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はじめてのマンドリン

ある日突然、マンドリンの音色に恋をした
初めて手にした時から、ささかやかな感動を綴っています

本「さよなら、ムッシュ」

2022-01-26 13:50:07 | 本・映画・ドラマ
片岡翔さんの「さよなら、ムッシュ」を読みました。
感想など綴ってみたいと思います。


タイトルだけで、どんな内容なのか、知りもせず読み始めたのですが、
まさか、、自分(主人公)が亡くなる結末だったなんて!と、驚きました。

表紙の優しい雰囲気から、、、お母さんが亡くなった日に、ぬいぐるみがしゃべり始めて、
ずっと一緒に居たけれど、大人になって、、、だんだんぬいぐるみの存在を必要としなくなって、
しゃべらなくなってしまうって話なのかなぁなんて、、勝手に想像してた(苦笑)
全然違ってた^^;

20年間しゃべり続けるコアラのぬいぐるみ

小さな出版社で校正の仕事をしている森星太朗は、
幼いころ他界した作家で母の文子が残してくれたコアラのぬいぐるみを大事にしていた。
ムッシュ、と名付けられたそのぬいぐるみは、母が亡くなったその日、
なんと突然しゃべりだし、以来、無二の親友になっていた
      (もちろん、世間には内緒のままにして)。
そんなある日、しゃっくりがとまらなくなった星太朗は、
自分が母と同じ死に至る病に罹っていることを知ってしまう。
ムッシュは、星太朗に思いがけないある提案をした。
温かで、名付けようのない思いに満たされる感動作。


もしも余命宣告をされたら、、私はどうするのだろう?
ぜひやりたい10のこと、、のように、やりたかったことを、、
やりたいと思うのだろうか?それとも、今までどおりの時間を
のんびり楽しみたいと思うのだろうか?
なんて考えつつ、読み進めてました。

後半、、ひとり暮らしをするのが体力的にきつくなって、
明日から入院しようと決めたあたりから、涙腺崩壊。。

本文から引用させていただくと、、、

死ぬのが怖いのは、どうしてだろう。
自分がいなくなってしまうから。
まだ人生を楽しめていないから。
その先に、何があるかわからないから。
いや、どれも違う気がする。

それは、大好きな人と、別れないといけないから。
でも、それよりも、もっと怖いことがある。

一番怖いことは、大好きな人を守れないことだ。


せつなくて、悲しい。
でも、、大好きな人を守るために、、、の気持ちが伝わってきて、
とても心が温まる物語。

心優しくなれそうな気持になる本でした。