今月末が見頃を迎えます。と僕にメールを送ってくれたのは「相生山の自然を守る会」の代表である近藤さんからでした。相生山にはヒメボタルが群生していて、集団で光りを放つ光景はとても綺麗だと聞いていました。野生のヒメボタルが生息する相生山には道路開発の計画があり、市を相手取って開発中止の市民運動が行われています。代表の近藤さんとは長年仕事のお付き合いがあったのですが、市民運動をされていることを知ったのは昨年のことでした。そのことだけでも驚きでしたが、この相生山の自然を守る活動に、現在、野鳥の会愛知県支部の支部長である新實(にいのみ)さんが参画されていて、近藤さんとは旧知の仲だと知って更に驚いた次第です。何を隠そうこの僕も、ある絶滅危惧種の生物の観察を続けていて、そのバックアップを当初から新實さんにお願いしていたのです。お互い驚き合うと、仕事の話より面白い共通の話題ができるようになり、以前とは違う付き合いが始まりました。ヒメボタルは、真夜中に光りのピークを迎える性質があるために、夜遅く相生山へ入る必要があります。ガイドを務めてくださると申し出があったので、言葉に甘えて出かけることにしました。ちょうど、弟が近所に新築の家を購入したのでそのお祝いをする予定と重なり、帰り道だったので都合も良かったです。そんな理由で母親と妻と下の娘も同行することになり、家族でヒメボタルを見学することになりました。ヒメボタルは山に棲むホタルで清流とは無関係です。光り方もゲンジボタルなどとは違ってフラッシングが速いです。それと、山に棲むため生息地が川沿いに限定されないために、この相生山ではいたるところで光っています。周囲でホタルが光る中、深夜のハイキングになりました。もちろん濃淡がありますから絶好のスポットは存在します。山頂付近の梅林のあたりが一番だそうです。生まれて初めて見るヒメボタルは、それはそれは素晴らしいものでした。時間が経つにつれてシンクロする傾向があるので仲間と一斉に点滅します。まるでイルミネーションのようです。竹林では、竹が生長する音も聞きました。竹って成長が早いからみしみし音がするんですね。名古屋市内に、こんな場所があったのかと驚愕する体験ができました。保護のため、あまりマスメディアに載せないように注意されているそうです。知る人ぞ知る蛍狩りスポットなんですね。市民に関心を持ってもらうためにはマスメディアを利用することはいいのですが、それで山を荒らされる心配もあるのです。写真を撮ろうと思いながらも、三脚を忘れてしましました。途中100円ショップでミニ三脚とゴミ箱を購入し、コンパクトデジタルカメラに取り付けゴミ箱を台にして写してみました。近藤さんには、「そんなカメラでは写りませんよ。」と笑われました。その言葉通り非常に難しい被写体でした。それでも何とか撮ってみたのがこの写真です。頑張ってみましたよ。それはそうと近藤さん。案内してくれてありがとうございました。家族も喜んでいましたよ。
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