イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

これで終わった世紀の愛国行事、いろいろ思うことアリの女王戴冠70周年、私も地元でちらっと見物

2022年06月06日 01時51分56秒 | 英国の、生活のひとコマ

4日間の祝祭週末、プラチナ・ジュビリー・ウィークエンド Plutinum Jubilee Weekend が昨日で終わりました。

金曜日に近所のクリケット・クラブで開かれた屋外ジュビリー・パーティ(入場無料)に1人で寄ってみました。

木、金、土曜日は極上の晴天気。

 

郊外の新興住宅地の真っただ中にクリケット・グラウンドと、その隣に一面のキンポウゲが咲き乱れる野原があることを知りませんでした!

クリケット場の正面入り口を入ると、なぜか敷地内からとなりの野原にいったん出て、クリケット場の生垣に沿って野原を少し歩くように誘導されて、生垣の途切れ目から会場に入りました。

キンポウゲの原っぱを通って近所の住宅街の住人がぞくぞくと集まってきます。

ライブ音楽イベントだということでしたが私がいた1時間ちょっとの間はDJがミックスしたズンズン...ビートが大音響で流しっぱなしになっていてあまり居心地はよくありませんでした。

英国人は肌を太陽光(紫外線)にさらすことに命のかぎりの情熱を傾けます。日が照ればいっせいに脱げるだけの衣服を脱ぎすて、目を閉じていっせいに顔を太陽に向けるのです。まるでひまわりのように。(たいていの人は口もあけます)

まあ、こういう屋外の社交や家族の集まりではガツガツとした日焼けへの飽くなき情熱はなりをひそめ、顔を日に当てて黙っている人はさすがに見かけませんでした。

陽の当たるクリケット場の中央は人でいっぱい。

 

 

樹齢数百年と思われるカシの木の大きな日かげにバスタオルを広げて座ったのは無駄に日に当たりたくない日本人の私ぐらいです。

子供たちは、大人たちがピクニックをする密集日向スポットから離れて、人のいない日かげエリアでボール遊びをしていました。

スマートフォンに夢中な2人の少女もわざわざ大人たちから離れて日かげに座り込んでいました。

私が座って本を読んでいた30分余りの間一言も口を利かずにこの姿勢でスマートフォンを見続けていました。

 

レンガ色のボソボソした繊維質の盛り土の正体はなんでしょうか...園芸番組をよく見る私は知っています!

お砂場のように上に座り込んで掘ったりつかんで投げたりしていた子供たちと両親はどうやら知らないようです。

馬糞ですっ!

クリケットシーズンがおわる夏の終わりに持ち込まれ、10か月ほど大気にさらして分解された馬糞はアンモニア臭がすっかり消えて甘い土の匂いのする貴重なたい肥になって芝生に撒かれるのを待っているのだと思われます。

この屋外パーティはまだ薄ら明るい夜の10時終了です。帰宅後、家の外に出ると風に乗ってライブミュージックがかすかに聞こえていました。

土曜日には、ストックポートの景観保存地域、オールド・タウン Old Town のリトル・アンダー・バンク Little Underbank(通りの名前です)で「ストリート・パーティ Street Party 」なるものをやっていました。

交通閉鎖した道路にテーブルを並べるジュビリー(戴冠記念日)を祝う本来のストリート・パーティとは違い、店の両側の飲食店や、出店で買った食べ物やお茶、お菓子を屋外席で食べられるようにしただけの客寄せイベントですが、気分はじゅうぶんです。

(以下、写真はアンダーバンクのストリート・パーティです)

ジュビリー・ウィークエンドの最後を飾る日曜日は全国的にあいにくの小雨模様でしたが、ロンドンのバッキンガム宮殿周辺ではプラチナ・ジュビリー・ペジェント The Platinum Jubilee Pageant という大掛かりなパレードがありました。

日本でもまた中継放送されたことでしょう。

1952年の戴冠式の黄金の馬車行列の再現、軍隊のパレード、1950年代から10年刻みで音楽やファッションを再現するパフォーマンス(その時代ゆかりの有名人をのせたオープントップの二階建てバス7台がそれぞれ先導)、オリンピック選手やチャリティ団体や各州の代表などなどが派手な山車やダンスを披露して練り歩き、移民文化の披露やLGBT賛歌や、文化や価値観が融合したダイバーシティの進んだ国家を象徴する盛りだくさんなパレードでしたが...

私はすぐに飽きました。(それでも家事や繕い物をしながらだ~らだらと見続けました)

盛りだくさん度は東京オリンピックの開会式並み、素人くさい出し物がいくぶんかは東京オリンピックより親しみを感じさせましたが。

BBCに招待されたゲスト関係者のなかには感極まって涙ぐんだり英国民である誇りを語ったりするほどの思い入れをみせた人もいました。ちょっと落ち着いてほしい。

主賓の女王陛下のお姿は貴賓席にはなく、ご自宅でテレビ視聴されたようです。やはり体調が心配されたようですね

実現されるか定かではなかったバルコニーへのお目見えも何とか果たされたようです。(女王と王位継承者3人同席のバルコニー・アピアランスが木曜に続いて再びありました!...いよいよこれが最後かも

 

 

BBCのニュースチャンネルでは、生中継が始まるまでの数時間の「期待盛り上げタイム」のビルドアップ buildup であいかわらず関係者による女王の人柄と功績賛美、また女王にまつわるほほ笑ましいエピソードを語る一般人のコメント、インタビューがくりかえされました。

英国民のすべてが女王を敬愛しているという錯覚、ふたたび...!

有識者の座談会では、「次の代では王室存続の是非をめぐって国民投票が確実に行われるだろう」という意見が、あまりにもサラッと出ました。

どうやら王室と立憲君主制は女王の人気でたもっているらしいですね。次の君主、チャールズには女王のようなカリスマ性や人間的魅力はなさそうなのです。チャールズが何か人気を失うようなことをやらかすというわけではなくても、そろそろ王室の必要性について、国民がおちついて考え直す時期が女王の死後やってくるらしいのです。

なぜか生中継インタビューされた王室廃止論者(共和主義者 Republican) は、「あなた方、王室廃止論者にとっても女王はおばあちゃんのような存在でしょうか」というマヌケな質問をされ、「絶対に違います。僕にもあなたにもちゃんとおばあちゃんはいます。国民に選ばれたわけではない君主を尊敬する意義はありません」ときっぱりと答えていました。

その人が生放送のインタビューで教えてくれたので、検索して確認してみました;事前の調査(3万人対象)によればプラチナ・ジュビリーを祝って何かする予定の人は国民の34%だけ、56%の人は興味がなく何もしない予定だったそうです。残りは未定。

日曜日は小雨まじりの強風の中、3,000を超すストリート・パーティが地域やチャリティ団体、教会などの主催で全国で繰り広げられたそうです。

リトル・アンダーバンクから坂や階段を上がった、同じくオールド・タウンの丘の上のマーケット・スクエア Market Square でも屋外テーブルが人気でした。

別にジュビリーを祝う祝わないは関係なく、日が照る休日に外で食事をしたいだけの人が多いのだと思います。

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1 コメント

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犬と暮らせば (浅井洋)
2022-06-06 13:28:13
江里様
 レンガ色のボソボソした繊維質の盛り土の正体はなんでしょうか...園芸番組をよく見る私は知っています!
 と 有りますが 知りませんでした 有り難うございます
馬を飼うなんて 見かけないものですから
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