10月13日付日経新聞夕刊1面コラム「あすへの話題/死者の臨在」(作家・佐伯一麦さん寄稿)=写真。
今夏、僕の親戚宅があった津波被災地区の荒浜(宮城県若林)を訪ねた折、案内してくれたタクシー運転手さんから
「コラム冒頭と、ほとんど同じ話」
を聞いた。
(【以下、佐伯コラム引用です】
「津波の被災地で、霊的な経験をしている人が多いと聞く。
例えば、海を見下ろせる夜道で、人を轢いてしまったと思い、慌てて車から降りてみると、人影は無く、車体に傷や凹みもない。
それでも、不安で警察に通報すると、
ああ、その現場なら、これまでも何度も同じような通報がありまして、
という答えが返ってくる……。」
【引用、終わり】
僕が今夏、地元タクシー運転手さんから聞いた話は下記のとおり。
「荒浜全域は津波に飲み込まれ、畑も住宅街も、ほとんど砂地になりました。
店や家屋も自販機もないから、海岸沿いの道路は、夜間は真っ暗。
深夜、同地区の交差点を、ライトを点灯した同僚タクシーが走り抜けたとき
「ドスン! ドスン!」
と数人の黒い人影にぶつかった、というんです。
同僚の運転手は
「うわぁ、やってしまった!」
と慌てて降車、タクシーの点灯ライトを頼りに周囲をみたが、何もない。誰もいない。
自分のタクシーを見たが、凹みもない。
ザザザザ……ただ、海岸の波の音だけが聞こえたといいます。
運転手は万一に備え、警察パトカー、救急車を呼んで交差点一帯を調べ回ったが、
人影も、ガラスの破片も、流血跡も、何もなかったといいます。
警察・救急とタクシー運転手は
「津波にのまれ、無念の非業死をされた、成仏できなかったかたでしょう」
と言い合ったといいます。
――多くの方々が、体験されたのだ。
(-_☆)
今夏、僕の親戚宅があった津波被災地区の荒浜(宮城県若林)を訪ねた折、案内してくれたタクシー運転手さんから
「コラム冒頭と、ほとんど同じ話」
を聞いた。
(【以下、佐伯コラム引用です】
「津波の被災地で、霊的な経験をしている人が多いと聞く。
例えば、海を見下ろせる夜道で、人を轢いてしまったと思い、慌てて車から降りてみると、人影は無く、車体に傷や凹みもない。
それでも、不安で警察に通報すると、
ああ、その現場なら、これまでも何度も同じような通報がありまして、
という答えが返ってくる……。」
【引用、終わり】
僕が今夏、地元タクシー運転手さんから聞いた話は下記のとおり。
「荒浜全域は津波に飲み込まれ、畑も住宅街も、ほとんど砂地になりました。
店や家屋も自販機もないから、海岸沿いの道路は、夜間は真っ暗。
深夜、同地区の交差点を、ライトを点灯した同僚タクシーが走り抜けたとき
「ドスン! ドスン!」
と数人の黒い人影にぶつかった、というんです。
同僚の運転手は
「うわぁ、やってしまった!」
と慌てて降車、タクシーの点灯ライトを頼りに周囲をみたが、何もない。誰もいない。
自分のタクシーを見たが、凹みもない。
ザザザザ……ただ、海岸の波の音だけが聞こえたといいます。
運転手は万一に備え、警察パトカー、救急車を呼んで交差点一帯を調べ回ったが、
人影も、ガラスの破片も、流血跡も、何もなかったといいます。
警察・救急とタクシー運転手は
「津波にのまれ、無念の非業死をされた、成仏できなかったかたでしょう」
と言い合ったといいます。
――多くの方々が、体験されたのだ。
(-_☆)