ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

WWIII/WWIII

2011-05-11 22:21:42 | 音楽
僕がこよなく愛聴している一枚を紹介します。

かのマンディ・ライオン率いるWWIII、その衝撃的なデビュー・アルバム『WWIII』です。
本作がリリースされたのは90年。
もう20年以上もの月日が経過したものの、今も良く聴くアルバムであります。



マンディ・ライオンとWWIIIについては、以前2ndアルバムである『When God Turned Away』を紹介した時にマンディという超個性的なシンガーとバンドについて触れました。

このアルバムがリリースされた時、ディオに解雇されたジミー・ベイン(B)とヴィニー・アピス(Dr)の元DIO組が無名の新人を集めて結成したバンドという認識を持たれていました。
しかし、実際にはドイツ出身のマンディが80年代に結成したバンドであり、それにジミーとヴィニーが加入した…というのが正しいです。
WWIIIの音楽性は今も全く変わりなくJUDAS PREISTやACCEPT、そしてAC/DCのエッセンスを加えた重量感タップリかつグルーヴィーに唸りまくる正統派ヘヴィ・メタルです。

彼らがモダン・ヘヴィネス系と勘違いされる事が非常に多いのは、間違いなくトレイシー・Gがギタリストであったからだと思います。
あのDIOをモダン・ヘヴィネス化させた諸悪の根元(おまけに歴代ギタリストの中で最も下手糞とまで言われた)として、メタル・ファンからはすこぶる評判が悪いトレイシー。
でも本作を聴けば、そんなトレイシーに対する認識が変わるかと思います。



確かにズ太くヘヴィでノイジーなプレイもありますが基本的には確かなテクニックの持ち主であり、耳を惹きつけるような鮮やかな速弾きにやメロディアスなプレイもマンディの強烈な「歌」と良い対比になってます。
このアルバムをリリースされた後、トレイシーはロニーによりDIOに引き抜かれる訳ですが、当のロニーはしっかりとトレイシーのテクニシャンぶりを把握していたのは間違いないです。
「最先端のメタルをやりたい」と言うロニーの頑なまでの拘りこそが、90年代のモダン・ヘヴィネス化を招いたのだと僕は推測していますが…。

本作でも強烈なインパクトを誇っているのは、やはりバンドのリーダーであるマンディの「歌」。
個人的には彼の歌を「怪獣ヴォーカル」と呼んでます(笑)。



その濁り歪みきった野蛮で獰猛な声、人間離れした声量と咆哮。
バックの轟音と衝突して摩擦を起こしながら、強引にメロディーを歌うスタイルは、所謂デス・グロウルとは全く異なる唱法ながらも過激でインパクトは充分にあります。
ある意味、こう言うジャンルを唄うには最高の声であります。

本作の後、様々な紆余曲折を経てリリースされた2ndも傑作でした。
でも、デビュー・アルバムの持つ完成度の高さ、そして異様なまでの緊張感とテンションの高さは本当に素晴らしいです。



メタル界屈指のリズム・セクションが参加しており、その他者を寄せ付けない圧倒的なまでのプレイがもたらす効果も絶大。
今はマンディのソロ・プロジェクトと化したバンドには、この時のような煌めきやテンションさが無いのは残念で仕方ないです。
こんな危険な魔獸(勿論マンディの事です:笑)。
それに相応しい技量と存在感、更に圧倒的なカリスマ性を持つミュージシャンと組んでこそ、その秘めたる凄まじいまでの魔力が発揮されるのに…。



時代という波に飲みこまれた、正に隠れた「傑作」だと思います。
誤解や先入観も多いとは思いますが、開いた心で今も何も変わらぬ本作の衝撃を受け止めて欲しいです。


愛し合う時
憎しみ合う時
徹底的に叩き潰す時
そして、今は恐怖を感じる時




一息入れる必要は無い
ましてや止める事なんて余計な事
君の愛を餌にさせてくれれば良いんだ
他の食い物なんて要らない
その身体が壊れるまで
俺が君を死ぬほど愛してあげる





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1 コメント

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Unknown (ターボ)
2013-04-15 07:37:36
高校生のときに聞いたこのバンドのLove You To Deathが頭の中で鳴るときがあり、ずっと探していました。
何年か前には検索しても見つけることができず、今発見し感動しています!!
記事を書いていただいてありがとうございます。心から感謝です!
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