独断偏見妄言録 China's Threat

中国は人類の命運を左右する21世紀最大の不安定要因

人種差別主義者の称号は名誉:バノン氏

2018年03月12日 17時26分15秒 | 欧州
バノン氏、仏右翼会合で「人種差別主義者の称号は名誉」
2018.03.11
CNN.co.jp
(CNN) トランプ米大統領の側近だったバノン前首席戦略官は10日、訪問先のフランスで右翼政党「国民戦線」の会合に出席し、「人種差別主義者と呼ばれることは名誉の印」などと発言した。

バノン氏は演説で聴衆に「皆さんを人差別主義者と呼ぶ人には呼ばせておきなさい。外国人嫌いと呼ぶ人、移民排斥主義者と呼ぶ人には呼ばせておきなさい。その称号を名誉の印として掲げればいい」と訴えた。

また、自身が世界各地を訪問して学んだのは「歴史は我々の味方」であり、「グローバリストは自由への答えを何一つ持っていない」ということだと述べた。

演説後の記者会見では、ホワイトハウスで最近、高官の辞任が相次いでいることについて質問を受け、トランプ氏が中間選挙に備えてグローバリストを排除し、経済ナショナリズムを前面に打ち出しているのは明らかだと指摘した。

バノン氏は2016年の大統領選でトランプ陣営の最高責任者を務め、新政権で首席戦略官・上級顧問のポストに就いたが、昨年8月に更迭された。

今年1月にはトランプ政権の内幕を暴露した新刊書籍「炎と怒り」の中でトランプ氏や長男トランプ・ジュニア氏を批判していた発言が引用され、トランプ氏の怒りを買った。

バノン氏が真正の反グローバリストであることは以前から明らかだった。移民排斥と経済ナショナリズムはトランプ氏とも共有する。彼を狂人のように蔑む人もいるが、トランプ氏の支持率は同時期のオバマより高いという情報もあるように、意外なほど支持者が多いのである。その理論的支柱がバノン氏だったのであり、今も変わっていないようだ。

日本のインテリ層はアメリカの移民排斥と経済ナショナリズムをトランプ氏の気まぐれ(あるいは無知)による一時的なものと軽く見ている。彼等はヨーロッパの動きも理解できていない。急速に勃興してきた右派政党を極右政党とかポピュリズム勢力などと呼んでバカにしている。やがて痛い目にあうことになるだろう。

本ブログでは随分前からグローバリズムの害毒を指摘してきた。今まさに反グローバリズムが世界の潮流になろうとしているのである。
バノン氏の行動は今後も注視しなければならない。

欧州ポピュリズム勢力にテコ入れ トランプ氏元側近のバノン氏、伊仏など訪問
2018.3.11
産経
 【パリ=三井美奈】トランプ米大統領の元側近で首席戦略官兼上級顧問を務めたスティーブン・バノン氏が欧州を歴訪し、ポピュリズム(大衆迎合主義)勢力をテコ入れしている。10日にはフランスの極右政党「国民戦線」の党大会で演説し、マリーヌ・ルペン党首を激励した。

 国民戦線は、反ユーロを掲げるルペン氏が昨年の大統領選でマクロン大統領に敗北して以降、支持率が急落しているが、バノン氏は演説で「歴史はわれわれ(ポピュリズム勢力)の側にある。必ず勝利する」と訴えた。

 バノン氏は、4日のイタリア総選挙にあわせてローマ入り。同国紙コリエレ・デラ・セラのインタビューで「イタリアはポピュリズムの要衝。トランプ氏が大統領選で勝つ前の米国に似ている」と発言。ポピュリズム政党「五つ星運動」や移民排斥を訴える右派「同盟」の支持拡大に強い関心を示した。その後、スイスで講演し、ドイツでメルケル政権の移民政策に反対する右派「ドイツのための選択肢」幹部と会談した。

 バノン氏は1月、トランプ氏と政権の暴露本出版をめぐって対立。欧州では、新たなポピュリズム勢力のネットワーク構築を計画中との報道もある。



<2018年3月15日>

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)3月16日(金曜日)
        通巻第5640号  <前日発行>
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 トランプ政権、これで対中国強硬派、アンチ・グローバリストが勢揃い
  ティラーソン国務長官解任劇に隠れたが、コーン経済諮問委員長も去った
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 トランプ大統領に経済政策を進言する大統領国家経済諮問委員会のゲリー・コーン委員長は、対中国製品課税強化に抗議する意味を込めて、政権を去った。トランプは中国の鉄鋼、アルミ製品に25%、10%の関税をかけると発表した直後だった。コーンはウォール街偏重のきらいがあった。

 新しく大統領国家経済諮問委員長に指名されたのはラリー・クドロオ(70歳)である。
 クドロオ? あのアンチ・チャイナの代表的論客?
 その通り。かれは中国へ高関税を課すのは「当然の罰」であり、「なぜなら中国は国際的貿易ルールをまもってこなかったからだ」とCNBCの番組で堂々と強硬なコメントで言ってのける対中タカ派のチャンピオンである。

 まして中国への貿易戦争では「ブッシュ政権が対イラク戦争で『多国籍軍』を形成したように、対中貿易戦争の多国籍軍を形成するべし」と発言してきた。ラリー・クドロオは自由貿易に懐疑的であり、一貫してトランプのアンチ・グローバリズムを支持してきた。大きな政府は不要というレーガン流の思考回路の持ち主。このポストは上院の指名承認が要らない。

これで大統領貿易諮問委員会のピーター・ナヴァロとともに、国務省からは対中宥和派のティラーソンが去り、ポンペオCIA長官が就任することに決まった。
正式にポンペオが指名承認されると、対中タカ派が政権に勢揃いすることになる。USTR代表はやはり対中強硬派のロバート・ライトハイザーだ。かれはNAFTAの再交渉に専念している。
 
 ラリー・クロドオはフレッシャー大学で歴史学を専攻、プリンストン大学では公共政策と国際関係を学んだが、経済学では博士号を取得していない。だがレーガン政権下で、予算局(当時はディビット・ストックマンが局長だった)にポストを得た。

 ユダヤ人だが、若き日に、神への信仰を失って一時はアルコールと薬漬けになったことを本人も認めている。しかしカソリックの信仰に復帰し、アルコールを断った。このプロセス、まるでブッシュ・ジュニア大統領とそっくりである。

以後、FRBではボルカー議長の下でエコノミストを努め、ウォール街に転身してからはベア・スターンズ、ペイン&ウェーバーなどの名門証券でエコノミストを務めた。
近年はCNBCテレビで「ラリー・コーナー」を担当し、経済予測で名前を売ってきた。


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