イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

暴風が吹き荒れた後も可憐に咲くクロッカスとパンデミックが終わったことにしたいらしいボリスの画策...社会が正常に戻りつつある?

2022年02月23日 08時58分57秒 | 気になる出来事、社会情勢
ダドリー、ユーニス、フランクリンという、おじいさんっぽい名前の暴風3兄弟が吹き荒れた後の晴れ間に近所を散歩した時の写真です。



3連続の暴風の結果の落ちたり折れてぶら下がっていたりした木の枝をたくさん見かけました。
それにもかかわらず、クロッカスのつぼみは満開寸前、元気に春の訪れが近いことを注げています。



近所の生きた「クリスマスツリー」の大木が生えている空き地、おなじみの不気味な木彫りのフクロウ、ヴェーラのいる極小自然保護林(盛りを過ぎたスノードロップと共生)それに「ウェディングケーキ」の愛称で親しまれている白亜のストックポート市庁舎 Stockport Town Hall 斜面のクロッカスです。



コロナウィルスのパンデミックそのものはいよいよ英国では終焉か(いやそんなことはないはず)...という話題です。



ここイングランドではついに感染拡大阻止のための行動規制はほぼ完全に撤廃されました。
火曜日から「コロナ検査の結果が陽性でも症状がなければ隔離しなくてもよい」ことになったのです!

陽性者が全員自宅にこもってしまうために出る、社会、生産、経済活動への大きな支障が問題になっています。
出勤できない勤労者に払う休業手当も社会の負担になってきているようです。



「できればし続けていた方が良い」ということになっているマスクの着用も多くの地域では放擲されています!
これは店や団体の方針にもよるでしょうし、何よりも個人によって考え方がそれぞれですので一概には言えないでしょう。

昨日1日の新規感染者数が39,656 人ですから、決してもう終わったという事態ではないはずなのですが...。

現在ボリス・嘘つき不誠実傲慢腐れ根性下劣な品性・ジョンソン首相(とその一味)のロックダウン中の重大な規則違反については警察が慎重な捜査をしているのですが、ウクライナ/ロシアをめぐる緊張もあり、「今すぐ辞任だ」という事態にはなりにくいと思われます。

ひじょうに微妙な立場で首がつながっているらしいボリス・嘘つき(以下略)ジョンソン首相にとってパンデミックは終わったように見せかける行動規制撤廃は政策上とても重要なはずです。

「世界に先駆けてパンデミックを終焉に持ち込んだのはひとえに僕のリーダーシップが優れていたおかげですよ、それを忘れないでくださいね」と言いたくてたまらないのです。

「英国民が徹頭徹尾忌み嫌うマスクの着用もやめさせてもらえるのは誰のおかげですか、はい。僕です」とも言っているようなものです。
それが何とも卑しいではありませんか!?

完全撤廃はたしかにまだ早いです!
マスクの着用は続けた方がいいですし、全く不要不急の過密になる集まりも制限した方いいはずです。

ただ...
英国でパンデミックが始まった2020年に予定の前の週に無期延期になった、夫の手術の再予約のめどがやっとついた、と連絡がありました。
今週初め、話し合いと査定のために病院に来るように呼び出しがかかりました。



「緊急性のない(遅れても命に別条のない)」いくつかある慢性疾患のひとつの緩和措置でした。



その担当の医師(コロナと関係のある呼吸器系が専門ではありません)のみならず、英国の多くの医療従事者はコロナ対応に駆り出され、ほぼすべての「緊急性のない」措置はあとまわしになりました。
夫は今まで通り不都合と折り合いをつけて日常生活を送ってきたのですが、治療や手術が先送りになった多くの他の患者は苦痛があったり著しい場合は寝たきりになったり...とコロナによる医療ひっ迫は大きな社会問題になっていたのです。

それでもパンデミックのさなかの2020年の秋に悪性腫瘍が見つかった夫には緊急対応してくれたNHS(国家保健サービス)には感謝の言葉もありません。
とりあえず、やるべきことはやってくれるきちんと機能している国家医療サービスなのです。



今週初め、マンチェスター郊外の病院にクルマで行きました。
長い問診の結果、現在落ち着いている症状が悪化する可能性は20%以下、日常生活にしばらくの間さまざまな困難を引き起こすその手術はしなくてもいいということになりました。

したいと言えばしてくれるそうですが、夫はしないことに決めたようです。



緊急性の低い医療措置が国家医療制度(完全に無料)で再開されたのです!
ブースター・ジャブを打っていればほぼ完ぺきに重症化は避けられるらしい今、本当に(たとえパンデミックは終わっていなくても!)医療危機は終焉を迎えている、と言ってもいいのでしょう。

パンデミック中のおなじみの「患者以外は病院内に立ち入り禁止」の通達が来ましたが、いっしょについてきた私を快く待合室に入れてくれました。
敷地内の駐車場にとめることができなかったらクルマをよそでとめるため私もついてきたのですが、患者用の駐車場にはじゅうぶん余裕がありました。
受付の人に「クルマの中は寒いですし、どうぞ待合室でお待ちください」と親切な対応をしてもらえました。

透明アクリルの仮囲いの内側にいましたが、数人の受付カウンターのスタッフは誰もマスクをしていませんでした!

感染阻止のための対策もかなりゆる~くなっているのが分かりました。

ボリス・嘘つき・ジョンソン首相の手柄顔は本当に癪にさわりますが、ワクチン接種と数回の感染で国民全体の免疫力はかなり上がっているらしいのです。
医療措置が必要なコロナの重症者を抑えきれている限りいつまでも行動規制を続ける意味はたしかに薄れているように思います。

英国の国家保健サービスについて簡単に説明します。
以前にも詳しく書きましたが、英国では医療が完全に無料です。
医療スタッフはすべて国家公務員で医療機関はすべて国営です。
(大規模経営の私営の医療機関も存在しますが。以下の不自由を嫌うお金持ちや医療保険加入者が利用します)

入院は本当に必要でないかぎりさせてもらえません。
出産も無料ですが、通常担当してくれるのは医師ではなく助産師ですし、危険がない限り出産後も一休みして即、帰宅が普通です。

医師や病院は選べません。
緊急度に応じて優先順位が決まります。
原則として「セカンドオピニオン」も「ドクターショッピング」も不可能ですし、「薬漬け」もあり得ません。

全ての患者の情報は国家の医療コンピューターでセンター管理されています。
登録している何でも診てくれる近所の「診療所」に勤務している医師の判断により病院の専門医に診断、処置がまわされます。
(勝手に病院の専門科に行くことはできません)

えーっ、それで不安ではないのかって?
不安ではありません。

公平です。
たしかに夫に疾患が多数あるため(特にパンデミックの最中などいっそう!)不自由で、融通が利かない制度であることは実感しましたが。

ついでに、少し前の開き始めたスノードロップス。

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1 コメント

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犬と暮らせば (浅井洋)
2022-02-24 18:14:04
江里さま
 切らずに済む 腫瘍らしく 良かったですね
またイギリスの医療が
 寡(すくなき)を不患(うれえず)して不均(ひとしからざる)を患(うれ)を
 地でいってるようで 素晴しいと おもいます
お金持ちだけが 高級な医療の 何処かの国と
違いますね
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