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隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1636.うたかた/サンクチュアリ

2016年06月09日 | ラブ・ストーリー
うたかた/サンクチュアリ
読 了 日 2016/06/09
著  者 吉本ばなな
出 版 社 福武書店
形  態 文庫
ページ数 214
発 行 日 1991/11/15
ISBN 4-8288-3223-8

 

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書記録を付けようと始めたころは、タイトルの通りきっちりミステリーだけを読んでいたが、近頃はどうかするとまるでミステリーとは関わりのないような読み物も、ここ加わるようになっている。実を言えば、それほど残された時間があるわけではないから、中学生から高校生にかけて夢中になった文学作品にも目を通しておこうとも思っているのだ。
そんなに欲張っても、思うほど読めるわけではないのだが、歳をとるにしたがって夏目漱石や志賀直哉と言った文豪を懐かしく思い起こすことが多くなっている。だからというわけではないが、吉本ばなな氏の作品も溢れる才能と言われる著者は、一体どんなものを書くのか一つや二つ読んでおこうという気になったのだ。
だが、そんなことをしていると若い頃是非読もうと思っていた古今東西のミステリーの名作すら、読めなくなるのは必至だ。
近頃は自分がどうしようとしているのかさえ、時々怪しくなってくる。本当にしたいことをするというのは、そういうことのできる立場であっても簡単ではない。まあ、そんな哲学的なことを言っても仕方がない。なるようにしかならない。

 

 

ミステリーとは関わりがないと思いながらも読み進むうちに、特に後の「サンクチュアリ」などは、ミステリーと言っても良いようなところもあり、この読書記録にまるっきり当てはまらないこともない、などと無理やり自分を納得させたものだ。
タイトル通り本書は「うたかた」と「サンクチュアリ」という2編の中編を納めた作品集で、初期の作品らしい。両方ともにラブ・ストーリーと言っていいだろうが、この2編だけで著者のその才能の素晴らしさを僕は感じ入ったのだ。
最初のうたかたは、題名通り少女のうたかたのような日常を描いたものだが、その展開が実に心地よい。割り切ってお妾さんの生活を送る母の許で、めったにお目にかからない放蕩者の父親を、快く思っていない少女が、ひょんなことから出会った腹違いの兄かも知れない青年。
この青年がまるで屈託のない、少女の心にすっと溶け込んでいくような、明るい性格で気づかないうちに、少女の恋心を育てていく。そう言った内容だが、その問題の父親やら、青年が海外に飛んだりして、わずかな波乱らしきものもあり、かすかに波紋も感じるが・・・。

 

 

年が海辺で出会った不思議な光景は、泣きじゃくる女性の姿だった。
サンクチュアリのすたーとのシーンだ。彼は―智明という名だ―「よかったらちょっと休んでお茶でも飲みませんか?」と女性を誘ってみる。女性は泣くことを中断できてうれしいという。彼女もどうやら、どこかで泣き止むことを望んでいたらしい。
そんな風にして知り合った二人がその先どうなっていくのかという展開が気になって、前のうたかたと同様に、二人の恋愛模様を期待してしまうが、そう簡単な話ではなかった。二つ共に物語は若い二人の淡い恋心を描いたものだが、双方ともに人生捨てたものではないとか、悪いことばかりではないといった、そんな柄にもなく哲学的なことを思わせるような、感じさせるような読後感を得る。

 

収録作
# タイトル
1 うたかた
2 サンクチュアリ

 

 

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1548.おいしいコーヒーの入れ方Ⅹ

2015年10月07日 | ラブ・ストーリー
おいしいコーヒーの入れ方Ⅹ
夢のあとさき
読了日 2015/02/07
著 者 村山由佳
出版社 集英社
形 態 文庫
ページ数 270
発行日 2008/06/30
ISBN 978-4-08-746303-3

 

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一昨日から昨日にかけて、日本の学者たちが、医学・生理学並びに物理学で、ノーベル賞受賞が決まった、というおめでたいニュースが日本中を沸かせた。直接の関わりはないものの、日本人として誇り高いではないか。
いろいろとかまびすしい世の中で、こうしたニュースに癒される思いだ。
「大村智さん、梶田隆章さん、ノーベル賞受賞おめでとうございます!」

 

書で8月までに読み終わっている本は最後になると思う。読了日と記事のアップが順不同となっているが、来月2日でこの読書記録も満17年目を迎えることになるから、そろそろ順序良くここに出していこうと思っている。長い間ブログがお留守になっていたので、こういう結果になったが、今のところ読書もまあまあ進んでいるので、前のように長期間更新がないということはなくなるだろう、多分?。しかし僕の約束はあまりあてにならないから、確かなことは言えない。
「おいコー」シリーズも10作目で、これがファーストシーズン最後の巻だ。
若い二人の恋人たちが、様々な状況、困難?を乗り越えて、どう結ばれるのか、といった興味のほかに、僕にとっては若いころを彷彿させるところがいくらもあって、読み続けてきた。

 

 

正直言うと、僕はラブストーリーはそれほど好きではない。と言いながらも、このシリーズの第1巻を読んで自分の若き日と相通じるものがあって、懐かしさ半分、ほろ苦さ半分といった感じでとうとうファーストシリーズ10巻を読み終えて、すでにセカンドシーズン2巻目まで読んでいるから、もうラブストーリーが好きでないなどとは言えないかナ。
それでもずっと先はどうなるかわからないが、今のところ著者のほかの作品に手を伸ばすことはないような気もしている。著者の作品には、高い評価を得ているものがいくつもあって、直木賞を受賞した「星々の舟」、官能表現が話題となった「ダブルファンタジー」、あるいは母娘の確執?を描いた「放蕩記」等々、数え上げると次々と出てくる。
“ミステリー読書”という枠にとらわれずに、どんなジャンルのものでも読めばいいのだが、僕に残された時間はさほど多くはないから、どうしても読んでおきたいミステリーも数限りなくあり、先行きどんな心変りがあるかわからないが、仮に今あげたような作品を読むとしても、もう少し先のこととなるだろう。

 

 

し前に書いたように一昨昨日、10月4日に社会福祉法人薄光会が運営する、ケアホームCOCOの保護者・家族の会「天羽支部」の会合が行われた。僕は役員でも何でもないのだが、会報を作っているということで、広報担当ということになっている。
会報作りは半ば僕の趣味のようなものでもあるから、大威張りで広報担当などと言える立場ではない。息子が養護学校を卒業して18歳になると同時に、薄光会の最初の施設「豊岡光生園」に入所したのが昭和60年だから、それから早30年が経過した。
その当時は入所者の親たちは年に数回の保護者会が開催される光生園へ行った。その頃施設へは車で行く人、上総湊駅からバスで行く人ともに、まだ崖淵の細い曲がりくねった山間の道が残るところを、いったものだった。そのほかにも施設の清掃とか環境整備のために、何回か勤労奉仕にも出かけて、汗を流した。
その頃に比べると、施設を取り巻く環境は激変して、保護者・家族の何割かは加齢とともに他界する人も出て、保護者・家族の会も様変わりしたといえる。

残念なことに、保護者の間に次第に深まっていった絆のようなものが、全くなくなってしまったことだ。 いろいろと要因はあるのだが、天羽支部では支部長が先頭に立ち、再び以前のような、保護者・家族の連帯感を持とうと努力している。
僕が担当する会報作りもそうしたことに、一役買えるようなものになることを願いつつ、努力していこうと考えている。

 

 

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1534.おいしいコーヒーの入れ方Ⅸ 聞きたい言葉

2015年09月09日 | ラブ・ストーリー
聞きたい言葉
おいしいコーヒーのいれかた
読了日 2015/01/30
著 者 村山由佳
出版社 集英社
形 態 文庫
ページ数 211
発行日 2007/06/30
ISBN 978-4-08-746165-9

 

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読の本がいつの間にか少しずつ増えていったので、ブログへの記録が順不同となった。
このシリーズ作品も初めのうちは最初の方の巻を1-2冊だけ読むつもりだったのがもう9巻目になった。読み始める時期が遅かったから、次々と次の巻を待たずに読めるのが利点だ。何度も同じことを書いているが、そうしたことはこのシリーズが初めてではない。僕のお粗末な情報収集は、面白いシリーズ作品を知るのが遅いことがしばしばで、「次々読めるのが利点だ」などと負け惜しみみたいなことをその都度書いている始末だ。
あまり自慢になることではないから、書かない方がいいのかもしれないが、バカな僕はもう何度も書いてしまった。
少し前の記事で、気候温暖な千葉県に住んでいるので、異常気象の被害にあった肩を気の毒に思う、と言ったことを書いたばかりだが、9月6日の晩は千葉市が竜巻による突風の被害にあった、というニュースをテレビで見て驚いた。
まさに自然災害はいつどこで起こるかわからない。こればかりはどこにも文句の持っていきどころがないから、全く困ったことだ。

 

 

話は変わる。アメリカのテレビドラマ「FRINGE(フリンジ)」を見たくて、スーパードラマTVの視聴契約をしたことをこのブログに書いたのは、今年2月のことだった。月日の経つのが早いことに今更ながら驚く。
1-2か月で契約を打ち切るつもりだったのが、「ブラック・リスト」というアクションプログラムや、その後に始まったITドラマ「スコーピオン」に嵌って、相変わらず海外ドラマに夢中になっている始末だ。
スピード感にあふれるストーリー展開が、国内ドラマとは異なる面白さを見せて、目が離せない状態である。
本国アメリカで人気のドラマを選んで放送するのだろうが、よく次々と視聴者を釘付けにする企画を立てられるものだと、感心する。
まあ、それが彼らの商売と言われればそうなのだが、見終わった後ため息が出るようなドラマを国内ドラマでも見たいものだと思っていたら、先日チャンネル銀河で放送された松本清張ドラマのうち、1970年代、80年代に制作されたものに、今見ても見事な出来栄えだと思われるドラマがいくつかあった。

 

 

えば1982年にANBで制作された「風の息」などは見ごたえのあるドラマだ。
今は亡き新藤兼人氏の脚本は、貞永方久氏のメガホンにより、主役の栗原小巻氏や、根津甚八氏らを巧みに動かしている。「日本の黒い霧」などのドキュメンタリータッチの傑作ミステリーを数多く生み出した松本清張氏の作品は、ドラマとしても多くの視聴者を満足させるものが多く、ちなみに僕が録画したものだけでも、数えたら200本以上もあり驚いた。

 

 

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1530.おいしいコーヒーの入れ方Ⅶ 坂の途中

2015年09月01日 | ラブ・ストーリー
おいしいコーヒーの入れ方
坂の途中
読了日 2014/12/04
著 者 村山由佳
出版社 集英社
形 態 文庫
ページ数 214
発行日 2005/06/25
ISBN 978-4-08-747827-3

 

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のシリーズ作品は略して「おいコー」シリーズと呼ばれている。すでに第2シーズン8まで刊行されているようだが、今のところ僕はセカンド・シーズン2まででストップしている。たいした理由があるわけではなく、その前に気になるいくつかのミステリー作品に時間を割こうとしているだけだ。
和泉勝利と花村かれんの二人がどのようにして、いくつかの難関を乗り越えて二人の暮らしを確立してゆけるかどうかが、最大の興味の焦点だが、大河ドラマを思わせるようなストーリーの進展は、遅々として進まない。考えてみれば現実の暮らしでも、そう簡単にことが進むことはめったにないから、じっくりと見守るしかない。
もう何度も同じことを書いているが、このシリーズに惹かれるのは、過ぎ去った遠い過去を思い起こすからだ。
半世紀以上も前のことだが、恋愛時代のことは奇妙に細かなことまで頭に残っているのが不思議だ。
そんなことからお互いに年寄りになったが、カミさんを大事にしなければと、そんな気を起こさせてくれた「おいコー」シリーズを最後まで読もうと思っている。

 

 

長らくご無沙汰したブログとともに、読書のほうも多少怠っていたという気がしていたが、今改めて読書記録をひっくり返してみると、結構休み休みながら読んでいたことに気づく。
ブログに投稿することを何も慌てることはないが、できるだけ早くリアルタイムの読書を投稿できるようにしたいと、一日おきに更新している。しかしそんなことをするから行き詰ってしまうのかもしれないと、ほどほどにしようという気も起きて、落ち着かない毎日だ。
先達てイギリスのテレビドラマ「ニュー・トリックス」について書いたが、このドラマを見るためにスカパーの「チャンネル銀河」と視聴契約をしたら、8月から9月に松本清張ドラマが、新旧33作も放送されるというおまけがあった。
すでにCDに残してあるものもあって、僕の見たいものは22本位にとどまるが、それでも中には1970年代に制作された作品もあり、思わぬ拾い物をしたような感じだ。

 

 

月末は猛暑日が続いたころに比べ、早くも秋が来たかと思うような涼しい日が何日か続いた。若いころと違い暑さ寒さに弱くなった身にとって救いともいえる日だった。それにしても温暖化のせいかどうか知らぬが、異常気象ともいえるような温度の変化や、台風の猛威はわが国に限らず世界のあちこちにも被害を及ぼしているようだ。
幸いにして気候温暖な千葉県に住むものとしてはありがたいが、西日本の台風の通り道に選ばれる地方の方々には、気の毒としか言いようがない。

 

 

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1525.おいしいコーヒーの入れ方Ⅵ 遠い背中

2015年08月22日 | ラブ・ストーリー
おいしいコーヒーの入れ方Ⅵ
遠い背中
読了日 2014/11/09
著 者 村山由佳
出版社 集英社
形 態 文庫
ページ数 222
発行日 2004/06/25
ISBN 978-4-08-747705-4

 

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リーズ作品の6巻目だ。もう何度も書いているがこのシリーズはすでにこの第1シリーズ全10巻を読み終わって、第2シリーズ2巻までを読んでいる。僕の勝手なブログ休載で昨年11月に読んだ本について書いているという始末なのだ。ブログへの投稿を怠けていた期間を今頃になって取り戻そうと、しているが80歳までの2,000冊という目標がめっきり遠のいてしまったことを、いくらかでも埋めようとしているだけだ。
だから、本の詳しい内容についてはもちろん覚えていないが、一向に差し支えはない。主人公たち二人の関係と、その周辺の出来事が1年1冊というペースで発行されているから、遅くなってファンの仲間入りをした僕は次の巻を待たずして読めるという利点がある。
ミステリーではない作品をミステリー作品の合間に読んでいる。「ミステリー読書雑感」というタイトルの僕のブログの趣旨からは外れるが、僕の気まぐれな読書の傾向を表すブログだから、こうしたラブ・ストーリーが入るのもいいだろうと思っている。
前の5巻のところでは、作者村山由佳氏への出さなかったファンレターということで書いたが、一時期彼女が千葉県鴨川市に住んでいたことからも、僕は多少の親近感も感じて実際にファンレターを出そうと思ったこともあるのだ。だが、歳のせいかちょっとばかり気恥ずかしさが働いて、出さないファンレターになった。

 

 

このシリーズの主人公たちと同様に、直木賞作家の著者もある意味波乱万丈の私生活だったと、本人はどう感じているか知らないが、僕は勝手にそう思っている。
まあ、作者の私生活がどうあろうと、作家はその作品で評価されるべきだが、僕はわずかにこのシリーズ作品のみしか知らないから、おこがましく評価などしない。もっとも僕の読書は自分にとって面白かったかどうかということだけで、評論などは書いてこなかったつもりだ。いや、僕の頭では作品の評価や、評論など願ってもかなわないと認識しているから、心配は無用だ。
ある人によれば、人間誰しもが1冊の本になるほどの物語が、一生の間にはあるという。だから、このシリーズの主人公たちの間にもこれからも様々な事柄が起きていくのだろう。

 

 

は変わる。
英国で制作されたドラマ「ニュー・トリックス」の第8シーズンが今月放送されるということで、先月中ごろスカパーの「チャンネル銀河」の視聴契約をした。以前どこかで第9シリーズを見て、面白かったのでもっと前のシリーズも見たいと思っていたから、チャンネル銀河の番組表が目に入ったのだ。
スカパーの便利なところは当たり前のことながら、見たいチャンネル一つずつ即座にネットで契約できることだ。長いことスカパーを見ているからそう思うのかもしれないが、僕は便利に使っている。
ところで、「ニュー・トリックス」というドラマは、警視庁の中にあるUCOSという未解決事件の掘り起こしをする組織に属する刑事たちの物語だ。刑事たちといっても部員の3人は定年退職した刑事たちで、一時期番組のコピーでは、英国版の「三匹のおっさん」などとうたわれていた。
ニュー・トリックスというタイトルは、向こうの諺というか言い慣わしに、「老犬に新しい技(ニュー・トリックス)を教えても無駄だ」というところから取ったという。定年退職した刑事たちを老犬にたとえたタイトルだが、老犬でもなかなかの活躍ぶりは、古く未解決だった事件を何とか苦労しながら解決に導いていく。

 

 

そんな三人の刑事たちを率いるのは女性警視のサンドラ・プルマン。この警視は女性なかなかのしたたか者で、誰に対しても妥協せず事件解決一筋に励むのだ。演じているのはアマンダ・レッドマンという女優で、あまり映画ではお目にかかったことはないが、魅力的な中年女性だ。
英国とわが国では警察機構も異なるものの、同じく未解決事件を扱うアメリカドラマ「コールド・ケース」とは一味違い、毎回事件解決への興味ある展開を見せている。

 

 

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1523.おいしいコーヒーの入れ方Ⅴ 緑の午後

2015年08月18日 | ラブ・ストーリー
おいしいコーヒーの入れ方Ⅴ
緑の午後
読了日 2014/11/03
著 者 村山由佳
出版社 集英社
形 態 文庫
ページ数 213
発行日 2002/11/25
ISBN 978-4-08-747508-1

 

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山由佳 様
最初にお断りしておきます。僕は昨年(2014年)11月2日で75歳・後期高齢者の仲間入りをした老人(この言い方は好きではない、というか僕自身はまだ老人という意識が薄いので)です。
先達てBSイレブンの「宮崎美子のすずらん本屋堂」に、ゲストとして貴女が出演して宮崎女史との話の中で「おいしいコーヒーの入れ方」シリーズを知り、従来好きでもなくあまり興味もなかったラブ・ストーリーにちょっと気を引かれて、何より月に100杯は飲むコーヒー好きなところから、サブタイトル(いやこちらがメインタイトルか?)も気になったのです。
読書が好きな僕は貧乏だった子供のころから、本があれば何もいらないという口で、中学生の頃はあまり自慢できる話ではありませんが、弁当の代わりにもらう昼食代は、ほとんど文庫本に代わるほどでした。
そのためかどうか、どうでもいいことですが僕は骨格も細く、身長も平均より低めです。
そんな僕でしたが、22歳の時に中学生時代の同級生の家に、遊びに行って彼の姉と知り合いました。4歳年上の彼女が今のカミさんです。

 

 

ショーリとは少しばかり事情は違いますが、僕の場合もすんなりと一緒になれたわけではありません。第一に彼女の父親の反対が僕より彼女を悩ませていました。しかし、お互いに惹かれあった二人は何とかなるものです。いろいろありましたが結局は一緒になったのですから。
そんな二人でしたが、僕のわがままから若いころは随分と女房不孝をしてきたと、今頃になってこのシリーズ作品を読みながら、反省しきりという具合です。そこでこの作品でお互いに惹かれあった頃を思い出し、もう今年で80歳を迎えるカミさんに、少しでもやさしく接しようと努力しているところです。
少し遅きに失した感はありますが、昔を思い出しながら何かとカミさんと話を合わせています。思いがけない効果を生み出したこのシリーズ作品に感謝してます。ありがとうございました。

 

 

れは実際には著者に出してはいないファンレターである。このシリーズを読み始めたきっかけは、ここに書いたように毎週見ている「宮崎美子のすずらん本屋堂」というテレビ番組で、著者の話を聞いたからだ。
一日4~5杯のコーヒーを飲んでいた僕は、「おいしいコーヒーの入れ方」というタイトルにも惹かれて、また明るい著者の雰囲気からも読んでみようという気になった。これを書いている2015年8月17日にはすでにシリーズも第2シーズンの2冊を読み終わるほど入れ込んでいるのは、僕の若いころを思い起こさせるからだ。
ファンレターに書いたとおり、作品を読み続けているうちに、僕は好きで一緒になったカミさんをもっと大事にしなくては、とそんな気になったことを文字通り感謝しているので、出すとしたらこんな内容になるだろうというファンレター?にもならないだろうが書いてみた。
たいしたことは書いてないが。若いころは恋愛は実践するもので読むものではない、というような思いを持っていたから、ラブ・ストーリーには興味が持てなかった。偉そうなことをいう生意気な若者だったと、今では思うが若気の至りだ。
老人といわれる年になって気がついてもどうしようもないが、それでも恋はしたいと思い続けているが、改めてカミさんに恋してみよう。

 

 

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1521.雪の降る音

2015年08月13日 | ラブ・ストーリー
雪の降る音
おいしいコーヒーのいれ方
読了日 2014/10/20
著 者 村山由佳
出版社 集英社
形 態 文庫
ページ数 213
発行日 2002/11/25
ISBN 978-4-08-747508-1

 

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うだいぶ前に読み終わった本だから、内容はほとんど覚えていないが、5歳も年上の従姉に惚れ込んだ青年の物語であることだけは、忘れずにいる。10年以上も続いているシリーズ作品の第4作だが、今の時点で僕は第一シリーズ10作と、続く第2シリーズの2作をすでに読み終わっている。
前回諸般の事情で読書から遠ざかっていた旨を描いたが、実際には読書から遠ざかっていたわけではなく、正確にはブログへの投稿から遠ざかっていたというべきだった。読書そのものは細々ではあるが、続いていたのだ。ただ以前のようなブログにいろいろと書くことが頭に浮かんでこなかったことも僕をブログから遠ざけていた要因の一つだった。
このシリーズ作品について前にどんなことを描いたか覚えていないが、あまり好きでもないラブ・ストーリーにはまって10冊以上も読み続けたのは、若き日の甘酸っぱい思い出を彷彿させたからだ。
余分なことだが、4歳年上のカミさんとのことが、読むたびによみがえり似たようなことは誰しも経験しているのではないかと思ったり、否そんなことはない、などと行ったり来たりを繰り返しながら僕の場合はショーリに肩入れしている。

ショーリとは和泉勝利(かつとし)というこのストーリーの主人公の一人で、現在(この巻の時代)は大学1年生である。5歳も年上の従姉(と書いたが実際は従姉ではなく血のつながりはなかったのだが・・・)・花村かれんに思いを寄せて、将来の結婚を夢見ている。のだがしかしそうはいっても、幼いころから従姉として接していた上、彼女を育てた叔母(なき母親の妹)夫婦に打ち明けられずにいるのは、まだ大学生という身分だからだった。
早く一人前の社会人になって堂々とかれんを迎えられることを考えているものの、なかなか思い通りにいかないのが世の常だ。シリーズを読み続けて、50年以上も連れ添ったカミさんに対して、今更ながら今までの女房不孝を反省しているところだ。

 

 

話は変わる。
6月23日で満48歳を迎えた息子が入所している施設、ケアホームあけぼの荘を運営する社会福祉法人薄光会には、保護者・家族の会と言って施設の利用者の親たちの団体がある。
もともとは最初の入所施設・豊岡光生園の開園とともに発足した保護者会が始まりで、その後特別養護老人ホーム・三芳光陽園、通所施設・鴨川ひかり学園、湊ひかり学園などと施設が増えるに従って、それぞれの地域で保護者会ができ、保護者は親のみでなく兄弟姉妹、あるいは子供たちといった家族に及び、全体として保護者・家族の会と名前も変わっていったのである。
豊岡光生園の一事業という位置だったケアホームも、今年度平成27年4月からは独立した事業となり、それに伴って保護者・家族の会も新たな天羽支部が発足して、ケアホーム利用者の保護者組織となり独立した。

 

 

に頼まれたわけではないが、僕は新しく誕生した保護者・家族の会の天羽支部の会報を作ろうと思い立った。
そんなところが僕のバカなところで、自分で仕事を作ってしまう間抜けさ加減だ。しかし、支部の中では比較的古くからの施設利用者の保護者であることから、新たに利用者となった障害者の親・兄弟たちに広報活動をするのもいいのではないかと、自画自賛のうえ始めたのである。
年に4回ほど開催される支部会の折に配布する予定で、ゆくゆくはほかの保護者たちにもお手伝いをお願いして続けていこうと考えている。

 

 

 

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1518.おいしいコーヒーの入れ方Ⅲ 彼女の朝

2015年02月15日 | ラブ・ストーリー
彼女の朝
おいしいコーヒーの入れ方Ⅲ
読了日 2014/10/16
著 者 村山由佳
出版社 集英社
形 態 文庫
ページ数 202
発行日 2001/06/25
ISBN 978-4-08-747330-8

 

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日(2/12)金箱三恵子さんから電話をもらった。彼女は昨年まで僕が監事を務めていた社会福祉法人薄光会の副理事長で、僕と同様に息子さんが法人の運営する施設に入所している。
以前は薄光会の通所施設・湊ひかり学園に通所しており、その折は利用者の保護者で組織される保護者会の役員などをされていたが、その活動ぶりを評価されて理事に推され、昨年役員改選で副理事長に就任した才媛である。しかも現在は保護者会の会計やNPO法人の理事も兼任されるなど、その活動は八方に及ぶ貴重な人材だ。
一方彼女は僕のブログの数少ない読者の一人でもあり、このところブログの更新がないことから、僕の体調不良を心配しての電話だった。昨年は彼女のところも僕のところも喪中で、年賀状のやり取りもなかったから、しばらくぶりに交わす彼女との会話はとても嬉しく、その心遣いにいたく感激した。

ブログの更新が遅れているのは、単に僕の怠惰のなせる業で、身体の方はいたって元気であることや、テレビドラマに夢中になるあまり、読書がおろそかになっていること等々、しばしの会話を楽しんだ。
だが、そんなことで心配をかけては申し訳ないから、駄文ではあってもあまり間を空けずにブログの投稿は続けようと思いながらこれを書いている。

 

 

さて、読了日とブログへのアップデートがバラバラになっている状態で、もちろんかなり時間が過ぎているから内容も覚えていない。このシリーズもすでに第一シーズン10冊を読み終わっており、メインキャラクターの一人である花村かれんのか可愛さにほれ込んで、続けて読む羽目に陥った。
ミステリー読書というブログのタイトルからは外れて、我ながら面映ゆい感じだが、何度も書いているように若いころの自分と重ね合わせて、ノスタルジックな感覚に浸っている。

 

 

事の間隔が先述の通り随分と空いていることが、気になりながらも面倒だという思いが先立って、ちょっとしたスランプ状態に陥っていた。そんなことは初めてというわけではなく、たまにおこる現象で要するに怠け癖と言ってもいいかもしれない。
それというのも読書よりも手のかからない、テレビドラマを見ることに時間を取られているせいだ。
昨年9月か10月に以前嵌まっていたアメリカのテレビドラマ「FRINGE(フリンジ)」が見たくて、スーパ ードラマTV(スカパーのチャンネルの一つ)を視聴契約したことはその時に書いたが、いろいろと見続けることによって、いくつかのアメリカドラマに引き込まれ、短期間の契約をと思っていたのがいまだに続いている。

近々始まる「BLACKLIST」というアクションサスペンスともいうべき、アメリカで高視聴率を誇っているドラマの第2シーズンを前に、第1シーズンのキャッチアップを見ながら、契約はまだしばらく続くことになりそうだ。

 

 

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1513.おいしいコーヒーの入れ方Ⅱ 僕らの夏

2014年12月26日 | ラブ・ストーリー
僕らの夏
おいしいコーヒーの入れ方Ⅱ
読了日 2014/09/30
著 者 村山由佳
出版社 集英社
形 態 文庫
ページ数 205
発行日 2000/06/25
ISBN 4-08-746047-6

 

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人の子の幼かった頃は、モミの木に電飾を張り飾りつけをして、クリスマスケーキを食べたりしたが、今やクリスマスと言ってもどうということはなくなった。代わり映えのしない第三次安部内閣がスタートしたが、こちらも「ああ、そうですか」といった感じだ。
歳を取るにしたがって、いろいろなことに執着心が薄れていくのは、いいことなのか悪いことなのか、よくわからない。

あまり好きでもなかった恋愛小説だったが、若い二人の恋模様が僕の若いころを思い起こさせて、続けて読むことになってしまった。いい年をした年寄りが、やきもきしながら二人の行く末を心配したって始まらないが、好青年と―いやまだこの時点では少年といったほうがいいか、実はもうこのシリーズを他の本の間に挟みながら、もう少しで8巻を読み終えようとしているのだ―初々しい年上の彼女が何とも、ぼくの結婚前後のことを思い出させて、読むのをやめられなくなった。

 

 

このところこの読書記録の過去のデータを、リニューアルしながら整理する作業がつかえて、ブログの更新もお茶を濁すようなことしか書けないでいるのは、何とも本末転倒で情けない気もしている。
来年(2015年)1月半ばころまでには、タイトルの検索用INDEXが完成して、著者名検索とタイトル検索が簡単にできるようになるだろうと考えていたら、それでも毎日の積み重ねが思いのほかはかどって、本日無事終了の運びとなった。
ブログの左サイドに「タイトル検索」、「著者名検索」のバナーを張り付けた。まあ、これを利用するのは僕自身が一番多いのかもしれないが、一応の形が整った。
ただ、文学賞の検索がまだ残っているので、僕の読んだ本の中にはいろいろな文学賞受賞作も数あるから、そちらのインデックスも近いうちに完成させたい。
1500冊にも及ぶ記事のアドレスをExcelに蓄えて、リンクを張るのは気の遠くなるような作業だったが、何とか年内に終えることができて、ほっとしているところだ。

 

 

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1494.おいしいコーヒーの入れ方1 キスまでの距離

2014年10月03日 | ラブ・ストーリー
おいしいコーヒーの入れ方1 キスまでの距離
読了日 2014/08/08
著 者 村山由佳
出版社 集英社
形 態 文庫
ページ数 205
発行日 1995/06/25
ISBN 978-4-08-747059-8

 

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構忙しく過去ログを修正したり、アップロードしたりする間に、ハードディスクに録画してあるアメリカドラマを見たりして、「俺は何をやっているんだろう!?」と自問自答する毎日だ。
若いころから法廷ドラマを好きだった僕は、NHK・BSプレミアムで放送された「グッドワイフ」を、何年か前の第1シーズンから毎シーズン楽しみにしている。州検事の夫を支えながらアソシエイト弁護士として、ロックハート&ガードナー弁護士事務所で働く、アリシア・フロリック(ジュリアナ・マルグリース)を主人公とするリーガルサスペンスだ。
シーズンを通したエピソードを縦糸に、毎回独立した事件をを絡ませながらのストーリーは、見るものに緊張感を継続させて、次を期待させる連続ドラマの醍醐味を味わい深くさせるのだ。

 

 

今僕が毎日2~3話ずつ見ているのは、今年(2014年)4月からつい先日(8月28日)まで、22回にわたって放送された第4シーズン。グッドワイフのタイトル通り、ジュリアナ・マルグリース氏演じるアリシア・フロリックが主人公ではあるが、ファームと呼ばれ多くの弁護士を抱える法律事務所が舞台の集団ドラマであるから、アリシア以外にもたくさんの登場人物たちにスポットライトがあてられる。それぞれに個性的なキャラクターが配されて、ドラマを盛り上げる。
僕は中でも調査員のカリンダ・シャルマ(アーチー・パンジャビ)が好きだ。主人公を演じるジュリアナ・マルグリース氏も昔の「E.R.緊急救命室」のときとは一味違う名演を見せているが、それでも彼女の個性は時々ERでのジョージ・クルーニー氏を相手に有能な看護師を演じていたころを思い起こさせる。

 

 

て、僕は若いころから読書のカテゴリーの中で、敬遠してきたジャンルに恋愛小説があった。
好きなミステリーの中には、恋愛小説と言ってもいいほどのものもあったが、そのミステリー・ストーリーの展開に必要だったとの見解で、自分自身に許容してきた。僕が若いころに恋愛小説を敬遠してきたのは、自分自身そうした恋愛のさなかにいたことも一つの理由だ。
要するに恋愛は実地に経験・体験するものだという思いがあったからだ。しかし、先だってBSイレブンで村山由佳氏と宮崎美子氏の話を聞いていて、恋愛小説の大家ともいうべき著者の作品に興味を持った。
特に「おいしいコーヒーの入れ方」シリーズは、すでに12?まであって、さらにSecondSeasonまであるとのことを知り、コーヒー好きの僕はそのタイトルも気になった。

そこでBOOKOFFで本書を見つけて、とにかく読んでみようと買ってきた。
そこには若いころの僕と重なり合う状況が描かれており、50年を超えた結婚生活を共にしてきた、カミさんと知り合ってから結婚するまでのことが、思い起こされた。このストーリーの主人公の一人である、ショーリこと和泉勝利(いずみかつとし)が、父の転勤で単身赴任をする間、従姉弟の二人と同居することになる。
そうした状況に不満を持ち、従姉弟たちと同居することに不満だった勝利だが、きれいな女性となって彼の目の前に現れたかれんを見て、心を奪われる。
従姉弟は花村かれん・丈の二人で、丈は中学生、かれんは勝利より5歳年上だった。だが、勝利は次第にかれんを異性として意識するようになる。
タイトルにあるようにこのシリーズ1は勝利とかれんが初めてのキスに至るまでの道のり?を描く物語だ。

随分しばらくぶりに切なくも、くすぐったいような若いころを思い起こした。

 

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1361.時代屋の女房

2013年06月16日 | ラブ・ストーリー
時代屋の女房
読 了 日 2013/06/16
著  者 村松友視
出 版 社 角川書店
形  態 文庫
ページ数 222
発 行 日 1983/01/25
分類番号 0193-150204-0946(0)

 

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イトルも時期もすっかり忘れてしまったが、NHKのラジオ放送で、著者の作品の朗読をやっていて、その作品の語り口に惹かれて、あとで本を探して読んでみようと思った。
そういえば最近はラジオを長時間聞くことがめったになくなり、いやそうでもないか。いすみ市のお袋を訪ねる際は1時間半ほど車に揺られるから、その間聞こうと思えばラジオを聴くことはできるが、主にはMDに録音したクラシックかジャズを聴くことが多いから、ラジオからは遠ざかっている。
何の話だったっけ?ああ、NHKラジオの朗読放送は今でもやっているのかな?あれは何日も続けて聞かないと内容がわからないけれど、自分で読むより頭に入る。ずーっと昔に、俳優の故・山形勲氏の朗読で、「シャ―ロック・ホームズ」をやっていたこともあったな。あのころは好きで、山形氏の低く渋い声が内容によくあっていて、確かあれはカセットテープになって、売り出されたのではなかったか。ずいぶん前の話だ。
読書も音読が良いという説もあるが、若いころテープ・レコーダーに吹き込んだこともあって、あとで聞くと自分の声が想像していたより変な風に聞こえて1回でやめた。
どんどん話がとんでもないほうに行ってしまうな。
あの昔朗読で聞いた著者の作品は、また思い出したら読んでみたい。そんなことを思いながら古書店の棚を見ていたら、古い本書を見つけた。文庫で1983年の発行だが、この前の年にこの作品は直木賞を受賞している。
今だったら、直木賞受賞作と書かれた帯がかかるところだ。もう30年にもなるのか。

 

 

本書は、表紙の写真でもわかるように、若くして惜しまれながらこの世を去った、夏目雅子氏の出ていた映画としても話題になった。僕は見てないのでよく知らないが、続編もあるようだ。あ、映画だけでなく、本の方も続編があるのかな?まあ、あるんだろうな、映画が先でなく原作が先だろうから。
映画は後で、市内のTSUTAYAで探してみよう。そうだ、TSUTAYAと言えば最近はあまり利用してないな。10数年位前は多い時にレンタルビデオ店の会員カードを、10枚くらい持っていたのではないかな。今では会員カードはTSUTAYAの1枚だけになって、それもあまり利用しなくなってしまった。
BS放送が始まってからはテレビの画質が良くなったこともあって、特に最近はデジタル放送も始まって、なまじっかのDVDなどよりきれいに見えるから、多少のカットさえ我慢すれば、ほとんどテレビで間に合ってしまうからだ。また話がそれた。

 

 

かし、読んでいるうちに昔読んだ、というか見たと言えばいいか、漫画でもやっぱり読んだといった方がいいのだろうな。メジャーではないが、(いや、メジャーだったのかな)カルト的、熱狂的なファンを持つ、つげ義春氏という漫画家の作品を思い出した。彼は一時期千葉県の大原(現在のいすみ市大原)にいたことがあったので、親しみを感じて、ずいぶん読んだことがあった。
その頃僕は、今まで読んだ漫画とは違い、そのリアル感を抱かせる白戸三平氏の忍者武芸帳、サスケ、カムイ伝などにはまっており、そうした既存の漫画家とは一線を画すような新しい作家の作品を掲載する雑誌「ガロ」を知ったのも同時期で、その「ガロ」で、つげ義春氏も知ったのだ。つげ氏の作品には、大多喜から中野に向かう木原線(現在のいすみ鉄道)沿線の土地を舞台にしたものがあり、木原線に乗って3年間大多喜高校に通った僕は、ますます身近に感じて、ファンになっていった。

そんな中で本書と似た印象の作品はタイトルは忘れたが、もしかしたら「李さん一家」だったかな?いや、筋が似ているというのではなく、僕が漫画を読んだ時の印象と、本書から受ける印象に似たものを感じているだけなのだが・・・・。
しかし、読むほどにこの作品に、映像的なものを感じるのは、映画化されたことを知っているからかも知れないが、どこかにあるような、あるいはないような舞台や登場人物たちを、身近に感じられてくるところなどが、僕に昔見た漫画を思い出させるのか。
またまた、本とは無関係な無駄話ばかりで終わってしまった。ミステリー味はちょっと薄い?(無いといった方がいいか)作品もたまには良いか。

本書は他に「泪橋」という中編も併載されている。

 

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