Sightsong

自縄自縛日記

ジェフ・ガードナー『the music of chance / Jeff Gardner plays Paul Auster』

2013-06-22 15:55:55 | アヴァンギャルド・ジャズ

ジェフ・ガードナー『the music of chance / Jeff Gardner plays Paul Auster』(AxolOtl Records、1999年録音)は、タイトルの通り、ポール・オースターの小説世界にインスパイアされて吹き込まれた作品である。

発表時に気になりながら聴かず、いまになって入手した。

Jeff Gardner (p)
Ingrid Jensen (tp)
Rick Margitza (ts)
Drew Gress (b)
Tony Jefferson (ds)

タイトル曲の『偶然の音楽』、それに『幽霊たち』、『ガラスの街』、『ムーン・パレス』、『ミスター・ヴァーティゴ』、『リヴァイアサン』が曲名として採用されており、さらに、『最後の物たちの国で』に登場するアンナ・ブルーム(彼女は終末世界で生きる)に捧げた曲など、オースター好きの心をくすぐる構成。

とはいえ、それぞれの曲から元の小説世界をイメージすることは難しい(もっとも、無理に結びつけることは間違いだろうが)。ガードナーの、やや暗く、抒情的で、モーダルな印象のピアノを聴くための盤である。

もっと言えば、自分にとっては退屈。ただ、トニー・ジェファーソンの流麗なシンバルワークには聴き入ってしまった。

同好の士が作った作品ゆえ、よしとする。なお、ヴィム・ヴェンダースもオースター好きだが、彼の映画にこの音楽は合わないだろうね。

●ポール・オースターの主要な作品のレビュー
ポール・オースター+J・M・クッツェー『Here and Now: Letters (2008-2011)』(2013年)
『Sunset Park』(2010年)
『Invisible』(2009年)
『Man in the Dark』2008年)
『写字室の旅』(2007年)
『ブルックリン・フォリーズ』(2005年)
『オラクル・ナイト』(2003年)
『幻影の書』(2002年)
『ティンブクトゥ』(1999年)
○『ルル・オン・ザ・ブリッジ』(1998年)
○『スモーク&ブルー・イン・ザ・フェイス』(1995年)
○『ミスター・ヴァーティゴ』(1994年)
○『リヴァイアサン』(1992年)
○『偶然の音楽』(1990年)
○『ムーン・パレス』(1989年)

『最後の物たちの国で』(1987年)
○『鍵のかかった部屋』(1986年)
○『幽霊たち』(1986年)
『ガラスの街』(1985年)
○『孤独の発明』(1982年)
『増補改訂版・現代作家ガイド ポール・オースター』


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。