隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1906.運命のチェスボード

2019年05月20日 | 本格
運命のチェスボード
Wolf to the Slaughter
読了日 2013/01/15
著 者 ルース・レンデル
Ruth Rendell
訳 者 高田恵子
出版社 東京創元社
形 態 文庫
ページ数 317
発行日 1937/04/17
ISBN 4-488-24301-0

 

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国の本格ミステリーを担い、アガサ・クリスティの後継者の一人として、本格推理のほか数多くのサスペンスを書いているルース・レンデル女史。僕はこの名前を見たり聞いたりすると、1985年の事を思い出す。
当時はまだ高かった大型テレビを、取引先の家電担当氏の計らいで安く手に入れることが出来て、BS放送の契約もした。
暑い夏のさなかカミさんの具合が思わしくなく、近くの病院に入院していた時の事だった。夜テレビを見て いると、日航機の墜落事故のニュースが入ってきた。乗客の中に歌手の坂本九氏の名前もあって、大変な事故だという認識が頭を駆け巡った。話が横道にそれた。
そのテレビを買ったおかげで、当時まだ試験放送だったWOWOWの放送で、ルース・レンデル・ミステリーという番組があった。

 

 

その頃はあまりミステリーも読んでなかったから、というより慣れない営業職が、少し重荷だったころだ。
そして、その英国ミステリーの面白さに嵌った。本作のドラマは、シリーズのパイロット版ともいえる作品で、後に連続ドラマとして製作されたものとは、オープニングのテーマ曲や、導入部分などのフォーマットが異なっている。だが、ジョージベイカー氏、クリストファー・レイブンスクロフト氏といったメインキャラクターのいかにもといった警察の人物像が、重厚なドラマという印象だった。
僕はドラマを録画してDVDに残し、後に何度となく見返したからだろう、今も記憶にあるのは。

 

本書の冒頭から数ページを読んでいると、記憶力のいささかあいまいな僕にも、ドラマの場面がよみがえって、改めてドラマが綿密な作りだったことを認識せざるを得ない。
しかし今になって本場英国のミステリーと、その映像化の素晴らしさは、「シャーロック・ホームズの冒険」を始め、「名探偵ポワロ」、「ミス・マープル」等々、数え上げればきりがないが、手間と時間をかけて作られたことが分かる。
世界各国で歓迎されて、いずれも高い視聴率を誇っていたのがその証しだ。

 

 

名な画家の妹で、アンという女が行方不明となって、殺された。犯人はジェフ・スミスだ―そんな匿名の手紙がキングスマーカム署に届いた。ウェクスフォード警部は調査を開始したが、屍体さえ発見されない状況に困惑せざるを得ない。本当に殺人はあったのか?混迷する捜査陣の前に、やがて事件は意外な真相を明らかにする!
本書に記されたキャッチコピーだが、僕はドラマの印象とともに、このシリーズにははるか昔にテレビの前で、心惹かれたストーリーや各キャラクターを演じた俳優諸氏の、いかにもそれらしい役柄を見ながら満足していた自分を思い起こすのだ。
気まぐれな僕の読書は、このシリーズを前作読み通そうと、BOOKOFFの100円の文庫棚で見かける都度買い集めたものが、まだ数冊積ン読となって棚を埋めている。いつになったら読み終わるのか、全くわからないが、まあいずれは手にすることが出来るだろう。(と思っているが。。。。)
うっかりして、ブログへの投稿が済んでいるものと思っていたが、忘れていたことに今頃(2020年7月29日)まで気づかなかった。

 

 

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