ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

Black Clouds & Silver Linings/DREAM THEATER

2009-06-28 16:25:03 | 音楽
最近、どっぷりとDREAM THEATERの最新作『Black Clouds & Silver Linings』にハマっている。

個人的な好き嫌いはあるだろうが、ここ数年の彼らはアルバムを出す度に良くも悪くも賛否両論となり、かつての傑作と比較されるばかりでした。

良い曲はあれど、何か中途半端だった前作を経て、バンドのメジャー・デビュー20周年、そして節目となる10枚目のスタジオ・アルバムである『Black Clouds & Silver Linings』に対して、バンドは並々ならぬ決意と思いで製作したであろう事は予想出来ます。

特に、マイク“ジャイアン”ポートノイは…。



さて、本作を聴いて最初に感じた事は「す…凄い!」である。

ここ数作のアルバムにあって、バンドの音楽的方向性が迷走気味で、極端にヘヴィになったり、またポップになったりと安定性に欠けていたのは事実だ。

口の悪いファンは、バンドの音楽的な限界を訴えて、もう終わったと見放してしまうファンも少なくなかった。

しかし、本作は違う!

全6曲、75分を越える超大作だが、この見事なまでの重厚な統一感と、楽曲とメロディーの完成度が素晴らしい。

10分以上の楽曲がアルバムの大半を占めるので、曲によっては冗長気味に長いと感じ、もっと楽曲を煮詰めれば良かったのにと思える曲も確かにある。

でも、しっかりとしたメタルであり、ヘヴィでもある。
本作がここ数作と決定的に違うのは、“泣き”を含めて非常にエモーショナルなアルバムに仕上がっている事が挙げられる。

非常に感動的で、泣けるアルバムになっているのが大きな特徴だとも言える。

メンバーのプレイが凄いのは、今更言うのは野暮だと思うが、緩急自在に弾きまくるジョン・ペルトーシのギターも良い。

だが、個人的に本作で最も印象的であり大活躍していると思ったのが、前作でそのシンガーとして限界を糾弾したジェイムズ・ラブリエの「歌」だ。



メンバーの超絶技巧の集中砲火の中、彼の「歌」が曲をしっかりとまとめていると思う。

全盛期のような圧倒的なハイ・トーンと声量を今さら期待するのも酷だが、確かな歌唱力と表現力が、素晴らしいメロディーを紡いでいると感じる。
コレはジャイアンの、あの図太い声(コーラスとしては効果的)では、絶対に出せない繊細さだ。
本作の楽曲の大半を手掛けたのが、ポートノイ&ペルトーシだろうが、ラブリエの「歌」が楽曲の完成度を高めている。


あと楽曲の充実もある。

前作のような、露骨な「アイデアの拝借」は影を潜め、各メンバーの超絶技巧だからこそ成り立つドラマティックながらも、長尺の楽曲でも聴きやすいと言う不思議な楽曲の完成度につながっている。

特にアルバムに収録されたバラード2曲は秀逸。
個人的にはストレートなバラードである“Wither”に涙腺を破壊されたが、ジャイアンが逝去した父親への想いを込めた“The Best Of Times”も名曲であり、歌詞を読みながら聴いていると泣けてくる(←最近僕のレビューに多いな:自嘲)。

他にもDREAM THEATER的プログレッシブ・デス・メタル解釈の“A Nightmare To Remember”、アル中克服の壮大な叙事詩となったヘヴィな“The Shattered Fortress”、バンドの新境地とも言える劇的な展開をみせる“The Count Of Tuscany”も良い曲が揃っている。

ボーナス・ディスクのカバー集も良い。

個人的には、ラブリエがノリノリでロニーの物真似を披露(声量と声の太さが違うが:苦笑) する、RAINBOWの“Stargazer”が最高でした。

他のカバーも、メンバーの趣味・趣向がよ~く判る楽曲で、実に興味深い内容になっている。

もう一枚のインスト・ヴァージョンはカラオケ(笑)、メンバーの超絶技巧派ぶりが良く判ります。

何はともあれ、プログレやDREAM THEATERは「難解」と思って、今まで彼らを敬遠してきたメタル・ファンにこそ「入門書」として是非聴いて欲しい。

そして、DREAM THEATERが既に「過去のバンド」と思いつつあるファンには、新たな傑作の登場を祝福して欲しい。


あの頃が最高だった
今でも、あの頃が恋しい
貴方の魂が
僕の人生に光りを導いてくれたから

心はまだ傷ついているけど
僕の事なら大丈夫だよ
貴方の魂が
これからも僕を導いてくれるから




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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2011-07-05 16:59:47
('仄')パイパイ
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