ウォーン・マーシュの『Warne Marsh』(Atlantic、1957年)と『Music for Prancing』(Mode、1957年)のカップリング盤を入手。
『Warne Marsh』
Warne Marsh (ts)
Ronnie Ball (p) (1,3)
Paul Chanbers (b)
Philly Joe Jones (ds) (1,3)
Paul Motian (ds) (2,4-6)
『Music for Prancing』
Warne Marsh (ts)
Ronnie Ball (p)
Red Mitchell (b)
Stan Levey (ds)
このテナーサックス奏者、昔はまったくピンとこなかった。音は立っていないし、何だかもそもそしてハッキリしていないし、出てくるべきと思えるところで陰に隠れているし。特にインプロヴィゼーションの天才リー・コニッツと組んでいたりすると、何のためにそこにいるのかわからないとさえ思っていた。
そんなわけで、気が向いて実に久しぶりに聴いたのだが、これがまた素晴らしく聞こえて仕方がない。人間の耳と脳なんて不思議なものである。(わたしが駄目だっただけか?)
はっきりせず布や板をかきむしるような音色は、他の人に出せない個性に他ならない。でかい音で聴くとこれがまた快感。ヘンなところで出てきたり引っ込んだりする節回しは、レスター・ヤングやスタン・ゲッツらのテナーの系譜にあるものかもしれない。
決めつけと思いこみはよくない。