸中に広まっている。

 

 

こんな時代巨編ともいえる面白い作品は、どうしても続けて読みたくなる。幸いずっと前にBOOKOFFで第2作の「意地に候」、本書「寄残花恋」を買って持っていたから、間を置かずに読むことが出来る。
また、嬉しいことにこのシリーズは全作、木更津市立図書館に蔵書があるから、読みたいときに読めるということも分かった。もっとも現在は、緊急事態宣言の発出を受けて、5月6日まですべての業務を休業している。
新聞の投書欄に図書館の業務について、せめて予約の本の貸し出しくらいはやってほしい、という意見があったが、この節のコロナウィルスの感染拡大防止ということで、致し方ないだろう。
爆発的な感染拡大を表す、オーバーシュート寸前の状態だという人もいるからね。

刃物の研ぎ屋をしながらお穏やかな暮らしを望んでいる小籐次だが、それを許さぬ刺客の群れは、次々と小籐次に襲い掛かる。そんな小籐次はゆく先々で、市井の人々の判官びいきともいえる情けや助けを得ながら、敵を倒す。
見方を変えれば人情噺ともなる本編は、折々にそうしたエピソードを添えるから、ついつい涙もろくなった僕は涙を誘われてしまうのだ。

 

 

象情報で今日が晴れて穏やかな日となることが分かっていたから、メール便配達の仕事、昨日・月曜日分は、雨だったので今日にした。午前中の早い時間に終わったので、食料品の買い出しで近くのスーパーに寄る。(昨日の話だ。)
スーパーマーケットでは、高齢者の夫婦連れの客が多い。ここ数年、いやもう少し前からだったか?夫婦連れが多くなっているという感じだ。
レジ前には待つ客のために、2m感覚で立ち位置を示すマーカーが床に示されている。新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐ手段だ。客たちはそのマーカーに従って、感覚を開けてレジ待ちをしている。中には長い列を作っており、僕は大分昔の過去を思い出した。
現役のサラリーマンだったころ、業務の一環でアメリカ西部のチェーンストア巡りをした際、見学したスーパーマーケットでは、金曜日の賑わいの中で、大きなカートにいっぱいの食料品を乗せた客たちが、長い列を作ってレジ待ちをしており、近い将来日本でもこんな風景が見られるようになると、カウンセラーが言っていた。

それから何年か後にはその通りのスーパーの状態が見られるようになった。
そして、その当時のアメリカと同様、今では日本のスーパーも男性の姿が多くなり、特に高齢者の夫婦連れが見られるのが、昔アメリカで見た風景なのだ。一時期「米国がくしゃみをすると、日本は風邪をひく。」などということが言われたが、今もアメリカの日本に及ぼす影響は強く、あまり変わってないのではないか?

 

 

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1961.酔いどれ小籐次留書 意地に候

2020年04月20日 | 時代ミステリー

 

 

 

酔いどれ小籐次留書 意地に候
読 了 日 2020/02/26
著  者 佐伯泰英
出 版 社 幻冬舎
形  態 文庫
ページ数 324
発 行 日 2004/08/05
ISBN 4-344-40548-X

 

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前、いつ読んだか忘れたが『御鑓拝借』という、酔いどれ小籐次留書のシリーズ第1作を読んで、その痛快と呼ぶべき面白さに惹かれ全作読んでみたいと思いながら、例によって月日が流れた。
同じような思いはほかの作品でも、ここに何度も書いてきたが、いつの場合も思いはその場限りで、他の作品に気を取られて、そっちこっちと手を伸ばしてきた。
じつを言えばこのシリーズも、小説はそのまえに2013年1月にNHKで放送された、ドラマ「御鑓拝借 酔いどれ小籐次留書」と、その後6月に連続ドラマとなってシリーズが13回にわたって放送された。僕はそれらのドラマを見て原作を読もうと思ったのだった。
そして、改めて過去のデータをたどると、第1作を読んだのはその翌年2014年の2月だった。月日の流れの速さを云々するまでもなく、今回第2作は6年振りということになり、僕の読書の気ままな成り行きに少し自分でも驚く。
僕は特に時代小説ファンというわけではないが、大昔、まだ子供の頃に講談本というのがあって、粗末な紙でできた分厚い本だった。荒木又右エ門とか柳生十兵衛、後藤又兵衛、堀部安兵衛等々のタイトルがあった。
勧善懲悪のヒーローたちの活躍は、子供心を舞い上がらせた。

 

 

また、田舎の映画館では、東映の時代劇が次々と掛かって、映画は娯楽の王様だった。ヒットしたNHKのラジオ・ドラマは映画化されて、『笛吹童子』、『紅孔雀』などが、中村錦之助や東千代之介らの、新たなスターを生み出した。
その頃の映画館の入場料がどれほどだったか、思い出せないが貧乏だった僕の家族が、僕に与える小遣いの範囲でまかなえたのだから、安かったのだろうと思う。
話がずれた。
酔いどれ小藤次に惹かれたのは、そういう下地があったからというわけではないが、わずかにそんな過去があったことも、関りがあるのだろう。読めるところまで読んでみようと思い、物語がどのくらい刊行されているのか、NETで調べたらすでに19巻が刊行されているではないか。更には、新シリーズも出ているという。
全部に目を通すことが出来るかどうか、全く分からないが木更津市立図書館にも蔵書があることだし、読み進めてみようと思う。

 

 

んとかかんとか、自分の行動に理屈をつけないと、前に進めない。そんな風になりたくないと思っていたが、振り返れば僕も、そんな仲間入りをしているようで嫌だね。
純粋に楽しみだけが目的の読書だから、どんな本を読もうといいのだが、一応ミステリー読書と銘打っているから、ミステリアスな読み物をメインに進めたい。昔は人一倍ミステリーが好きで、ミステリーに対して一家言など持ち合わせていると、自負していたのだ。
若さに任せて怖いもの知らず、というよりもの知らず、世間知らずだったのか?今では、どんなミステリーが好きかということさえ、あいまいになっており、それだけ間口が広がっている、都合のいい解釈をすればの話だが・・・・。

緊急事態宣言後、初の終末の人出はどうだったのだろう。80%が自粛できれば、1ヶ月後にコロナウィルスの終息が見込めるというが、その1ヶ月後は刻々と迫っている。

 

 

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1960.ルビンの壺が割れた

2020年04月18日 | サスペンス

 

 

ルビンの壺が割れた
読了日 2020/02/24
著 者 宿野かほる
出版社 新潮社
形 態 単行本
ページ数 156
発行日 2017/08/20
ISBN 978-4-10-351161-8

 

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書の帯に、“この小説、凄すぎてコピーが書けません。とにかく読んでください!”とあり、ネタバレ厳禁!!の表示も。僕は単純にタイトルに惹かれて買ったのだが、“ルビンの壺”については、表紙のイラストでお分かりのように、二人の人物の向かい合った顔の影絵が示すように、壺の形を示している。
“Wikipediaによれば、1915年頃にデンマークの心理学者エドガー・ルビンが考案した多義図形。”ということだ。僕はその由来はここで初めて知ったが、二つの顔があらわす壺のような形は、中学生のころから知っていた。そうしたものを自分で描いて遊んでいたことを思い出す。
この物語は、初っ端、男から女へと宛てたSNSの文面から始まる。それは女の返事を期待するものではなかった。が、思いがけなくそれに対して女から返事と思われる投稿があった。

まあ、内容はそれくらいにして置こう。作者のたくらみと、登場人物たちのたくらみが二重に読者をとらえる仕掛けが、面白い。
興味のある方は、まずBigBang(ブックバン)という、新潮社の担当者と宿野かほる氏との対談形式の、サイト(https://www.bookbang.jp/review/article/537292)をご覧ください。

 

 

初めて聞く著者名は、それもそのはずで、彼(彼女)はこの作品が初めての小説で、もともと出版の意思はなかったという。そんなこともあり、名前はもちろん性別も不明という、覆面作家としての登場だとのこと。
本の内容からは、女性とも思われるが、男性と感じられるところもあり、どちらとも類推させる。
昔はそうした作家が何人も登場して、読者を欺いたり楽しませたりしたが、この作者は作家を目指していたわけではないというから、隠れた才能が花開いた、そんな感じだ。だが、今の職業に支障があるため名前も性別も明かせないということだ。

発達した低気圧に向かって、湿った空気が押し寄せて激しい雨や風、それに落雷の恐れもあるという、今日の天気だ。外出を控え人との接触を避けるにはいい天候だが、こんな天気には僕の部屋は少し寒く、たった今ストーブを付けたところだ。

 

 

ーヒーを飲みながらミステリーを読むには絶好の環境だ。僕のように何にも予定はなく、出かけるところもない年寄りにはいいかもしれないが、若くてエネルギーを持て余す若者には、緊急事態宣言による外出自粛はつらいことかもしれない。
新型コロナウィルスの感染拡大は、いろいろな所に影響を及ぼしており、息子の入所している社会福祉法人の施設を利用する知的障碍者は、外出を制限されてストレスが溜まっていないか心配だ。
彼らの保護者たちの組織である天羽支部会は、中止となってしまった。通常なら3月に年度末の開催が予定されているが、この騒ぎで一旦4月に延期され、さらに緊急事態宣言で中止となったのだ。
年に3回か4回しか開催されない支部会だが、年々歳を重ねる障害者たちとともに、その保護者たる親たちはさらに加齢を重ねて、そうした集まりに出席でき難くなる。我が天羽支部会も毎回出席人数は20人内外だ。 コロナ禍がいつ治まるかが分からない状況では、開催は不透明の状況だ。

それが原因ではないが、17日の出稿予定を忘れていた。

 

 

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1959.機体消失

2020年04月15日 | 航空

 

 

機体消失
読了日 2020/02/23
著 者 内田幹樹
出版社 新潮社
形 態 文庫
ページ数 334
発行日 2007/09/01
ISBN 978-4-10-116045-0

 

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はもう過去の人になりつつある、アメリカの偉大なミステリー作家、いやミステリー作家と言い切ってしまうには、あまりにもその存在が大きく、ミステリーの作品を生み出すだけでなく、世界各国の人材発掘や、作品の収集と発掘、その他もろもろのミステリーに関する文献も著わしている。
彼らの(エラリー・クイーンというのは従兄弟同士の二人の合作ペンネームだ)作品の一つに『神の灯火』という作品があり、その後のミステリー作家に大きな影響を与えた、消失ミステリーだ。
僕は、その素晴らしさにすっかり魅せられて、同様の作品を見かけては読むことにしているのだ。
そしてこの作品のタイトルに「消失」という文字が入っているのを見て、読んでみようと思ったのは、もう一つ航空サスペンスという、キーワードがあったからだ。
僕の読書欲は、あっちこっちと目まぐるしいが、航空サスペンスに興味を持ったのは、はるか昔、アメリカ映画の『大空港』を見たことによる。バート・ランカスター氏の主演によるこの映画は、他にも多数の名優たちが出演して、まるでオールスター映画の様相を示していた。

 

 

他のところでも書いたのだが、映画を見た頃僕は、パニック映画に嵌っていて、いや、僕だけではなくその頃はハリウッドも次々とパニック映画を打ち出していた。
航空パニックも第2弾として『エアポート‘75』(1974ユニバーサル)が公開されて、チャールトン・ヘストン主演、カレン・ブラック、ジョージ・ケネディ、リンダ・ブレア、グロリア・スワンソン、etcといった、こちらもオールスターキャストの大作で、このころのハリウッド全盛を思い起こす。

浅学の僕はこの度初めて知った著者だが、機長だった経験を活かして、他にも多数の航空ストーリーを発表している。機会が在ったら他の著書にもあたってみたいが、何しろそうやって次々と手を出して居たら、身体がいくつあっても足りないだろう。
本書は100億円相当のコカインを、小型機で密輸を企てる犯罪グループと、沖縄・下地島に疲れを癒しに来た二人のパイロット。犯罪グループの仲間割れとも思われる、一人の不審な行動と、嵐の中セスナ機が姿を消す。
嵐の中の航空機と管制塔のスリリングなやり取りが、ドラマチックに描写されて盛り上げる。

 

 

おととい(一昨昨日)、急に右側頭部に鋭い痛みが走るようになった。十数秒の感覚を開けて、走る痛みはなんだか気持ちが悪く、脳溢血かなんかの前兆かと思ったが、それならもっと我慢できないほどの痛みではないか?と考えながらも、一日中心配していた。
それなら病院に行けばいいのに、そこは楽天的な僕は、明日になれば治るだろうと、痛みをこらえていた。
翌日になると痛みの感覚が少し長くなった。本来ならば素人の判断は重大事になる恐れがあるから、病院で医師に診察を受けるのが一番なのだが。
生兵法は怪我のもと、というのはちょっと意味が違うが、まあ、似たようなものだろう。
そのため2日ほど酒を我慢した。おかげで今日は快調で仕事も午前中に済ませることが出来た。ごくたまにこういうこともあるから、気を付けよう。と言ってもどうすれば良い?

 

 

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1958.パンドラ猟奇犯罪検死官 石上妙子

2020年04月13日 | サイコ・サスペンス

 

 

パンドラ猟奇犯罪検屍官・石上妙子
読了日 2020/02/16
著 者 内藤了
出版社 KADOKAWA
形 態 文庫
ページ数 323
発行日 2017/04/25
ISBN 978-4-04-104765-10

 

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リーズ最後の『BURN猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子』のところでも書いたが、本書はそのシリーズから生まれたスピンオフ作品の一つだ。いつか読むと思うが、スピンオフ作品は他にもう1冊、『サークル猟奇犯罪捜査官 厚田巌夫』というのがあって、もうしばらく僕にとっての楽しみが残っている。
石上妙子はこの作品では、まだ女子大生で研究員時代の話である。後の藤堂比奈子シリーズでも、何度か紹介されているが、石上妙子女史は若きその当時、客員教授であるジョージ・C・ツェルニーンに好感を持って授業に励んでいたのだ。彼は後のシリーズでは昆虫学者として重要な役割を担っている。
藤堂比奈子シリーズには、この他にも個性的なキャラクターが数多く存在して、ストーリーの展開を盛り上げていた。素人の僕が何を言っても始まらないが、そんなパーソナリティを別の物語の主人公に据えて、新たなシリーズ作品の生まれることをひそかに願っている。
そうなれば膨大なドラマが出来上がるのではないか。そんなことを考えるだけでも楽しい。

 

 

女優の波留氏を主演に作られたドラマでは、石上妙子女史を原田美枝子氏が演じて、存在感を示していた。僕はこの女優さんは、若い頃より中年になった現在のほうが、より魅力的になったと思っている。ドラマや映画はこんな中堅の俳優さんが、活躍することにより一層面白いものが作れるとも思っている。
どちらかと言えば近頃のドラマは、若い世代に向けたキャスティングが多いような気がするが、テレビ朝日で放送された『やすらぎの郷』、『やすらぎの刻~道』は、年配の俳優さんがたくさん出演して、重厚なドラマとなっていた。
倉本聰氏の優れた脚本に、その功績は認められるのだが、やはりそれを企画したプロデューサーの腕前だろう。
昔は、ドラマと言えばTBSと言われた時代もあった。僕らの年代にはその頃活躍して、今はもう鬼籍に入っている人も多いが、今のドラマにキャスティングしたいような俳優さんもいて、世の中なかなか思うようにはいかないものだと思うが、時代は巡るというから、少し経てば今の若い人たちが歳をとって、同じようなことを考えるのか。 また、話がわき道にそれた。

毎日、新たな感染者が発生して、新型コロナウィルスの勢いは衰えない。
特に首都東京の、緊急事態宣言発出以降の、記録的な感染者数は爆発的な感染(パンデミック)を予告するようだ。

 

 

日はあいにくの冷たい雨で、仕事は明日に伸ばすことにした。小雨程度ならその日の内に済ますのが僕の流儀なのだが、低気圧の関係で本降りの雨となっているから、仕方がない。
それにしても、毎日のように新たなコロナ感染者が出るのは、どうした具合か。
僕だけは、私だけは、と考える人が多いのか? 感染経路が不明な感染者、というのはそうしたことではないのかと思うが、人にはいろいろとその人なりの都合もあるから、一口に批判することはできない。
僕の仕事は人と接する仕事ではなく、三密とはかかわりないから、緊急事態宣言の自粛要請事業からは外れている。それでも、個人的には週末の外出は自粛して、スーパーへの食糧買い出しはウイークデイにしている。
木更津地方には新たな感染者の発生はないが、県内の感染者数が日ごとに増えている状況は、恐怖心をあおる。専門家によれば、今の感染者数は2週間前の状況で、現在の感染者は2週間後に分かるという。
緊急事態宣言の効果が判明するのは1か月後だとの事。何にしてもその1か月後の効果を期待して、希みをつなげるしかないのか?
ヤダネッタラ、ヤダネ!

 

 

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1957.誘拐遊戯

2020年04月11日 | サスペンス

 

 

誘拐遊戯
読了日 2020/02/11
著 者 知念実希人
出版社 実業之日本社
形 態 文庫
ページ数 396
発行日 2019/10/15
ISBN 978-4-409-55542-3

 

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故ミステリー作家は、誘拐事件に惹かれるのだろう?そして、飽きずに次々と作品を生み出すのだろう。そんな疑問を何回かここに書いてきた。最も割に合わない犯罪と言われる“誘拐”。それは実際の事件の経過を見ても分かるように、誘拐事件の99%あるいはそれ以上、犯人側から見たら不成功に終わっているからだ。
作家だけではない、かくいう僕も次はどんな手を使っているのだろうと、次々と誘拐事件を扱った作品に手を出すのは、事件に魅力を感じているからだ。
しかし、営利誘拐は最も卑劣な犯罪と言われており、魅力を感じているなどと言ってはいけないが、あくまでフィクションの中の事だから、勘弁してほしい。

僕が、誘拐事件のミステリーに惹かれたのは、今に始まったことではなく、かなり昔のことで、高木彬光氏が実際の誘拐事件に触発されて書いた(ということになっている?)、『誘拐』(1961)を読んだ頃からだ。
当時痛ましい事件として日本中を騒がせた誘拐事件は、その当時を知っている年代の人には、記憶に残っているだろう「吉展ちゃん事件」だ。
僕の記憶があやふやでネットで確認したら、高木氏の著作はその事件の前だったことが分かり、またしても僕の記憶の不確かさを認識する結果となった。

 

 

まあ、それはそれとして、誘拐事件はフィクションとしては、小説の題材として多く扱われるから、ドラマ化や映画化という、映像となることもかなり多いだろう。
有名なところでは、黒澤明監督の『天国と地獄』でも、エド・マィベイン氏の『キングの身代金』をヒントに、誘拐事件を見事に映像化している。余談だが、この映画では山崎努氏がデビューして、後の活躍を予見させるような名演を見せていた。 他にも天藤真氏の『大誘拐』も、今は亡き緒形拳氏と北林谷栄氏の競演による映画化がされており、僕はだいぶ遅くなってから鑑賞した。
どちらも一級品の映像として、後世に残る作品だと思っている。

 

 

月も中旬だというのに、今朝はかなり寒くて我慢できずにストーブを付けた。差しているのは薄日で部屋を暖めるほどではなかったから。コーヒーを飲みながら僕が読んでいるのは、1,971冊目となる『鬼籍通覧 暁天の星』だ。
今日のブログが1,957番目だから、14冊も先のことになる。こうした現実と読書のギャップがまだまだうずまらない状態で、一致させようと頑張っているが、なかなか思い通りにいかない。
ここ何回かは一日おきにブログに投稿して、ギャップを埋める努力をしている。そんなわけで近いうちには読了日と登校日を近づけることが出来るだろう。
しかし、僕の頭は少しずつ(でもないか)衰えてゆきつつあることを、認識させられた。本書が2017年4月に読んだ『あなたのための誘拐』を、加筆訂正したものだったとは、全く気付かずに読んだということだ。

緊急事態宣言は社会に様々な影響を与えているが、一番効果を期待したい感染者の増加を食い止めることには、今のところあまり効果が表れてないようだ。ありがたくないことに、東京都の新たな感染者の増加は、毎日記録を更新している状態だ。小池都知事の顔が、日に日に焦燥の度合いが増しているように見えるのは、僕の僻目か?

 

 

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1956.BURN猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子

2020年04月09日 | サイコ・サスペンス

 

BURN猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子
読了日 2020/02/07
著 者 内藤了
出版社 KADOKAWA
形 態 文庫
ページ数 (上)324
(下)223
発行日 2019/01/25
ISBN (上) 978-4-04-106767-3
(下) 978-4-04-106870-9

 

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終巻はちょっと長くて2巻組だ。第1巻の『ON猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子』を読んだのは、昨年10月28日だから足掛け4か月で10巻11冊を読んだということか。(本書を読み終わったのが2月7日)
別に大したことではないのだが、僕にすれば一つの物語を征服したという気になって、達成感を伴う読書の一つの楽しみとなる。まだまだそうした達成感を味わうストーリー群はたくさんあるから、老いぼれてはいられない、という気になる。
それに、このシリーズから生まれた、スピンオフと言おうか、八王子西署の警部補厚田巌を主人公に据えた、『サークル猟奇犯罪捜査官 厚田巌夫』、東大法医学教室の死神女史、いや石上妙子を主人公とした『パンドラ猟奇犯罪検死官 石上妙子』という2冊がある。
今しばらくシリーズの楽しみは続く。

テレビの気象情報によれば、今日は昨日より少し気温が下がるようだが、それでもこの時期の平年並みで、18℃くらいまで上がるらしい。僕の部屋にも朝から暖かな日差しが降り注いでいる。人は天候によって気分の持ち方が変わるというが全くその通り、僕も合間の休みであることから、朝のコーヒーも一段とうまく感じるのだ。

 

 

緊急事態宣言後のコロナウィルス感染者は、依然としてその数を減らすことのない状態を示している。まあ、それは当たり前の話で、そんなに急に事態が変わるわけではないことは分かっているが、それでも人の行動に抑制がかかって、何らかの効果を期待してしまうのが人情だ。
木更津市でも2名の感染者が3月に認められており、それぞれ入院しているようだ。が、その後感染者が増えている情報はない。
僕はカミさんのお供で、週に2回ほど近くのショッピングモールに、食料品の買い出しに出かけているが、スーパーには普段通りの賑わいを見せており、まるでコロナ騒ぎが嘘のようだ。
マスクを着けている人も結構いるが、ノーマスクの人も多い。千葉県の感染者数は4番目か5番目で多い方だ。しかし、千葉市やその周辺、あるいは北総方面の感染者数が突出しており、南部の方では少ないから、あまり危機意識はないのかもしれない。
僕もその一人だから、あまり偉そうなことは言えない。

 

 

こ1週間ほどヤフオクに出品されていた、佐藤青南氏の『行動心理捜査官・楯岡絵麻』のシリーズを落札して、既刊ブラック・コールを覗いた7冊を手に入れた。またぞろ積ン読の蔵書を増やすのか?という思いもあったが、このシリーズは2015年9月に第2作の『ブラック・コール』を読んでおり、その際それがシリーズ第2作ということが分かり、改めて第1作から読んでみようと思っていたのだ。
手ごろな価格で出品されていたので、全作揃えてから読み通そうと思ったのだ。いつも手許不如意の状態でいながら、そんな金の使い方をするから、なおさら貧乏暮らしから抜け出せないのだが、今更ちょっとやそっとの節約がいかほどの役に立つのか!
そんな勝手な思いから全作揃えようなどと思うのが、僕のどうしようもないところか??

 

 

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1955.COPY猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子

2020年04月07日 | サイコ・サスペンス

 

 

COPY猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子
読了日 2020/01/27
著 者 内藤了
出版社 KADOKAWA
形 態 文庫
ページ数 310
発行日 2018/02/25
ISBN 978-4-04-106052-0

 

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週間ほど前から夜、赤ワインを少しずつ飲んでいる。アルコールを受け付けなくなって久しいが、ほんの少しずつなら飲んでも身体に影響がないので、続けているのだが、一つだけ怖いのは“痛風”だ。
最後に発症したのは、いつだったろう?左足親指の付け根に尿酸がたまって腫れあがり、風が当たってもいたいということから痛風というのだが、過去に何度か発症し、その都度少しずつ慣れてきて、最初ほどの痛さはなくなった。
だが、歩くことに不便を感じ、1-2日は我慢をしても、我慢しきれなくなって病院に駆け込むのが通例だった。ビールやワインを飲まなくなって、その代わり水をよく飲むようになったのが功を奏したか、ここ十数年は発症しなくなった。
しかし、ビールやワインに含まれるプリン体は、尿酸値が高くなるほど含まれてはいない、という説もあって、どうやらいくつかの要因が絡まって、高尿酸値を招くらしい。
仕事上のストレスなども大いに関係するようだ。
以上はこの本を読み終わった1月27日の記載だ。現在は何度か書いているように、就寝前にワインかウイスキーを適量飲んでいるが、痛風を心配するほどの量は飲んでいない。

 

 

僕は以前痛風を患ったことがあり、今のところ兆候はないのだが、その発症を恐れながら飲んだら、うまい酒も不味くなる。少しずつ酔いが回る時の気持ちの良さを味わいたい、唯それだけのために飲むのだ。
だから、亡くなった志村けんさんではないが、「大丈夫だァ」、という何の根拠もない気楽な気持ちで飲んでいる。それでも、時には痛風の発症を心配することもある。僕の通風予防法はせいぜい水をよく飲むことだけだ。プリン体を含む食材を避ける、ということもしていないし、青魚も納豆もよく食べる。痛風の発症は痛くて辛いものだが、何年か発症しない期間があると、そのつらさも薄れてくるのは、“喉元過ぎれば・・・”の口だ。

新型コロナウィルスの感染経路の判明しない患者が増加傾向にある状況から、ついに緊急事態宣言が発表されるようだ。東京都を始め大都市のリーダーたちは、政府の緊急事態宣言を待ちかねており、ようやくといった感じだが、諸外国のように各種の要請事項は、強制力を持たず罰則も伴わず、ということだ。さらに、ロックダウンという都市封鎖もできない宣言が、どの程度の感染予防に効果があるのか分からないが、最終的には個人個人の自覚に負うところが多い気がするが・・・・。

 

 

て、シリーズ作品も本書で9巻目となった。
早く最終巻である10巻を読んでしまいたい、という気持ちとまだ物語の世界に浸っていたいという気持ちが相半ばしているが、いつかは終わりが来るのは分かっている。長いシリーズ作品を読むたびに、葛藤する気分を味わうのも、読書の楽しみかもしれない。
東京大学法医学研究室のラボで研究論文に取り組んでいた、石上教授に警視庁捜査1課の東海林から電話がかかってきた。捜査一課の刑事ながら、猟奇犯罪捜査班の一員として活躍する東海林恭久(やすひさ)だ。
死神女史への検死依頼だ。成人男子3名が放射状に並べられて、その中央にくりぬかれた心臓が…。障子の電話はそんな状況を伝えていた。猟奇事件の検屍ばかりを扱うことから、陰で死神女史と呼ばれていることを、本人も知っていた。
藤堂比奈子を中心に展開するストーリーも終わりに近づいてきた。

 

 

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1954.MIX猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子

2020年04月05日 | サイコ・サスペンス

 

 

MIX猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子
読了日 2020/01/19
著 者 内藤了
出版社 KADOKAWA
形 態 文庫
ページ数 310
発行日 2017/07/25
ISBN 978-4-04-105265-5

 

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り46冊になった。何のことかと言えば、僕の読書目標の事だ。本当は昨年11月2日、僕の80歳の誕生日までに、2,000冊を読むことを目標としていたのだが、パソコンの故障でもろくも目標は崩れ去ったのだ。
いや、パソコンの故障だろうが何だろうが、本は読めるのだが、そこは僕の勝手な思い込みと怠惰によって、 長いこと読書から遠ざかってしまったのだった。
ずいぶん迷った挙句パソコンを修理に出して、出来上がってきたのだが以前の調子には、なかなか戻らない。
それでもこのところ、少しずつ読書に身が入るようになったか?
いや、読書そのものは続いていたのだが、ブログへの投稿がままならなかったのだ。どうせろくでもないことを書いているのだから良いではないか、というようなことを、もう一人の僕が言うのだが、そうは言ったってブログは大勢の人の目にさらすのだから、いつもいつもバカなことばかりを書いてはいられないだろう。
ということで、思い通りに進まない。

 

 

テレビや新聞のニュースも新型コロナウィルス関連が優先されて、あまりテレビのスイッチを入れることが少なくなっている。
“時は春、日は朝(あした)、朝は七時(ななとき)・・・・・・すべて世は事も無し。“(上田敏訳詩)
途中少し省略したが、僕はこのロバート・ブラウニングの詩が好きだ。今世界はとてもこの詩のような状態ではなく、程遠い感じだが、一日も早くこうした気分に戻れることを祈っている。

今日は午前中の少しの晴れ間も退いて、午後からは暑い雲に覆われだした。気温は昨日よりは下がったが、寒いというほどではない。が、雨が降り出したようだ。気象情報ではにわか雨とのことだったから、空は幾分明るさを保っている。確実に春が暖かさを増しているようで、僕にとってはありがたい。

 

 

ーヒーが飲みたくなって、ポットで湯を沸かしていたら、オートバックスから電話で、車の修理が出来上がったということだった。 中古車で贖った本田ライフは7代目の車で、もうこの先新たに車を買うことはないだろうから、大事に乗らなくては。とは言いながら、僕の運転の腕前はだいぶ落ちてきている。むかし、無免許運転の期間があったので、僕が 運転免許を取ったのは27歳と大分遅かった。それでも、もう50年以上も運転していることになる。
サラリーマン現役の頃は、車で移動する仕事が長かったので、運転にも自信があった。それが今では運転技術にはそれほど自信はなくなったが、運転マナーや法規に忠実な運転には大いに自信を持つようになった。
今年は免許の更新がある。また、教習所での高齢者講習や、実地運転試験がある。
もう少し仕事を続けたいので、頑張ろう。

 

 

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1953.BACK猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子

2020年04月03日 | サイコ・サスペンス

 

 

BACK猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子
読了日 2020/01/15
著 者 内藤了
出版社 KADOKAWA
形 態 文庫
ページ数 270
発行日 2016/12/25
ISBN 978-4-04-104764-4

 

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いですね、恐ろしいですね。」というような、今は亡き淀川長治さんの声が聞こえてきそうな、新型コロナウィルスの感染者数の増加だ。人間の力は自然の猛威に比べれば、なんと小さなものか、などという気はないが、なす術もなくこのまま成り行き任せしかないのか?
などと思ってしまう。
いやいや、そんなことはないだろう。我が国の偉大な政府、自治体の優秀なリーダーたちと、尊敬される科学者たちが、きっと近いうちにウィルスの活動を収束させてくれるはずだ。
そうとでも思わなければやってられないよ!と、誰かが言っている。
今日は風も収まって、朝から雲一つない青空が広がって、何事もない穏やかな日が始まっている。コロナ禍の騒ぎが嘘のようだ。

僕の読書とブログは世間の騒ぎとは一線を画しているかの如く続いている。僕の頼りない健康寿命も、今のところ何とか滞りなく続いている。こんな穏やかな朝は、暖かな日差しを受け入れている部屋で、パソコンのキーボードをたたく指もスムーズだ。
珈琲も旨い。

 

 

シリーズ作品も7作目となった。前回の『氷姫』を読み終えるのに、意外と時間がかかった。一気に全巻を読み切ってしまうことを惜しんで、間に他の本を入れながら、と思っていたが、時にはこんなに―16日も費やした―時間がかかることもあるなら、続けて読んでしまおうか、などとも思っている。
文庫の帯には、「好きな女性キャラ、第1位!」などと書かれている通り、僕も、八王子西署厚田班の藤堂比奈子の魅力に嵌っている。彼女は、すでに優秀な刑事であるにもかかわらず、他の刑事たちにお茶を入れたり、コーヒーを配ることに、まるでその仕事を当然のようにふるまうところも、好感が持てる。
惚れてしまえば“あばたもエクボ”というから、僕のそうした思いも、それかもしれないが・・・。

藤堂比奈子のみならず、厚田班のメンバーの一人一人の言動に、キャラクターの個性が出ており、それもストーリーの展開にともなって、親しみを感じさせる要因となっている。
今回の話は、都心の病院で大量殺人が発生したという事件が発端だ。
その病院は特殊な受刑者を収容する病棟があり、犯人はそこを狙って犯行に及んだらしい。

 

 

日、金曜日は配達区域が少し多めで、量も多かったから、午前中準備に時間がかかり、昼食後に取り掛かった。
途中車のメーター部分にある、バッテリーのところがランプがついて赤くなっていることに気付く。どうやらバッテリーの調子が良くないようだ。
おかしいなと思いながらも、いつもは配達先につくたびキーをオフにするのだが、用心のためスイッチはそのままエンジンをかけっぱなしにしておく。ところがあるところでいつもの癖が出てうっかりキーをオフにしてしまったら、セルモーターが回らなくなってしまった。
「まいったな!」と思ったが、仕方がないJAFに電話してきてもらうことにした。10分くらいたってから、もう一度キーを入れてみると、なんとエンジンが掛かるではないか!
いそいでJAFにキャンセルの電話をして、仕事に一区切りをつけて、オートバックスに向かう。バッテリー上がりの原因はベルト切れだった。今日は技師が不在ですぐには修理に掛かれず、仕方なく代車を借りることにした。
5日までにはできるということで、まあ、代車で仕事はできるからいいようなものだが、何かと車は金がかかる。

 

 

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1952.氷姫

2020年04月01日 | サスペンス

 

氷姫
Isprinsessan
読了日 2020/01/11
著 者 カミラ・レックバリ
Camilla Läckberg
訳 者 原邦史朗
出版社 集英社
形 態 長編
ページ数 582
発行日 2009/08/25
ISBN 978-04-08-780584-6

 

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近、と言ってもつい先ごろの事なのに、日時も場所も忘れた。
この作者と作品について知ったことだ。多分Amazonのサイトを見ていた時だと思うが定かではない。
サブタイトルの“エリカ&パトリック事件簿”を見て、食指が動いた。ネットで調べるとシリーズが数冊出ていることが分かり、最初の巻から読みたくて、発行日の一番古い本書をAmazonで取り寄せた。
まだ50ページにも及ばないところで、これを書いているから、僕の期待通りの面白いストーリーかどうかは、分からないがそれでも僕は期待に胸を膨らませながら読んでいる。

スウェーデンのミステリー作品が話題になっているが、もともとスウェーデンのミステリーと言えば、マイ・シューバル&ペール・ヴァールー夫妻の刑事マルティンベックのシリーズが映画化やドラマ化されて、古くからお馴染みだった。
近年では惜しくも早逝したスティーグ・ラーソン氏の「ミレニアム」シリーズが世界的なベストセラーで、社会現象をも引き起こした。
他にも「刑事ヴァランダー」シリーズのヘニング・マンケル氏など、多くの作品が翻訳出版されている。
そうした中でこの作品のタイトルを見つけたので、興味を持たされた。

 

 

物語は、作者の出身地でもあるスウェーデンはフィエルバッカという地方が舞台となっている。
海辺の古い屋敷の浴室でアレクサンドル・ヴィークネルが全裸の死体で発見される。第一発見者はエイラート・バリという画家だが、彼に誘(いざな)われて、屋敷に入ったエリカも発見者となる。
サブタイトルともなっているエリカは、エリカ・ファルクというのが正式名で伝記作家。そして、かつては被害者アレクスの親友だったが、彼女が結婚するころには間柄が遠くなっており、最近のアレクスがどういう状態だったかもわからなかった。
屋敷はアレクスの祖父が建てたもので、アレクスはヘンリック・ヴィークネルと結婚後もたびたびこの屋敷に来ていたようだった。
そんなアレクスが「自殺などするはずがない・・・」というのが、母親のビルギット・カールグレンの言い分だった。
警察の初動捜査に現れた刑事の、パトリック・ヘードストレムはエリカの幼馴染だ。ということでエリカは捜査に加わることになる。

この長い物語も、ある種の「幻の女」を思わせるところがあって、アレクスの知らなかった人物像が、次第に明らかになっていく過程で、事件の真相が見えてくるというストーリー展開に、ミステリーの面白さが見えてくるのだ。

 

 

月中旬から下旬並み、ところによっては25℃などという夏日を思わせる日もあった。そんな暖かな日が続いた 後に、真冬の寒さが戻ってきたから、余計に寒さを感じている。
気候の変動は何かこのところの新型コロナウィルスの影響はないのだろうが、増え続ける感染者の傾向は収まるどころか、勢いを増しているようだ。3月30日には、コメディアンの志村けん氏がそのウィルスによる肺炎で亡くなった。また、脚本家の宮藤官九郎氏も新型コロナウィルスに感染しているということが発表されるなど、芸能界にもその波紋が広がっている。
彼らがどうして新型コロナウィルスに感染したかは知らないが、悲しい出来事だ。
今日から新年度の始まりだが、いろいろと予定されていた行事が、中止されたり変更になるといった事態は、前代未聞の事だ。

 

 

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