敗戦直後のサナトリウム(古い言葉だ)。当時は薬もそれほどないのだろう、映像で見るように体力のみで治療していたような雰囲気だ。恐らく資産家でないとこういう療養所には入れなかったのだろう。優雅な療養生活である。
変に明るいのだ。でもそれは野外の日光の明るさではなく、患者たちから眺めた脳裏の明るさというか、だからそれはあくまでも抽象的な観念を伴ったものなのである。だから、映像ではまるで楽しい学園生活っ . . . 本文を読む
原作は読んだはずだが、ほとんど覚えていないという健忘症です。でも、それほど感動しなかった記憶はあります。しかし、映画は結構良かった。それも、最後の最後で被害者側の犯罪者への裁きの中身を知るその観客への提示の重さは持ち切れないほどだ。
だが、二時間弱ラストまでの描写は凡庸だ。一人一人の演技は見るに値するが、いくらなんでも指名手配を受けた一般人が軽井沢でペンションの聞き込みをする際、あんなに自由に行 . . . 本文を読む