6編の短編集なんだが、俳句のように凝縮した文章に徹し、無駄がなく、しかも読みやすい。長岡もいよいよ「刑事コロンボ」をはじめたのか、と最初ちょっと引いたが、慣れるとそうでもないことが分かって来て、面白さが増大する。
ただの短編集ではないところが長岡の才能の素晴らしいところであり、6編それぞれアッと驚く仕掛けが面白く楽しい。やはり凡人ではない。
特に僕が絶賛したいのは第五話「指輪のレクイエム」だ。 . . . 本文を読む
20年ぶりの再演らしいが、時代性を感じない実にみずみずしい作品である。寓話の体裁をしているが、ポエム劇である。終夜営業しているビヤホールで語られる人生の真実、、。
遠く離れたふたつの町。旅人と人形。遠くにある星と我らが住む地球。これらが象徴しているのは、対角線上にある国と考えてもいいし、もっと狭く人間同士と考えてもいい。もっと卑近に、男と女でもいいし、自分の中に潜むAとA’の人間であってもいい。 . . . 本文を読む
ヴェンダースの新作です。初期の作品群が好きな吾輩であるが、まあでも最近は見直していた。でも本作は考えてしまいました、、。
映像が主に二人の男女の会話を映す手段のみに徹底されており、映画とはそもそも何なのか、と観劇中ずっと思う。
昔、ゴダールが「東風」で採った方法と似てはいる。同じ映像が7,8分ストップしたかのように映るが、轟音のように鳴り響く演説の声がすさまじく、ゴダールはその政治的内容を伝い . . . 本文を読む