ゴジラ彷彿!マー君、異例の謝罪に米メディア賛辞「日本文化に根ざしたもの」

ヤンキースの田中将大(撮影・リョウ薮下) (ZAKZAK/夕刊フジ)

 右肘内側側副靱帯(じんたい)の部分断裂と診断されたヤンキースの田中将大投手(25)は11日(日本時間12日)、球団を通じて日本語と英語の談話を発表し、苦しい心境を吐露するとともに、チームやファンに謝罪した。けがをした選手が謝罪するのは米国では一般的でないため、米メディアは「2006年に左腕を骨折した際、ファンに謝罪した松井秀喜外野手(当時ヤンキース)を彷彿させる」と報じている。

 日本語、英語とも内容は同じで、日本語の談話は以下の通りだった。

 「このような形でチームを離れることになり、チームメート、そしてファンの皆様には大変申し訳なく思っております。球団からの発表の通り、これから数週間のリハビリに入りますが、これも長い野球人生の一部であると受け止めています。選手としてプレーを続けている以上、故障するリスクは常にあります。そういった状況に陥ったとき大切なのは、しっかりと自分の身体と向き合い、一日でも早く復帰できるように努めることだと思います。皆様に元気な姿を見せられるよう頑張ります」

 CBSスポーツは「この謝罪は日本の文化に根ざすものだ。日本人選手は野球を仕事ととらえ真剣に考える。松井の時と同じだ。しかし選手にけがはつきもの。田中の胸の内を思うと心が痛む」と評した。

 また、田中は手術を回避して、PRP療法(血小板注射)による治療を選択したが、この決断に疑問符を投げかける意見が米メディアから相次いでいる。治療が成功すれば、6週間で復帰できる見込みだ。

 ニューヨーク・デーリー・ニューズ紙は昨年、田中と同じPRP療法を受けたあと、結局、トミー・ジョン手術(移植による靭帯再建手術)に踏み切ったマット・ハービー投手(メッツ)の例をあげてこういう。

 「PRPはあくまで対症療法。痛みはすぐに消えるが、強い球を投げることがなかなかできず不安にかられるようになる。ハービーはそれに耐えかねて最終的に手術に踏み切った。田中も今後も速いスプリッターで勝負しようとするなら今すぐメスを入れるべきだ。そうすれば来年8月か9月には復帰できる」

 結局、手術という結論に達する可能性が高いので、それなら早めに手術の決断をした方が得策だというのだ。