いよいよ師走 補正・当初の予算編成まぢか
TPP、北洋サケ・マスなど課題山積の2016年へ
TPP対策は総合的な政策大綱が政府から示されたものの、数字はなし。さらにロシア水域でのサケ・マス流し網禁止に対する緊急対策もはっきりしない。窮地にある水産の現場はやや不満なムードが漂う中、2015年補正予算は12月18日の閣議決定に向け、最後の配分が大詰めを迎えています。そんな中、12月10に開かれた自民党水産部会で補正予算の重要事項が説明されるや、翌日には「サケ・マス漁に100億円支援」(時事通信)というニュースが新聞を飾り、政府が100億円規模の緊急対策を打つことが確実となりました。
その内容は、「流し網に代わる新たな漁法を探るための調査・検証事業」「ホタテやベニザケ養殖の技術開発試験」「水産加工業者がサケ・マスから別の原料に変更する際に必要な製造ラインの改修」(北海道新聞)と報じられています。関係者から伺うと、道東地域の水産振興対策をパッケージにした予算編成となっており、水産基盤整備では新たなホタテ漁場の造成や輸出を振興する衛生管理型漁港(国直轄)などが含まれているようです。また「サケ・マスのふ化放流施設や養殖用の稚魚生育施設などの整備に補助金を付ける」(時事通信)そうです。
今年までロシア水域に出漁していた団体は「全船がロシア水域でのサケ・マス沖獲りを希望しており、どんな漁法でもロシア側が認めくれるのであればチャレンジしたい」という意向で、漁法転換の予算付けと同時に、水産庁がロシア側と早く交渉をまとめてもらえるよう強く希望しています。ロシアの本当の意向が不透明な所がたいへん気がかりです。
サケ・マスの緊急対策とは別に、国はTPP対策として3,000億円規模の予算を編成する意向とされ、主に国内農業対策の影響緩和が図られるはずですが、水産も一部盛り込まれ、担い手支援漁船リース事業や燃油対策の充実などが焦点となりそうです。特に、漁船更新への支援を求める声は道内に多く、広域浜プランの策定とタイアップする形で漁業後継者に手厚い支援の手を差し伸べる実質的な効果を期待したいものです。
2015年は爆弾低気圧の災害に始まり、災害に終わる年でした。オホーツク海のホタテ減産、全道の秋サケ減産・定置網の被害がクローズアップされ、防災・減災が漁業現場にも求められています。
さらに12月号でも特集したましたが、「ゼニガタアザラシ」など海獣の漁業被害対策、ロシア水域や海洋・魚種の変化への対応が求められる道東漁業など、来年につながる課題はとても重く大きいものばかりです。
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