隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1715.昆虫探偵 シロコパκ氏の華麗なる推理

2017年02月26日 | ユーモア
昆虫探偵
シロコパκ氏の華麗なる推理
読 了 日 2017/02/26
著  者 鳥飼否宇
出 版 社 光文社
形  態 文庫
ページ数 353
発 行 日 2005/05/20
ISBN 978-4-334-73877-X

 

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年5月から始めた健康管理ノートへの記入だが、そのノートも自作である。今日は来月3月分のノートをプリントした。この後で製本するつもりだ。これについては前にもどこかで書いたような気もするが、まあ良いだろう。元々は高い血圧の管理をするためのものだったが、体温や排尿・排便なども記録するようになって、専用のノートを自作した。
僕の変な拘りのようなもので、時にはそこに記入するよりノートを作ることが目的となっていたり、いろいろ様式を考えることも一つの目的となったりするから、考えれば本末転倒もいいところなのだが、誰に迷惑をかけることでもないから、好きなようにやっている。
血圧管理表や、食事の時刻なども記入するため、表が多いから前はExcelを使っていたが、表の罫線がいまいち美しくない。そこで、3月分は罫線の太さを加減できるWordで作ってみた。Excelであれば関数を使って、日付などは毎月一発で変更できるから、手間なしでいいのにわざわざ手間のかかるWordでは、一か月分を作るのに2-3時間は要する。
それでも、そうした時間は半分以上楽しみでもあるのだ。

 

 

少し前に新しい年を迎えたばかりと思っていたが、あと2-3日で3月とはおどろ木桃の木(山椒の木)だ。
健康管理ノートを作って、毎日記録するようになって9か月が過ぎようとしているが、近頃血圧の数値が以前より低い数値で、安定している。自作のノートのお蔭だとは思はないにしても、定期的に何かをするということも少しは影響しているのかもしれない。
3月10日が次の受信日なので、ドクターに薬を種類かあるいは量を減らせるのかどうか、聞いてみようと思っている。新聞の書籍広告欄には「(高血圧の)薬は飲んではいけない」などというコピーがあったりするから、血圧の高いことよりそちらの方がほんの少しだが気になる。

 

 

供の頃の夏休みの宿題の一つに、定番ともいえる昆虫採集があった。田舎育ちの僕ももちろんやったことはあるのだが、いつも適当なところで妥協していたから、たいそうなものは出来ず一応の義理を果たしたという程度の出来栄えだった。中には驚くほど整然と並べられた標本のような箱を提出する者もあったが、あとで考えればとても小学生の作ったとは思えないもので、多分親の協力があったのだろう(とまあ、これは僕の僻みだ)。
本書に出てくる昆虫の生態はまるで図鑑を読んでいるような詳細なもので、昆虫に親戚でもいるのかと思うほどだ。僕はタイトルから名探偵・シロコパκ(カッパ)が昆虫の生態などから、事件を解決するストーリーだと思ったら、それが大いなる勘違いであったことが、読み始めてわかるのだが・・・。

多分BOOKOFFで中古本を買ったのだと思うが、かなり前の話でいつ頃だったのかは忘れた。そんな古い本がまだまだたくさんあって、図書館の新しい本を探すことはないと思うのだが、やはり新しく出た本の魅力にも抗しきれないのが、凡人の悲しいところだ。
かなり図書館の本が続いたので、手持ちの未消化をいくらかでも解消しようと手にしたのが本書だ。この積ン読を消化するというのも、僕にとっては簡単なことではない。まだ、200冊いや300冊はあるか、それらはすべて読みたいと思って、あるいはいずれ近いうちに読もう、そう思って買ったものばかりなのに、なぜ読まずに溜まってしまったのか?
一つにはBOOKOFFなどという安価な中古本チェーンが増えたということもある。いやいや人のせいにするのは良くないが、一方でそれらの店がなかったら、僕の読書生活は今のように1700冊を超えるといった状態にはならなかったろう。
そうした点で感謝こそすれ、積読本がたまって困るなどとはとても言えないのだ。

 

 

著者・鳥飼否宇氏の名前は、横溝正史ミステリ大賞の優秀賞を受賞したということで、以前から知ってはいたが、大賞受賞作ですらまだ読み終わって無い本が数ある状態だから、とても優秀作までは手が回らず、例によってそのうちになどと思うばかりだった。
前述のごとく、タイトルの昆虫探偵から僕が想像したのは、事件の謎を名探偵が昆虫の生態などによって、解き明かすということだったのだが、そんな僕の想像からは全くかけ離れた設定は、驚きの世界だった。
葉古小吉(はぶるしょうきち)なる男がある朝目覚めるとゴキブリになっていた、というのがストーリーの始まりだ。高校生の時にカフカの「変身」という小説を読んで、自分も虫になりたいなどと考えたことがあった小吉は、別に驚きも嘆きもなく、昆虫世界に溶け込んで、熊ン蜂のシロコパκ氏の探偵事務所に助手として勤務することになる。
昆虫の世界もいろいろと複雑な様相を見せるが、人間世界と異なる事件を名探偵が解き明かすのかと思えば、これがなんとも頼りない探偵で、助手のゴキブリ・ペリプラ葉古(昆虫の世界ではそう呼ばれている)も、そんな探偵の助手だから、同様にあまり優秀とは言えない。探偵事務所はいつも閑古鳥が鳴くありさまだが、それでもたまには依頼人も現れて、シロコパκ氏は自信満々に引き受ける。しかし・・・・。

下表の収録作のタイトルにミステリーファンは、どこかで見たようなタイトルだと思われるであろう。それぞれ著名なミステリー作家の作品タイトルのもじりとなっている。

 

収録作
# タイトル
第一話 蝶々殺蛾事件
第二話 哲学者の密室
第三話 昼のセミ
第四話 吸血の池
第五話 生けるアカハネの死
第六話 ジョロウグモの拘
第七話 ハチの悲劇

 

 

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