瓜二つの娘 The Case of The Duplicate Daughters |
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読了日 | 2017/11/26 | |
著 者 | E・S・ガードナー E.S.Gardner |
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訳 者 | 宇野利泰 | |
出版社 | 早川書房 | |
形 態 | ポケミス620 | |
ページ数 | 264 | |
発行日 | 1973/10/15 4版 | |
ISBN | 4-15-000620-2 |
み続けている「ぺリイ・メイスン・シリーズ」も本書で、14冊目となる。若く体力のあったころならいざ知らず、78歳になる今でもこれほど夢中になって、一つのシリーズを追い求めることが出来るなどとは、考えてもみなかったことだ。
それほど僕を惹きつけて止まない魅力が、このシリーズにはあるということだろう。
時々巻末に表れる訳者のあとがきや解説に見られるところでは、100冊以上のE・S・ガードナー氏の著作は、いずれも100万部以上の売れ行きだそうだ。もっとも、世界中で愛されて、現在も多くのファンを魅了しているから、その数字にも納得せざるを得ない。
と書いたところで僕はまたまた以前見たか聞いたことを思い出す。わが国の文学は言葉の難しさからか、世界への発信力が弱いということだ。そんな意味のことを以前聞いたことが有るが、毎年ノーベル賞の決まる時期になると、ノーベル文学賞の受賞の期待が集まるのが、わが国の作家でヨーロッパをはじめとする海外で人気を誇る、村上春樹氏だ。
過去に何度も噂に上ったが、その都度残念という声が挙がるばかりで、受賞には至っていないのは、前述のことが影響しているのだろうか?とも考えるが、川端康成氏や、大江健三郎氏の受賞という実績もあるから、一概にそうとも言えない、というような思いも芽生える。
そうした大きな賞にはある意味運とか、タイミングもあるのだろうか、素人の浅はかな思いだが、今年は日系イギリス人である、カズオ・イシグロ氏がノーベル文学賞を受賞して、わが国でも大いに盛り上がったのは、つい先ごろのことだ。
作品の一つ「わたしを離さないで」が、わが国でもテレビドラマ化されて、話題となったがしばらくは書店も図書館も、著作の奪い合いが続くのではないかと思っている。
僕も「ぺリイ・メイスン・シリーズ」への熱が冷めたら、どれか1冊でもカズオ・イシグロ氏の著作を読んでみたいと思っているが、まだ少し先のことだろう。
さて、今回のシリーズは本国では1960年に刊行された、第62作目の作品だ。本書は1973年の発行だが、ご覧の通り4版で、初版は1961年ということだ。版権の取得のためか、あるいは翻訳のスピードの問題かは知らぬが、アメリカ本国で発刊されてからその年か翌年に、わが国で刊行されることも有れば、数年後になってから刊行されることもあり、そうした出版事情は時代によって変わるのだろうか?などということを思わせるのが、発行日だ。
うしたことによって、なんら面白さが変わるわけではないが、僕は、それも読書の楽しみの一つとしてとらえている。
シャーロキアン同様に、このシリーズでも82冊の法廷戦術の違いとか、依頼人の職業や男女別の分析とか、いろいろ調べている人もいるのではないかと思うが、僕は読んだそばから忘れてしまうから、そうしたことには無縁だ。
だから、ブログを簡易的なデータベースのような使い方をしており、1000冊読了の折行ったような、著者別の冊数とかの分析を2000冊の時にやってみようかと思っている。
それとて、別にどうこうということではない。自分の歩んできた読書の傾向を知って、なるほどと思うばかりで、どうにも閉まらない話だが、もともとこの読書は全く自分だけの楽しみで始めたことだから、それでよしとしているのだ。
今読み続けているこの「ぺリイ・メイスン・シリーズ」も、82冊の図書館の蔵書の有無を調べて表にしたりしているうちに、若しかしたら82冊全作を読み通すことも、強ち不可能ではないと思い始めている。
途中で僕の熱意が薄れないで継続することだけが不確定要素だから、それだけ気をつければ何とかなるのではないかと、楽観しているが僕のことだからあまり当てにはならない。
せいぜい、熱意が冷めないよう頑張ってみよう。
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