絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

ESさんの県展制作 3

2011-04-27 | 絵画指導
ESさんが前回のアドバイスを受けて、描き込んで来ました。



前回は、首の部分がつままれたように、黒くひきつっていましたが、
それが直りました。ただ、髪の毛の暗さ、顎の暗さと比べると、弱すぎます。
そのため、上に合せるには、もう少し暗くしないと合わないと話しました。
主役なので、いちばん気になるところですから、そこは、統一した方がいいでしょうと
言いました。

他の部分は、左の植木鉢の丸みが気になります。
素人にありがちな、円の両サイドがつままれたように尖る状態が現れてしまいました。
右側の植木鉢は丸くなっていますが、左側の植木鉢の端が尖っています。

また、左の植木鉢の周りに鉄柱のようなものが立っていますが、その前後関係が狂っていました。
右側の棒は、植物の葉と比べると、その後ろにあるように見えますが、床に着いた位置が手前に来すぎていました。
それと、後ろにあるなら、左の棒より遠近的には、細くなるはずですが、上を見ると、右側の方が太くなっています。
その点がおかしいと話しました。
また、右側の棒と植木鉢との関係を表すのに、植木鉢の端との関係が前後がわかるようにした方が良いと話しました。
今は、接触しているような位置関係ですので、どちらが前かわからないような状態になっています。

その他は、ほとんど完成と言ってもいいだろうと思います。

とても良い作品になっています。

入選ラインは、確実に超えていると思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

私が絵の道に入るまで 6

2011-04-27 | 絵のこと
ここまで、私がデッサンで苦労したお話をしてきましたが、多分デッサンだけをしていたら
やめてしまったかもしれません。

私が止めないで我慢できたのは、水彩画を描いていたからだろうと思います。
デッサンはダメでも、水彩画は高い評価を受けていました。

ここで、ちょっと意外に感じたことがあります。

私の周りには美術部の先輩たちがいました。
その先輩たちが美大受験のためにデッサンをしていて、みんな上手なので、それがさしあたっての
私の目標でした。私はデッサンが一番下手でしたから、先輩たちのデッサンをうらやましく
見て、憧れていました。

しかし、あるとき、意外なことに気づきます。
それは、そんなにうまい先輩たちが批評会で持ってくる絵があまりぱっとしないのです。
デッサンがあんなに上手いのに、どうして?と思うくらいたいしたことはないのです。

へええと思いました。「あれならおれの方が上手いや」と感じました。

そこで、一つ自信を取り戻しました。

私は、デッサンでは、負けているけれど、色を着けた絵なら先輩たちと戦えるという気がしたのです。これはなぜだかわかりませんでした。色があるのと、ないのとでは違うらしいのです。
それで、以前慰めのように聞こえた「デッサンは枚数だから」という卒業生の言葉が思い出されました。もしかしたら、そうなのかもしれないと少し感じました。

私がデッサンを始めてから、初めて描いた20号の水彩画が、これです。



もちろん、デッサン力がなかったので、上手くありませんが、それでも絵になっていると思います。構図、テーマが良いのです。自宅の夜の食卓を描きました。
バランスもいいですよね。いかがですか?

そして、これが、初めて出品した麓原展で特選になったのです。
上から3番目の教育長賞でした。
この展覧会は、本庄市を中心としている一般の大人の展覧会です。公募展ですから高校生以上なら誰でも出品できます。ということは、大人と一緒に審査されるのです。県展と同じです。
そういう展覧会で賞をいただくのは、結構すごいことなのです。
だから、県展に続いて、私は二つ目の勲章を手にしたのです。

デッサンが下手な私が、展覧会に出すと先輩たちより良い賞を取ってしまう。その辺が不思議でした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする