せどり男爵数奇譚 | ||
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読 了 日 | ||
著 者 | 梶山季之 | |
出 版 社 | 筑摩書房 | |
形 態 | 文庫 | |
ページ数 | 307 | |
発 行 日 | 2000/06/07 | |
ISBN | 4-480-03567-2 |
ットで安楽椅子探偵譚を探していて見つけた1冊、なのだがかなりの間手に入らなかった。
ところが、探しているときはなかなか見つからないのに、手に入った途端他の文庫や単行本等いろいろと出てくるのだ。今更僕は稀覯本(きこうぼん)を集める気もないが本書はまるで、その内容と同様に稀覯本の様相を示しているかのようだ。
僕が今は亡き著者の本を最初に読んだのは、昭和38年頃に発表された「夢の超特急」だったと思う。
それまで読んだミステリーとは違う現実感を伴った内容に胸躍らせて読んだことを思い出す。話がわき道にそれたが、「夢の超特急」は翌昭和39年に大映で映画化されて大ヒットした。
その年に開通した東海道新幹線とあいまって話題沸騰となった。
さて、本書は麻雀(まあじゃん)の役をあしらったタイトルからなる連作で、下記のように6話が収録されている。
いずれも主人公・古書の業界で通称せどり男爵と呼ばれる笠井菊哉が古書の収集に際し遭遇する不可思議な事件の顛末が語られる。
「せどり」とはいろいろ説があるらしいが、古書市などで背文字を見ていち早く手に入れるということのようだ。要するに掘り出し物をつかむ目を持つということらしい。
第6話で布装の本の話が出てくるが、これを読んでいて昔僕も紺絣の装丁本を何冊か持っていたことを思い出した。あれはどうしたんだろう?今となっては遠いおぼろげな記憶しかない。
# | タイトル |
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第一話 | 色模様 一気通貫(いっきつうかん) |
第二話 | 半狂乱 三色同順(さんしょくとうしゅん) |
第三話 | 春朧夜 嶺上開花(りんしゃんかいほう) |
第四話 | 桜満開 十三不塔(しーさんぷとう) |
第五話 | 五月晴 九連宝橙(ちゅうれんぽうとん) |
第六話 | 水無月 十三九(しーさんやおちゅう) |
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