スケッチブック 〜写真で綴るスローライフな日々2

写真を撮りながら、日々の暮らしや旅先で感じたことを書いています。
2016年からは撮った写真をイラスト化しています。

甲賀 油日神社

2013年01月25日 | 文化/歴史/技術
滋賀県には僕の興味をそそる神社が幾つかあります。行ってみたいはいいけれど、山と山を縫い合わせるようにくねくねした道理を通過するために目的地を絞って一つ一つ時間をかけて参拝しています。今日は油日神社に出かけました。「白洲正子の愛した近江」で紹介された「かくれ里」のイメージそのものです。美しい日本の風景の中に佇んでいます。本当は別の場所を考えていましたが、大寒気が近づいていて空がどんよりして、いつ雪になるかわからない天候を気にしました。それに冷たくて強い風も吹いていました。比較的に新名神高速道路から離れていないこともあり、日没と帰り道のことを考慮して急遽行き先を変更したのです。滋賀の道路には「飛び出し坊や」がいっぱいいますが、この周辺では忍者の衣裳を着ています。甲賀の里ですからね。油日神社は御神体になるであろう油日岳の麓にあります。ここもどこか大神神社と似ていてアニミズムの片鱗を感じる神社です。創建の正確な記録がないそうですが、用明天皇、天武天皇、聖徳太子が関わっている伝承が残っています。神社はひっそりしていました。誰もいません。まだお昼だというのに夕暮れの薄暗さの中、カラスの鳴き声だけが響くのでちょっと恐かったです。二礼二拍手一礼。回廊付きの楼門の奥に舞台がある社殿があります。拝殿と本殿も含め重要文化財なんです。このハードウエアに関しては記録がはっきりしているらしく、本殿が1493年建立。三間社流造の檜皮葺。拝殿 が桃山時代建立で入母屋造妻入、檜皮葺。楼門は1566年建立。入母屋造、檜皮葺。そして回廊は1566年建立。と中世の文化そのものです。周囲の雰囲気も当時を思わせる景観なので、NHKの大河ドラマ「清盛」や映画「大奥」のロケに使用されています。機材を持ち込むスペースもあるし、ぐるりと歴史を感じさせる建物と木々に囲まれているので撮影には好都合です。社殿はいいですね。とても古そうな万葉かるたのような絵がずらりと飾ってありました。境内に一人、寒空の下に立ち尽くし耳を澄ませていると、畏怖の念は残っているものの、どこか霊魂を浄化していくような心持ちになっていきます。油日は一風変わった名前からか、油の神様にされてしまったようで油の一斗缶が奉納されていました。かどやのごま油・・あ、奉納じゃくて献油ね。

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