六つの手掛り | ||
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読 了 日 | 2012/09/07 | |
著 者 | 乾くるみ | |
出 版 社 | 双葉社 | |
形 態 | 文庫 | |
ページ数 | 297 | |
発 行 日 | 2012/03/18 | |
ISBN | 978-4-575-51488-9 |
は少し違うが、同じ古書店を舞台とした連作短編集が「蒼林堂古書店へようこそ」(1193参照)だ。僕はこの続編が出ないかと期待しているのだが、今のところ続編の情報は入ってこない。
そんなことで(どんなことだ?)本書もタイトルから気になっており、読むことにしたのだが、このところ(8月の下旬から)伸び放題になっていた草取りに、毎朝2時間ほどの時間を割いて、1か月弱かかってしまった。
2時間とは言いながら、毎日のことだから年寄りの身体には結構応えて、夜になって本を手に取るも、眠気が先に立って、満足に本も読めない日が続く。
猫の額ほどの狭い庭なれど、しっかりと根を張った草はなかなかにしぶとく、手間がかかった。どちらかと言えば嫌いなこうした作業は、従来できるだけ敬遠してきたのだが、8月1日にうちのカミさんが室内で転倒した際に、テーブルの角にあたって、鎖骨と肋骨とを骨折して(しかも肋骨は2本だ)近くの総合病院へ救急搬送され、急遽入院という羽目に陥ったから、嫌いだなどと言ってられなくついに手を出すことになった次第だ。
今までは時々シルバー人材センターかどこかに依頼していたのだが、今年は異常な暑さのせいか、一向に来てくれる気配もなかったことも手伝って、仕方なく自分でやることになった。
まあ、本はいつでも読めるからいいようなものだが、草は放っておいたら伸びるばかりなので、どこかで刈り取るしかない。ところが始めて最初の日に、僕はえらい目に遭ってしまったのだ。車庫から物置に続くスペースを最初に手を付けたのだが、その夜右手首から二の腕にかけて2-3mmほどの発疹がびっしりと出来て、痒みで夜中に目が覚める始末だ。我慢できなくて翌日皮膚科に行ったら、あいにく休診で2日間は猛烈な痒みに悩まされる。
翌々日皮膚科で診察を受けると、何と原因は毛虫だという。椿や山茶花の葉の裏に発生する何とかいう(名前は忘れた)毛虫は、その毛を四方八方に飛ばすのだという。一応虫除けに僕は厚いジーンズに長袖のシャツという服装で臨んだのだが、医師の説明では細かい毛はちょっとした隙間から入ってしまうとのこと。
ちょうどそのスペースには高さ1m弱の椿があって、取った草をまとめて袋に入れる時、そういえば毛虫を見た気がした。毛虫にもいろいろあって、赤塚不二夫氏のケムンパスのような、愛らしいものばかりではないことを知った。
幸いにカミさんは1か月半ほどして、9月14日に無事退院の運びとなった。
んなこんなで、また読書に専念できるかどうかはわからないが、毎日ポツポツとまるで拾い読みのような感じで本書をようやく読み終えたところである。表紙のイラストにある山高帽をかぶった、チャップリンのような男が主人公で名探偵なのだ。
林茶布(はやしさぶ)という名から、英国流に姓と名を逆にして、サブリン(茶布林:林をリンと呼んで)と名乗る。(この名前については他の読み方もあって、巻末の山前譲氏の解説にほかの著書との関係や、兄弟についてなど、詳しく興味深い話が載っているのだ)
とにかく、本格推理好きの読者には答えられないだろうと思われる、連作短編集なのである。特に思わず「えっ!?」と思うのが最後の1行?だ。そうした遊び心も含めて、まあ読んでご覧なさいと言いたい本だ。
# | タイトル | 発行月・号 |
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1 | 六つの手掛り | 2006年4月号 |
2 | 五つのプレゼント | 2006年12月号 |
3 | 四枚のカード | 2007年9月号 |
4 | 三通の手紙 | 2008年4月号 |
5 | 二枚舌の掛け軸 | 2008年10月号 |
6 | 一巻の終わり | 単行本(2009年4月)に書き下ろし |
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