市街・野 それぞれ草

 802編よりタイトルを「収蔵庫編」から「それぞれ草」に変更。この社会とぼくという仮想の人物の料理した朝食です。

野草を食べて

2006-03-22 | Weblog
 きのう3月21日春分の日、宮崎市のなずなの会主催の野草を食べる会に参加、野草を食べた。自転車で、会場になった国富町の喫茶「深緑庵」に向かった。

 野草が食べられるとは、昔から知っていたが、食べてみようと思うことはなかった。柿の葉は、風雅として、天麩羅の店でだされたことはあったが、それはもはや野草などとは感じられなかった。どくだみを食べてこそ野草食なのだ。そんなものに食欲を感じなかったわけである。

 野草に囲まれた庭のテーブルは、野草たちのてんぷらの色、匂い、形で百花繚乱し、目を見張るばかりであった。何枚もの大皿にびはの葉、スギナ、ユキノシタ、どくだみ、野ばらの花弁、野えんどうなどなどと信じがたい食材がつぎつぎと天麩羅になって盛られていった。

 やがて試食会が開始、大盛りの野草てんぷらを口に入れてみて、ショックを受けたのだ。なによりもまず、野草の形、その生態と味はまったく別物だという驚きである。びはの葉も天麩羅になっては、葉脈の浮き出た葉形も、産毛のある厚さ、色も味とは何の関連もなかった。ただあっさりとした味だけがあった。他はすべて消えていた。すぎなも、ユキノシタも、野エンドウも椿の花弁もどれも同じ味だとは
想像も不可能であった。

 コーヒーがブルマン、マンでリン、トラジャ、ツッカーノブルボン、モカワイルドと恐るべき名前をもっていても相互に区別できる味でないのと似ていた。ああ、これが野草なのかと、妙に親しみが感じられたのである。野草をがんばってるなという親しみなのである。
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