Sightsong

自縄自縛日記

シャンカール『Endhiran / The Robot』

2011-12-23 12:03:52 | 南アジア

シャンカール『Endhiran / The Robot』(2010年)のDVDを観る。主演は大スター・ラジニカーントとアイシュ。日本では『ラジニカーントのロボット』というタイトルが付けられるそうだ。

科学者(ラジニカーント)は、自分にそっくりな人間型ロボットの開発に成功する。彼の夢は、ロボットをインド軍で使ってもらうことだった。ロボットの感情のなさを指摘され、さまざまな情報をインプットして感情を植えつけるも、ロボットは科学者の恋人(アイシュ)を好きになってしまう。科学者は無骨で(恋人へのプレゼントが、スティーヴン・ホーキング『A Brief History of Time(ホーキング、宇宙を語る)』や『フリーコノミクス』であったというのが笑える)、それに比して万能で強く、忠実なロボット。しかし、科学者の恋人にご褒美とばかりに頬にキスされると舞い上がってしまい、暴走を始める。

手がつけられなくなり、一度は科学者に壊され棄てられたロボットであったが、彼の成功を妬む師匠に拾われ、悪辣な「Version 2.0」として再生する。ロボットは自己の複製再生産をはじめ、恋人を奪い、ロボット軍団を率いて帝国を築く。

タミル映画の伝統を裏切らず、歌あり踊りあり(ところで、何でマチュピチュを前にして、キリマンジャロ~モヘンジョダロ~なんて歌うのか)。下らなすぎて最高だ。

しかし圧巻は科学者・インド軍・警察とロボット軍団との対決場面である。説明するよりも動画の一部を観てほしいが、とにかく過剰だ。空に浮かぶ無数の紳士たちの悪夢「ゴルコンダ」を描いたルネ・マグリットも、これを観たら驚愕するに違いない。ここまでやるのかというCGと冗談、ハリウッド映画を笑いながら軽く凌駕する。何の感慨もないがとりあえずは驚いた。

>> 動画の一部

もう60歳を超えているラジニカーントは今でも大人気だそうで、昨年インドでそんな話をしながら歩いていると、同行のインド人がほらあそこにも、と車の窓に貼られたシールを指さした。あらためて確認してみると、この映画の宣伝用シールだった。


2010年10月、バンガロール近郊にて


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