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★「思い出のマーニー」は◯◯◯だった❶

2014年07月09日 | エンターテインメント

スタジオジブリ最新作、米林宏昌(40)監督作品「思い出のマーニー」(7月19日公開、ジョーン・G・ロビンソン原作、美術監督=種田陽平、作画監督=安藤雅司、103分)試写を観た。
(安藤作画監督は、元ジブリの人ではなかったかしらん)
前作長編「借りぐらしのアリエッティ」(2010年度日本映画観客動員数第1位!)、画も(音楽も)良かった米林監督だから、今作も期待大なのだった。

マーニーの《企画意図》で、米林監督は書いている。
「今から2年前、鈴木(敏夫)さんから一冊の本を手渡されました。
『思い出のマーニー』
宮崎(駿)さんも推薦しているイギリス児童文学の古典的名作です。
鈴木さんはこれを映画にしてみないかと言いました。

(中略)
物語の舞台は北海道です。
12才の小さな身体に大きな苦しみを抱えて生きる杏奈。
その杏奈の前に現れる、悲しみを抱えた謎の少女マーニー。
大人の社会のことばかりが取り沙汰される現代で、置き去りにされた少女たちの魂を救える映画を作れるか。

(中略)
僕は宮崎さんのように、この映画一本で世界を変えようなんて思ってはいません。
(中略)
もう一度、子どものためのスタジオジブリ作品を作りたい。
(後略)」

第2作マーニーを観て、その意気や良し。この企画意図は成功したよね、と感じた。

ここが良かった❶=繊細で優美な米林ワールドなのだ
舞台は、夏の北海道に置き換えている。
杏奈とマーニーが出逢う入り江の湿地(映画では「しめっち」)屋敷が実にきれい。ジブリらしい画。
さらに、日本の典型的夏祭り風景、典雅な舞踏会、入り江のボート、告白の森........。
背景は種田美術監督の力が大きいのだろうけど、米林監督が描く2人の少女の愛くるしさが光る。
東京・池袋(豊島区)西武別館で原画展があるから、見にいきたい。

ここが良かった❷=時空を超えた「ア・ガール・ミーツ・ア・ガール」ストーリーなのだ
時系列が複雑なので、展開がやや難しい。
心に深い傷を負い、自分を「外側にいる」と思っている少女・杏奈(声=高月彩良さん)が、入り江の洋館で謎の少女・マーニー(声=有村架純さん)と出逢う。
「私と出逢ったことは秘密よ」
「うん、秘密。絶対に言わない」
杏奈に笑顔が戻りつつあったが、心許せる友だちだったマーニーは、実はムニャムニャだった(←言えません)。
伏線をよーく覚えていないと、「ん?」なのだった。
..............長くなったので、続く。