水産北海道ブログ

北の漁業と漁協がわかる情報満載です

「日ロさけ・ます漁業交渉」(ロシア200海里水域)妥結 漁獲割当量1,962トン、30トン未満の小型船19隻のみ

2015-06-11 22:03:23 | ニュース
 ロシア200海里水域のサケ・マス流し網漁業の操業条件を決める日ロ政府間協議は11日妥結した。水産庁によると、モスクワで5月14日から開催されていた今回の交渉結果は、漁獲割当量が約1,962トンと前年の3割に大幅削減され、操業期間は6月27日から7月27日までの1か月間に半減した。そのため、操業隻数は30トン未満の小型船19隻のみとなり、漁期を逸した中型船は操業を断念した。
 今回の交渉中にロシア連邦議会では資源保護を理由にサケ・マス流し網漁業の禁止法案が審議され、10日には下院を通過し、上院での承認を経て今月中にも成立の見込みにある。政府間交渉の長期化、2016年1月からの流し網禁止法案に危機感を募らせた根室市や道東の関係市町村、漁業団体は10日上京し、中央要請を展開。農水省では林芳正大臣に流し網漁の継続を強く要望した。長谷川俊輔根室市長は「道東の水産加工など関連産業に与える影響は250億円にのぼる」と地域経済への打撃の大きさを訴えた。

2015年『水産北海道』6月号 期待の夏漁 植樹の季節到来 大きな過渡期を迎えた北海道漁業

2015-06-11 17:28:42 | 月刊水産北海道

 『水産北海道』6月号が出ました。表紙は「網走湖のシジミ漁」(網走市・呼人漁港)です。今シーズンの網走湖のシジミ漁は、全道の生産量の8割を占め、大粒で味が濃厚なことから市場での人気も高い。順調な操業が続き、西網走漁協シジミ部会が徹底した資源管理のもと、貴重なシジミ資源を守っています。
 今月号は、まずTPP交渉の話題から。日米の大筋合意が近いとの緊迫した情勢下、札幌の集会では650人が国会決議の堅持と情報公開を訴えました。
 4月に知事選があったため、道の人事異動は6月1日となり、道議会も含めて新体制がスタートしました。輸出が快進撃を続けるホタテは、札幌で「大手荷受・荷主取引懇談会」が開催され、低気圧によるオホーツクの減産を含めた需給の見通しが議論されました。3年に一度の北海道漁港漁場大会には200人の市町村、漁協関係者が集まり、整備促進を求める決議を採択しました。
 道漁連は恒例の取引懇談会を開き、全国から300人が出席して本道漁業の現状と課題について情報提供を受けました。在札の水産団体も総会を行い、決算と予算を承認しました。北見管内の浜回りでは、各漁協が好調な販売取扱高となり、秋サケの減産をホタテがカバーしました。
 そのほか、漁業就業支援フェア、川原理前利尻漁協組合長の叙勲(旭日単光章)、JF共済の優績漁協表彰、道女性連の新会長誕生(國分豊子北見地区会長・西網走漁協女性部長)、ひやま漁協女性部の植樹活動、石狩湾系ニシンの26年漁期まとめ、26年度えりも以西マツカワ漁獲状況、道立漁業研修所の入所式、沙流さけ・ますふ化場の完成など話題満載。
 表紙にある「大きな転換期」とは言うも直さず貿易自由化の波であり、端的にはTPPの行方ですが、少子高齢化が進む漁業も構造改革は避けて通れない状況で、どういったスタンスと方向性をもつのか、北海道漁協は選択を迫られています。おおよそ以上のような発言を川崎道漁連会長が「取引懇談会」の挨拶で述べています。