降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★新聞社整理部も始動す=僕の『メディアの興亡』(2)

2012年10月02日 | 新聞
【10月1日付の続きです。写真は本文と関係ありません。
『杉山隆男』さんの名前を入稿時誤っていました。ご指摘いただき、ありがとうございました】

杉山隆男さんの『メディアの興亡・上下巻』(新潮文庫版、1989年)は、
1970年代以降の、新聞社の躍動→没落低迷期を、綿密な取材で描きだしたノンフィクションである。
その一方、東京・神田の出版屋に生まれた杉山氏が、慣れ親しんだ鉛活字印刷から、デジタルシステムへの移行を多角的に描いたドキュメントでもある。

現在のままの鉛活字組みでは、近いうちに限界が来る。
新聞の編集・印刷システムをゼロから構築せよ--。
現在の新聞CTS(コンピューター・タイピング・システム=電算処理組み版)原型をつくりあげた、
朝日新聞東京本社ネルソン・プロジェクトチーム、
日本経済新聞東京本社アネックス・プロジェクトチーム
は、競い合いながら空前絶後の編集デジタル革命を成し遂げたと思う(2社に協力した日本IBM技術陣も!)。
--彼ら先駆者の技術がなければ、今の新聞社は効率よく動いていないのだから、あらためて感謝深謝である。
m(__)m

--で、僕。
1990年代、新聞社整理部で面担だった僕は、部長に言われた。
「社長室直轄のCTS開発委員会に、こちら編集整理部からも参加しなくてはいけない。だから、昼間はCTS業務もやってくれ」
朝刊編集を夕方~深夜こなしながら、昼間は会議やら出張やらいろいろ動き回れ--ということ。

『メディアの興亡』にも書かれているが、
編集や印刷の流れをあまり知らない&分からない技術屋さんばかりでつくりあげちゃうと、
現場無視のシステムになってしまう恐れがあったのだ。
「だから、整理部として、こちら編集側の仕事がやりやすいようにバンバン口を挟め! 分かったな!」
はい、分かりました! 整理部からは僕のほか出稿部ら数人が「CTS開発兼任」になった。

データ集配信→記事入稿・出稿→画像処理→紙面レイアウト→赤字処理→降版→各本社送信(電子版送信)→印刷→配送システムを、
デジタル技術屋さんに主導権を取られてたまるかってんだっ! バシッと言ったるぜ! と僕たち編集選抜(笑)は腕まくりをして会議室に向かった……。

長くなったので、続きは後日(書くかも)。


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