薄い月 京都迷宮事件簿 |
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読 了 日 | 2010/8/7 |
著 者 | 海月ルイ | |
出 版 社 | 徳間書店 | |
形 態 | 新書 | |
ページ数 | 310 | |
発 行 日 | 2008/1/10 | |
ISBN | 978-4-06-182578-9 |
い出したように時々読みたくなるという作家が何人かいるが、この作者もその一人だ。今はネットで何でも検索できて、知りたい情報が詳しく簡単に、しかも瞬時に引き出せるのが便利だ。
本書もそうして得たデータで知って手に入れた、のだが同じようなタイトルの本が2冊あったので、サブタイトルのついた本書を短編集かと勘違いして注文した。
見たら短編集でないばかりか、シリーズの2作目だった。僕の誤った思いこみと早とちりはいつものことで、悔やんでも仕方がない。
検索と云えば、YahooジャパンとGoogleが提携するというニュースをテレビでやっていたが、強力なライバルだった2社が手をつなぐというのはどういうことなのだろうと、不思議な気もしたが、なんでもありの今の世の中、そんなことで驚いてはいられないか?!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/b8/b4ec98792d6e79306238ce5aa9fb40bc.jpg)
本書は今までに読んだ3作とは少しばかり趣の違った作品だ。
表紙には書下し長編旅情ミステリーなどと記されているが、東京を本拠とする主人公が京都を舞台に活躍するといった点で、旅情と言えなくはないが、いわゆる紀行ミステリーとは違うようだ。
フリーライターの夏目潤子を主人公としたストーリーで、京都府警の中にある「見当たり捜査課」の実態を取材するというのが、テーマとなっている。
僕は初めて聞くが、知っている人もいるだろうか?
見当たり捜査とは警察署や、街の交番にの中にも貼ってあるのを見かけるが指名手配の顔写真だ。一般の市民にも見かけたら通報を依頼する意味でも大事なものだが、実はこの写真をもとに、街頭の道行く人々や、駅頭などの人の行き来する場所で、眼を凝らして捜査員であることを隠しながら、探すことを職務とするのが見当たり捜査課というのだそうだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/b8/b4ec98792d6e79306238ce5aa9fb40bc.jpg)
目潤子はその見当たり捜査課員に同行して、実際の犯人逮捕の瞬間を取材しようと云うのだ。このストーリーの中では、その捜査の模様が細やかに、だが、迫力を以って描写される。
捜査員たちは手配写真の顔を500人は覚えているという。そして、さらに驚くべきはそうした容疑者たちが、例え整形手術をしようが解ると云うのである。
見当たり捜査員たちの中でも高い検挙率を誇るのが、警部補の稲垣だった。彼らが群衆の中から一つの顔を見出すことを「アタリ」がつくという。
稲垣は今までその「アタリ」を外したことがないといわれるが、潤子の取材中に確かに稲垣の反応が「アタリ」をつけたと思われたが、外したのだ。なぜ?
主人公は夏目潤子と云う女性フリーライターなのだが、これも一つの警察小説と言えるだろう。
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