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忠北大学「名誉教育学博士号」授与式〉 

2022年04月30日 | 妙法

忠北大学「名誉教育学博士号」授与式〉 池田先生の謝辞(代読)2022年4月30日

  • 開拓の人材の大河を世界へ 対話と交流の大海原を進め
  • 教育こそ価値創造の源泉
韓国SGIの友に励ましを送る池田先生(1998年5月、ソウル市内で)。先生は90年、99年にも韓国を訪れ、目の前の一人と心を結び、文化と教育の交流を広げてきた
韓国SGIの友に励ましを送る池田先生(1998年5月、ソウル市内で)。先生は90年、99年にも韓国を訪れ、目の前の一人と心を結び、文化と教育の交流を広げてきた

 一、世界の大学には、それぞれに尊き創立の物語があり、気高き建学の歴史があります。私は大学の創立者として、その一つ一つを合掌する思いで、学んでまいりました。
 
 なかんずく、1951年の9月、開学の一歩を踏み出された貴・忠北大学の足跡には、感激そして感涙を禁じ得ません。
 
 民衆が引き裂かれ、塗炭の苦しみにあった動乱のただ中で、郷土の心ある方々が「今こそ、未来をリードする人材の育成が急務である」との切なる願いを、米一升、麦一升に込めて大学建設のため寄贈されたことが淵源であると伺っております。
 
 そして熾烈な戦火に屈せず、平和と正義を願う父母たちの声に後押しされて、果断に大学の建設を開始されたのであります。
 
 なんと崇高な、なんと荘厳なる原点でありましょうか。
 
 この精神を厳然と受け継いでこられた、「真理の殿堂」「正義の使徒」「開拓の旗手」たる名門学府から、光栄にも、私は名誉教育学博士号を授与賜りました。
 
 本日、このように、苦楽を共にしてきた、敬愛してやまない韓国の友人方と一緒に拝受できますことは、何よりの喜びであります。
 
 金銖甲総長はじめ諸先生方、誠に誠にありがとうございました(大拍手)。

清州ゆかりの長編詩歌
「源の深き水は日照りに乾かず」

 一、貴大学が聳え立つ、ここ風光明媚な忠清北道の清州の天地は、世界史に不滅の光彩を放つ、15世紀の名君・世宗大王が、「訓民正音」(後のハングル)創製の最後の作業を行ったとされる文化の都であります。
 
 大王は、“世界三大鉱泉”の一つとたたえられる椒井の薬水で眼を癒やし、心身に活力を漲らせて、大業の総仕上げに打ち込まれたのであります。
 
 「訓民正音」を用いた長編詩歌「龍飛御天歌」の名高い一節は、この椒井を謳ったものと伝えられております。すなわち、「源の深き水は ひでりに乾かず 川をなし海にいたるなり」と。

世宗大王の肖像画©Pictures from History/Universal Images Group/Getty Images
世宗大王の肖像画©Pictures from History/Universal Images Group/Getty Images

 一、本日は、このロマンあふれる史跡をしのびつつ、貴大学の校風に学び、簡潔に3点、申し述べさせていただきます。
 
 第一に、「教育という価値創造の源泉を満々と!」ということであります。
 
 清州の地は、1377年、現存する世界最古の金属活字本が刊行されたことでも有名であります。
 
 貴大学は、この文化の遺産を誇り高く継承し、創造的なチャレンジ精神として止揚されています。
 
 まことに教育こそ、若き生命が一人一人、自分らしく価値創造の力を尽きることなく汲み取り、幸福な人生を自在に開いていくための源泉であります。これは、私たち創価教育の創始者であり、戦時中、平和と人道に殉じた牧口常三郎先生の信念でもありました。
 
 過酷な“ひでり”のような様相を呈する時代であるからこそ、学生を大切にして、創造的生命を育む大学は、まさに限りなき希望の泉であります。
 この点、貴大学は、学生の満足度でも常に最高峰の模範と光る、人間教育の最高学府なのであります。

忠北大学の正門。両脇には池田先生への「名誉教育学博士号」授与を知らせる横断幕が掲げられた
忠北大学の正門。両脇には池田先生への「名誉教育学博士号」授与を知らせる横断幕が掲げられた

 一、第二に申し上げたいのは、「開拓の人材の大河を滔々と!」ということであります。
 
 貴大学の憲章には「逡巡なき勇気で新たな世界を開拓する」と誇らかに掲げられております。
 
 そして目指すべき人材の六大力量として、「創意性」「ヒューマニズム」「能動性」「共同体意識」「グローバル」「専門性」という指標を明快に示されていることを、私は広く世界の青年たちに伝えたいのであります。
 
 本年の入学式で、金総長は慈父のごとく新入生に語りかけられました。
 
 「時には耐え難い苦痛が訪れ、眠れぬ夜を過ごすこともあるでしょう。しかし賢明な人は、苦難や困難さえも、自身を成長させる機会へ転換できるのです」と。心に染み入る励ましです。
 
 韓国の友人たちと私が命に刻んできた大先哲の金言にも、「賢者はよろこび愚者は退く」とあります。
 
 コロナ禍や悲惨な紛争の拡大、地球規模の気候変動など、山積する人類の危機を打開し、突破しゆくために、この不撓不屈の開拓力に満ちた若き人材の大河を、私たちはいよいよ滔々と流れ通わせていきたいと思うのであります。

“戸田大学”で学んだ世宗大王の業績
「智慧を広げるためには人の話を多く聞け」
式典には、学生の代表や韓国SGIの友が参加。“英知の宝冠”の授与を心から祝賀した(忠北大学で)
式典には、学生の代表や韓国SGIの友が参加。“英知の宝冠”の授与を心から祝賀した(忠北大学で)

 一、第三に、「対話と交流の大海原を洋々と!」と、申し上げたい。
 
 貴大学が創立された71年前、私が人生の師と仰ぐ戸田城聖先生は、「文化の大恩」深き貴国の民衆の苦悩に、深く強く胸を痛めておりました。
 
 愛する祖国の安穏をひたぶるに祈る貴国の一人の母を最大にたたえながら、東洋そして地球民族の平和へ、香しき白ゆりをシンボルとする、新たな女性の連帯を結成したのも、この年であります。
 
 この恩師から一対一の薫陶を受けた「戸田大学」で、私は世宗大王の偉大な業績と思想についても学んだのであります。
 
 現代に響く世宗大王の箴言に、こうあります。
 
 「智慧を広げるには、まず必ず人の話を多く聞き、耳を傾けることであり、智慧を増やすには、本を読む以上のことはない」
 
 いやまして世界は、開かれた対話を要請しております。相互に敬い、学び合う文化・教育の交流を大海原のごとく洋々と広げていかねばなりません。
 
 貴大学の素晴らしき校歌に、「正義の松明掲げた学問の殿堂 世紀の鐘が響くところ」とあります。
 
 今日より私も、誉れ高き貴大学の一員として、尊敬する先生方と共に、また敬愛する韓国の宝友と共に、「人間教育の世紀」へ凱歌の暁鐘を高らかに打ち鳴らしていく決心であります。
 
 最後に貴・忠北大学の無窮の栄光、さらに清州市そして忠清北道はじめ大韓民国の永遠の平和と繁栄を心よりお祈り申し上げ、私の謝辞とさせていただきます。
 
 テダニ・カムサハムニダ!(韓国語で「誠にありがとうございました!」)(大拍手)

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