石持のファンなら言わずと知れたアームチェア・ディテクティブものだ。引き続きこの手の小説をずっと読んでいると、結構長所と短所も見えてくる。
今回の作品は何かきらりと光るものが少ないような気がする。ラストへの導きはさすがなのだが、従来物に比べてきりりと締まってない。あっと驚く代物も少ない。
今までと違い読む楽しみが少ないと思った。あの、ページを繰る時の気持ちの高揚ぶりは今回には感じられなかった。発 . . . 本文を読む
午前中また銀行に行く用事があり、その後家に駆け戻りその後梅田に出発。TOHO梅田シネマズで「クローバーフィールド HAKAISHA」。
手持ちムービーによる全編逃げ惑う人たちからの目線で取った揺れ動く緊張感が売りのパニック映画。
優秀である。そんなに新しくはないけれど斬新な映画だ。映画料金は高くない。
その後昼食後「うた魂♪」。
コーラスの経験はない僕だが、高校生の時にはクラブで結構遊んでいた。そ . . . 本文を読む
古きよき時代のロマンス、いわば現代を全く意識しないレトロ調の雰囲気を醸し出している軽いノリのいかにもフランス映画。主演のカトリーヌ・フロもまさにそんな風貌の女優である。
言っては悪いが、もう誰も相手にしなくなったような出がらしのお茶のような女性ではあるが、愛することには長けているが、愛されることに戸惑う中年女性のときめき感をけなげに演じている。
少々フランス映画では珍しい漫画チックな味わいのあ . . . 本文を読む
スザンネ・ビア作品は今年で3本目。今までの作品はとにかく出色の出来で、すべてベストテン級の力作だ。ハリウッドに渡り、さてどうか、、。
北欧からハリウッドというのも珍しい。言語も違えば、光、気候も全く違う。だいたい彼女は今まで喪失というものをテーマに大胆に人間を掘り下げてきて、いわばそのオーソドックスさはベルイマン的だと言われてきた作家だ。
しかし、冒頭から何かしっくりしないなあ。何なんだろう。 . . . 本文を読む
さわやか青春系映画、大体スポーツものが多いけれど、最近は部活ものもこの範疇に入る。大体こういう映画って本質的に好きなんだなあ。予告編で感動してそのまま本編へ。
見ていて漫画が原作かなと思ったが、そうでもないらしい。ということは、これは漫画ののりで作った青春映画ということになる。冒頭からの自信過剰の夏帆は面白いけれども、滑稽さが不足しているのでしょうか、少々嫌味にも思えてしまう。
好きな男の子か . . . 本文を読む
突如襲いかるカタストロフィに逃げ惑い、また恋人を捜すために斜めに折れかかったビルに突入する人間たちの目をカメラに固定させ、あくまで彼らの目線での一部始終を撮影しているハンディカメラ風に見据えた話題作だ。
であるからして、写っている光景・風景は彼らの動揺・不安・安全への願いの気持がそのままダイレクトに伝わっている構成である。だから怪獣映画でよくあるような、怪獣の全体像・攻撃シーンを迫力ある映像に収 . . . 本文を読む
昨日、映画に行こうと思って途中ちょっと銀行に寄った。月曜日だったので結構混み、おまけにいつもの当番女性が混み入った話しをしたので時間をとってしまい、結局その日は家に戻りどこにも出ないことにした。
まあそのために、多少は部屋の片付けも出来たが、、。
で、今日は絶対映画を見てやろうと、9時過ぎには家を出た。まず「シネリーブル」で日本映画「花影」。題材的には韓流映画なのだが、正真正銘の日本映画。男と女 . . . 本文を読む
見て、しばらくしてから、しまった、この映画は女性映画だと思った。自分でこうジャンルを仕切るのは好きじゃないけれど、これは立派に女性映画であります。男が見ていると絶えられない無責任感を感じます。
ある女性が主人公である。彼女は(おそらく今までも同様に苛苛していたんだろうけれど)ノーテンキな女のルームメイトの世話を焼くことになる。焼かされる。
ホテルに入るまで何をしようとしているのか分からない . . . 本文を読む
韓流と言いつつ心に深く残りいつまでも思いをいだく秀作もあれば、流星群のひとかけらのように一瞬で消えてゆく映画もある。この題材はまさに韓流なんだけれど、それが日本で製作されたことによりかなり趣の違った映画になってしまった。
優れた韓流であれば観客を敷き詰められた硝子のカーペットに乗せて引導してくれなくてはいけない。映画の持つ魔力の独特の世界へ僕たちを運んでいってくれなくてはいけない。だが、この映画 . . . 本文を読む
ホン・サンスの映画は一風変わっていて、今回も相変わらず脚本がないかのようなベタな会話が全編を覆い、その日常的な会話の裏に隠されている人間の洞察力は相変わらず秀逸だ。
ほとんど、コメディタッチののりの台詞のオンパレードなので、くすくす笑ってしまう会話がほとんどだが、今回は不倫といえば大げさだけど、ほとんどが配偶者のいるものたちで広げられるナンパのお話であります。
俳優たちもどちらかというと、2線 . . . 本文を読む
話自体は昔からある家族の、特に父親と息子たちとの葛藤の物語だ。特に新しい切り口があるわけではないが、最北端の極寒地の寄り添って生きていく人間たちが確かに描かれている。
この話はどこの家庭にでもありそうな普遍的な内容で、ある意味映画的でなさ過ぎるので驚いてしまう。内容的には小津らしきものも垣間見えるが、その部分が全く違っている。
まさにどこにでも漂っている家庭劇での葛藤なのであります。でもその題 . . . 本文を読む