稲毛のCandyに足を運び、来日したばかりの「ザ・シング」(The Thing)を聴いた(2013/5/21)。北欧の面々だが、当日カナダから直接渡航してきたのだという。
Mats Gustafsson (sax)
Ingebrigt Haker Flaten (b)
Paal Nilssen-Love (ds)
何しろ、マッツ・グスタフソンのブロウを直接聴くのははじめてである。そして、テナーでもバリトンでも、文字通りパワープレイ、期待に違わぬ轟音を響かせてくれた。
彼のサックスはまったく上品ではない。擦音、破裂音、びりびりと震える低音といった持ち味があるが、中音域の朗々と響く音圧もすさまじい。それにしても、キャンディに来るのはまだ2回目だが、音響環境が良い。小さなハコの中で、20人くらいの観客とともに聴くことは贅沢だろう。
インゲブリグト・ホーケル・フラーテンのベースはピチカート中心。ベースにもパワープレイがあるのだなと思いながら観る。音量を調整しながらのアタックが強烈なのだ。
ポール・ニルセン・ラヴのマッチョぶりもいつも通り。
演奏が終わった後、マッツに、彼がミシャ・メンゲルべルグと共演した『Live in Holland』(X-OR、1997年)にサインをいただきながら少し話をした。ザ・シングは結成14年だから、録音はその前である。ミシャとは何度も共演しているそうだが、いまでは年齢のせいもあって「sick」だそうである。そうなのか・・・。
●参照
○マッツ・グスタフソンのエリントン集
○大友良英+尾関幹人+マッツ・グスタフソン 『ENSEMBLES 09 休符だらけの音楽装置展 「with records」』
○ジョー・マクフィー+ポール・ニルセン・ラヴ@稲毛Candy
○ジョー・マクフィーとポール・ニルセン・ラヴとのデュオ、『明日が今日来た』
○ポール・ニルセン・ラヴ+ケン・ヴァンダーマーク@新宿ピットイン
○ペーター・ブロッツマン@新宿ピットイン(ニルセン・ラヴ参加)
○4 Corners『Alive in Lisbon』(ニルセン・ラヴ参加)
○スクール・デイズ『In Our Times』(ニルセン・ラヴ、フラーテン参加)