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イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

クリスマス・ジャンパーにみる商業主義と快楽主義、とにかく堅いこと言わない!!

2018年12月11日 09時00分00秒 | 気になる製品、気になるデザイン

クリスマス・ジャンパー Christmas jumper!私の大好きなイギリスの季節の風物詩!!


「ジャンパー」というのはイギリス英語で「セーター」のことです。

イギリス人のクリスマス観を端的に表現する、もっとも即物的で視覚的な例です!



クラシックな北欧調のトナカイや雪の結晶柄などの しかも手編みのもの、あるいはデザイナーブランドの高級品などももちろんありますが、その多くは、キッチュです!



「クリスマスは欧米人にとって聖なる儀式であり、家族の絆を静かに深める習慣だ。日本人のクリスマスにまつわる商業主義を見直すべきである」

「キリスト教徒でもない日本人が西洋の習慣にあやかってクリスマスを口実にどんちゃん騒ぎをするのは本家の西洋諸国に対して顔向けできない愚行である」....

...と思っている日本の方も けっこういらっしゃるのではないでしょうか。日本に住んでいたころの私もそうでした。

日本の有識者なんかがいまだにそんな発言をしていますよね。

断言します、それは日本人の思い込みです!クリスマス・ジャンパー文化を通じてありのままの西洋文化の再認識をお願いします。

他の「欧米諸国」のことは知りません!がしかし、イギリスに関していえば、多くの人に信仰はなく、クリスマスは単に楽しむ / 儲けるためのかっこうの口実なのです。



ダイエットも放棄しておいしいものをおなか一杯食べる、この時期こそとアルコールの摂取量を上げる、ほしかったものを我慢しないで買う、あるいは親しい人に買ってもらう、子供たちをプレゼント漬けで甘やかす、職場や学校やご近所など所属するあらゆる団体がこぞって親睦を深めあう!

......ついでに言えば 負債をこしらえる、ストレスで仲たがいをする、孤独感をかえって深める、 アルコールがらみの事件の多発 など 「クリスマス・デフィシット現象」も顕著です。



こういった機会を装いで盛り上げてくれるのがクリスマス・ジャンパーなのです。



カジュアルなパーティーや職場、学校、気の置けない家族の集まりにクリスマス・ジャンパーを着ていくのは「かたいこと言わないで、この季節をめいっぱい楽しんでいる!!!」 というビジュアルな表現/主張なのだ と私は思うのですが、どうでしょうか。





イギリスでも「みんなが楽しんでいる時に楽しんでいないのがまるわかり」「他人の楽しみに水を差す」人と思われるのは 社会生活上 ちょっと厄介です。


そういう人たちのことは英語で wet blanket ( 燃え盛る火をけす濡れ毛布)といいます。もしかして日本では「空気が読めない」というのがこれに当たるのでは?(え、用法が間違っている?)

以上、庶民派スーパー、アスダAsda と比較的高級志向のスーパー、セインズベリー Saindsbury の衣料品売り場で撮りました。

大手スーパーの自社ブランド衣料ですので 価格はお手頃、着ている人もよく見かけます。
もちろん、ほとんどの衣料メーカーが品質はピンからキリまで各自ものすごい数のクリスマス・ジャンパーを製造販売しているのです!

そろそろ、店員、テレビ番組の司会者はもちろん、市役所、工事現場、セキュリティ、清掃、郵便、学校の先生等 公共の場で働く人々すべて、町ゆく人々のほぼ10人に1人がクリスマス・ジャンパー着用というイギリス狂奔の一週間に突入です。



クリスマスに家族が集まってすごすことにこだわり、喜びを見出す人がほとんどなのも事実です。


ホームレスや途上国の人々、恵まれない子どもたちなど喜びの季節からとりこぼれた人たちに対する援助を呼びかける運動、それにこたえる一般の人々の数が激増するのもこの時期のイギリスの特徴だ とも付け加えておかなければなりません。

「喜びを分かち合う」善意の習慣がしっかりと残っているのです。

キリストの生誕を心から祝う敬虔なキリスト教徒も もちろんいますし、クリスマスそのものを認めない厳格なキリスト教ー派も存在します。

明日からはクリスマス・ジャンパーのモチーフとその傾向分析を記事にするつもりです。




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4 コメント

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セーター (石関@今日は寒い❄️降るかな?)
2018-12-11 16:59:04
ジャンパーというのですか、セーターのこと!イギリス語は本当に見当がつきませんね💧では、ジャンパーのことは何というのでしょう笑。
とても種類が豊富ですねー。半袖もありますな。
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ジャンパー? (江里)
2018-12-12 19:37:22
石関さんのおっしゃる日本の「ジャンパー」とは!!!前にファスナーが付いてる上着のことでしょうか?その言い方は 私が高校生ぐらいの時「ジャンパーっていうと作業着みたいでダッサいからこれからはブルゾンと呼ぶことにする」とファッション業界に決めつけられ廃れたんじゃないの!?
懐かしいです〜。あれはイギリスでは特に決まった言い方はなく、ボマージャケット(フードが付いててニセ毛皮でトリミング)、エビエータージャケット(アメリカ空軍パイロット風)、ウィンドチーター(サッカーのコーチが着てる)とか個別に呼ばれてると思います。強いて言えば一般名はジッパップジャケット?
これスマートフォンで書いてます。字数オーバーの恐れあり。続きはコメント返しもういっぽん!
返信する
衣料名イギリス英語続き (江里)
2018-12-12 19:47:48
続きです。で、アメリカ英語では「ジャンパー」と言えば、① 日本でいうジャンパースカート
② 日本で見かけない、赤ちゃんが着る上下つながった寝巻き のことだと確認を取っています!洋裁の型紙カタログにそう書いてあるし家庭洋裁業界ではアメリカ英語に世界中 統一してあるようです!
イギリスではジャンパースカートは「ピナフォー」(略してピニー)あるいはスリーブレスドレスと言います。胸当て付きエプロンもピナフォー。
ついでに胸当て付きズボンはダンガリーズ。まーだまーだあるんですけど、以上。
他にご質問は?
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アメリカ英語席巻 (江里)
2018-12-12 20:16:05
ついでです。クルマ用語と編み物用語に英米の言葉の違いが一番顕著に表れています。
アメリカのオシャレな働く女性たちが火をつけた近年の編み物ブームに呼応して15年ほど前に私もふたたびの編み針を取って今に至っています。
編み物用語はアメリカ英語に統一されつつありますよ!世界中の、日本や 編み物大国ドイツも含め非英語国の編み物作家たちがアメリカ英語でパターンを書くのに引きずられ、インターネットで世界中に売るためにイギリス作家たちもアメリカ英語、アメリカサイズを使い始めています!
洋裁はずっと前から!
イギリスのテレビニュースなどにインタビューされるヨーロッパの普通の人々はみんなたいてい 学校で習ったらしいイギリス英語を話しています。が、金融とか国連とか仕事で英語を使ってるようなヨーロッパの人ってなぜか国籍を問わずバリバリのアメリカ英語!
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