隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1676.マリア 女性秘匿捜査官・原麻希

2016年11月11日 | ユーモア
マリア
女性秘匿捜査官・原麻希
読了日 2016/11/11
著 者 吉川英梨
出版社 宝島社
形 態 文庫
ページ数 347
発行日 2013/01/24
ISBN 978-4-8002-0579-7

 

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秋というより早くも冬がやってきた、そんな感じの寒い日があって、朝晩ストーブを付けた。子供の頃は冬になると、手足が霜焼けで朝起きると、膨らんだ手指の自由が利かず、しばらくさすったり曲げ伸ばしをしたりと、今でも寒い季節になると当時のことを思い出すのは、歳をとって昔のことばかり頭をよぎるからだろう。その頃は戦後の物のない時代で、あまり良いことはなかったが、それでも日本中が貧乏だったそんな時代を懐かしく思うのはなぜだろう。
多分今が十分とは言えないものの、幸せな環境にあり何はともあれ、日々の暮らしを全うしているからだろう。いろいろな時代を通り過ぎながら、多くの体験をして今に至っているという実感は、実のところあまり持ちあわせてはいないのだが、そういうことなのだろう。
2-3日はこの季節にしては、あたたかな日差しが降り注いで、二階の僕の部屋は少し窓を開けた。ところが10時を過ぎてもカミさんが起きてこないので、どうしたことかと思っていたら、どうやら具合が悪いようで、夜中に脇腹の痛みや嘔吐があって、あまり眠れなかったようだ。

 

 

そんな11月6日・日曜日のことであった。行きつけの君津中央病院をはじめ、何処も病院は休診だから、救急でないと診てもらえないということで、娘は急遽入院の支度をして、救急車を呼んだ。
もう何度目かの救急搬送だ。十数年前からリウマチ、糖尿病などの病魔を抱えたカミさんは、今年8月で81歳を迎え月に一度の通院治療をしているが、完治することのない病だから、うまくそれらと付き合っていくしかないのだ。娘の付き添いで君津中央病院に搬送され、心筋梗塞という診断の下、カテーテル手術が行われた。幸い早期の発見だったので大事に至らず、手術後は集中治療室で思ったより元気な顔を見せていた。
3日ほどで集中治療室から一般病棟へ移るということで、9日の午後に病室が変わった。火、木、土が娘の出勤日なので、昨日10日の午後から僕は看護師から指定された品物を携えて、病院に行った。僕が一人で行くとカミさんの起源はあまりよくない。僕ではあまり話し相手にならないからだろう。30分ほどで早々に引き上げる。

彼女のいない我が家は、やはり何となく寂しくスースーと隙間風が入ってくるような感じがするから、若い医師の話では10日前後で退院できるようだが、一日でも早くなるよう祈るしかない。

 

 

て、前回の終わりに書いたように市原市立図書館で借りてきた、「女性秘匿捜査官・原麻希」シリーズ3冊の内の第3作である。
冒頭、警察学校の同期である友人の、蔵本織江の離婚式の席上で、原田という刑事からある事件のことで相談したいという依頼があった。港南署の巡査部長原田は、管内で起こった自殺と断定された首吊り事件が、他殺ではないかとの疑問を持っていたのだ。
巻を追うごとに切れ味が鋭くなっていくような、原麻希警部補の頭脳は次第に事件の真相に近づいていく。複雑に入り組んだ人間関係の中で、テロ集団の生き残りを追い詰めることができるか、彼女の活躍こそこのシリーズの面白さだ。

 

 

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