さてヨーロッパのサッカー、2016-17シーズンもCL決勝=レアルの連覇で幕を閉じた。サンプの終盤戦のモチベーションの低下と共に私のモチベーションも低下し(←言い訳)、大分更新が追っつかなくなっているが、2017-18シーズンへの移籍市場は既に動き始めている。これからは手短にサンプの2016-17シーズンを、各ポジション別に振り返っていきつつ、来季の補強の様子も見ていきたい。第1回はGK&監督編。ちなみにガゼッタ方式の採点は、全く私個人の主観100%、独断と偏見によるものである。
監督 マルコ・ジャンパオロ 6.5 エンポリで名を上げて、モンテッラがミランに引き抜かれた後を受けて就任したイタリア期待の青年監督。その評判に違わないサッカーを1年目から見せた。細かいパスをかなり多くつなぐポゼッションサッカー。アウェイや強豪相手でもなるべくそのサッカーを貫き通した。若くてテクニックに長けた選手が多いので実現したとも言える。特にその中心となったのがトレイラ。彼の中盤の底でのボールの散らしがジャンパオロサッカーの肝であった。 守備ではバッレート、リネッティ、トレイラの3MFのフィルター、その後ろ4バックのラインを高めに設定してコンパクトに守る。バッレートとシルヴェストレ両ベテランの復活と、CBシュクリニアールの大成長がディフェンス面では欠かせなかった。ただ若い選手が多い分、勝敗に直結するミスが何個かあったのと、セットプレーでの全体的なヘッドの弱さ、正GKヴィヴィアーノの長期欠場(代役プッジョーニも頑張ってはいたが)が、終盤戦で特にモチベを失ってから失点が増えた原因か。 ポゼッションの割には攻撃はやや個人技頼みの所もあったが。若手も積極的に登用して、コンセプトもぶれずに将来につながるサッカーをしている。来季の続投も決定しているので、ある程度長い期間任せてみて欲しい。
GK 2 エミリアーノ・ヴィヴィアーノ 5.5 今シーズンは怪我に泣かされ、最終的には全試合の半分以下の17試合の出場に留まった。出場した試合に関しては、敗戦につながる致命的なミスをしてしまったカリアリ戦 ⇒http://blog.goo.ne.jp/shussissi/e/336513f452296898fb4edccee4e337c4 を除けば昨年と同等のパフォーマンスを維持。プッジョーニの1試合平均1.66失点に対して、1試合平均1.17失点。この差は他のファクターが有るにしても、実力差であろう。この欠場数の多さに対しての責任は大きく、評価は低くならざるを得ない。年齢的にもまだまだGKとしてはこれから脂が乗る時期ぐらいなので、とにかく怪我を完治させて再び怪我をしないように。(17試合/20失点) GK 1 クリスチャン・プッジョーニ 6 ここまで出場数が多くなるとはシーズン前には誰も予想していなかっただろう。昨年ヴィヴィアーノがほぼ全試合ゴールを守り通した事による安心感から、シーズン前の補強として第2GKをやや軽視する事となった。結果第2GKに昇格したプッジョーニは丸2年以上実戦から遠ざかっていたが、出番が回ってくるとしっかり対応したのは評価される。特にサンプとしてのデビュー戦が何とDERBYであり、その試合の勝利に貢献したのは大きかった。ただ、やはり試合数を重ねるとヴィヴィアーノとの差を露呈した感は否めない。堅実性は有ったが、ヴィヴィアーノみたいな流れを変える超ビッグセーブはほとんど無かった。総合的にはベンチのムードメーカーとしての貢献も含めると第2GKとしての役割は全うしていたので、今季に関してはヴィヴィアーノより高い評価(21試合/35ゴール) GK 92 アンドレア・トッツォND シーズン当初の第3GKは、出番なしと言う事で冬のメルカートでレガプロのマテーラにレンタルで移籍。そこでは13試合に出場した。来季は再度サンプでやる模様25歳となる彼、そろそろ背水の陣だ。(0試合/0失点) GK 30 ウラディミーロ・ファルコーネND トッツォとの入れ替えで第3GKとして冬にレンタルバック。ファルコーネの方がまだ21歳だし、195cmの長身と言う特徴もあるので一応期待はできるか。来季は再レンタルでレガプロのヴィルトゥス・バッサーノに。昨季のレンタル先のリヴォルノでも1試合しか出番が無かったので、何とか出場機会を。(0試合/0失点) GK 12 ティタス・クラピカスND 1999年生まれのリトアニア人は、すでにリトアニアU-21代表に選出。195㎝の長身を生かして、将来が楽しみだ。プリマヴェーラの正GKだが、来季のキャンプにも招集されている。(0試合/0失点)
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*さて、ここでメルカート情報を少し。
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- FWジャンルカ・カプラーリ(23)⇒ DFシュクリニアールを放出して、1800万ユーロ+カプラーリを得た。昨季はペスカラのエースで35試合9得点4アシスト。まだ23歳だがイタリア代表にも召集済み。早さと嗅覚を生かすタイプのストライカーだ。エースになれる存在として期待しよう!
↑↑©www.sampdoria.itより
- FWダヴィド・コフナツキ(20)⇒ リネッティを昨季獲得したポーランドのレフ・ポズナンから、ポーランドで未来のレヴァンドスキと呼ばれるコフナツキを獲得。500万ユーロの完全移籍。昨季のシックの再現を狙う。長身だが足元も上手く、まさにシックの様になれる可能性を秘めている
↑↑©www.sampdoria.itより
-
MFヴァレリオ・ヴェッレ(23)⇒ 冬の時点で獲得が決まっていたヴェッレ。ペスカーラで一緒だったカプラーリとサンプでもコンビを組める事になった。昨季は28試合0得点2アシスト。ジャンパオロはまず左MFで試しているが、両足蹴れて攻撃センスも有る彼は中盤争いをさらに激化させる事になるだろう。イタリアU-21代表
- MFレオナルド・カペッツィ(22)⇒ こちらも冬の時点で獲得が決まっていたカペッツィ。昨季のクロトーネでは結局25試合0得点。本来センターハーフだが、ジャンパオロはまず新境地のボランチで試し始めている。トレイラの代わりが務まるようになれば最高
- DFニコラ・ムッルー(22)⇒ カリアリにMFチガリーニ放出+700万ユーロで獲得。生まれ育った故郷のサルデーニャ島を遂に離れ、サンプ移籍を決めた念願の生粋の左SB。左利きで攻撃力も有り若い。最高じゃないか!昨季は26試合0得点。活躍して、常に弱点となってるサンプの左SBに伝説を築いてくれれば
↑↑©www.sampdoria.itより
OUT
- FWルイス・ムリエル⇒2000万ユーロでセヴィージャは完全移籍。少し安い気もするが怪我とムラあるプレーから考えると、まぁこの年齢でこの値段で売り時と思った方が良いのか?サンプには最後に感謝の手紙を出しており、ウディネーゼ時代とは違い、温和な移籍か。タイプ的にはスペインでの方が、コンディションさえ万全なら点は取るだろう。代わりにセヴィージャのアルゼンチン人FWヴィエットを狙う。
↑↑この2人は共にもう見れないだろう
- FWアンテ・ブディミル⇒元々在籍していたクロトーネに買い取りオプション付きレンタルで戻った。ベルヘッシオ⇒ロドリゲスと続いた期待外れのFWは今年は彼だった
- FWジャコモ・ヴリオーニ⇒ レンタルでピストイエーゼに。サンプ・プリマヴェーラのエースは出場機会を求めに武者修行に出た
- MFブルーノ・フェルナンデス⇒ 1000万ユーロで故郷ポルトガルのスポルティング・リスボンに完全移籍。推定100万ユーロ+買い取りオプション付き(600万ユーロ)で買ったので少しだけ儲かった感じか。これからさらに本領発揮しそうだったので、正直残念だ。故郷に帰ると言う事で、家族の意向もあったようだが
- MFルカ・チガリーニ⇒ 彼+700万ユーロを払ってDFムッルーを獲得した。期待されて入った昨季だが、トレイラのびっくりする活躍で出番に恵まれなかった。サンプから出てまたちょっと活躍したマレスカみたいになれるか?
- MFアンジェロ・パロンボ⇒ 引退。サンプトップチームのコーチに就任。格下のクラブに移ってまだ現役を続けるかと思ったが、サンプへの忠誠心を誓い、即フロント入りした。ジャンパオロの元で監督業を学ぶ。引退試合はやってあげて欲しい
↑↑©www.sampdoria.itより
- DFミラン・シュクリニアール⇒ FWカプラーリ+1800万ユーロでインテル入りした。センターバックながら足元の技術も有り、昨季セリエAでパス成功率91.4%で堂々のトップ。守備でも1対1の強さや読みの鋭さを見せた彼は、1年の活躍ですぐに引き抜かれてしまった。さすがにこのオファーの金額ではサンプは断れなかった。ムスタフィ、ロマニョーリと続いたサンプから巣立った将来のスターセンターバックの系譜は彼に引き継がれた。
*その他 サンプトピックス
- シニサ・ミハイロヴィッチの息子、ミロスラフ・ミハイロヴィッチがサンプユース入りした。16歳のDFらしい
- キャンプにも招集されているプリマヴェーラのFWバルデ、彼はラツィオでブレイクしたケイタの弟らしい
- レンタルバックのはずのMFダヴィド・イヴァン(バーリ)、FWアンドレアス・ポンセ(ルガーノ=スイス)、さらに去年獲得して今年から加入するはずだったアントニオ・パルンボ(テルナーナ)。この3選手は揃って去年の武者修行先で、怪我の影響も有り出場機会に恵まれず。ジャンパオロのお眼鏡にかなわずに、キャンプ招集外となった。今後売られるかレンタル先を探される事となる。
- サンプ入りがほぼ決まっていたフィオレンティーナのMFイリチッチ。土壇場でアタランタと契約して、サンプティフォージの怒りを買った。対戦が楽しみだ。目に物を見せてくれよう
- 一度ユーヴェユニ着た写真がUPされたFWパトリック・シックは、土壇場で破談に。3050万ユーロと言われていたが。ユーヴェ側はメディカルチェックで心臓に異常が見つかったと言っているが、ダグラス・コスタ等の補強に成功したユーヴェが、出番無さそうなシックにこの金額を払うのが嫌になったのだろう。すぐさまインテルと交渉が進んでおり、サンプに残るモチベも無いだろう彼は3000万ユーロぐらいで売れれば御の字だと思う。いずれにせよ1ヶ月位は静養が必要らしい。
- プリマヴェーラに青田買いの3選手補強
- クリシチャン・ハジオスマノヴィッチ=イタリア(1998年7月9日生)
- ニック・プレレッチ=スロヴェニア(2001年6月10日生)
- イヴァン・ヴジチッチ=クロアチア(1999年2月1日生)
さて、かなり大物を売って金はあるサンプ。シックが売れればあと怖いのは、トレイラが売られる事か。まずセンターバック補強が急務。今のところ話題に上っているのがメレ(アトレティコ・マドリッド、昨季はスポルティング・ヒホン)とコリー(ゲンク)、ムリージョ(インテル)。
MFはかなり万全だがブルーノに代わるトップ下とボランチの控えか。一時噂になったスナイデルは結局破談。今話題になっているのがウィルシャー(アーセナル)。個人的にはサポナーラが欲しい。
FWで話題になってるのはファルチネッリ(クロトーネ)とヴィエット(セヴィージャ)。いずれせよ1人は絶対必要で、クアリアレッラがレギュラーから追いやられるような面子にならないとダメだ。
逆に売却部門ではサイドバックの整理が必要。売らないといけない選手はDFパヴロヴィッチ、ドド、サーラから何人か。結局レジーニは残ってセンターバックとしてやる模様だが、彼も売れるなら売って欲しい。去年の様に、開幕ぎりぎり(もしくは始まってから)に重要な選手を獲得するのではなく、ある程度ジャンパオロにしっかりキャンプ中に陣容を固まらせてあげたい。
Foooooooorza Saaaaaaaamp!!
今日のカッサーノの“アフォリズム(格言)”
はお休みにして、久しぶりにカッサーノが起こした”カッサナータ”を紹介
カサ坊は、今季セリエAに昇格した同盟国エラス・ヴェローナに加入することが決定。そこかららわずか8日で、なんと現役引退を一度決断。7月18日付の『ガゼッタ・デッロ・スポルト』などが報じた。かつてサンプドリアをチャンピオンズリーグ出場圏まで導いた名コンビの相棒FWジャンパオロ・パッツィーニと再会し、黄金のサンプコンビ復活かと言われていた矢先だ。
そしてクラブが公式記者会見を用意するが、その会見では何と再度心変わりして引退を撤回。わずか4時間の間の出来事だ。家族と離れてトレーニングを始めた結果ホームシックにかかり一度は辞めようと思ったが、元サンプのファビオ・ペッキア監督やチームメートの説得で頑張る事にした模様だ。エラスはヴェローナの近くに家族も住みやすいような第2の家を用意して、懸命にカサ坊に頑張らせようとしている模様だ。エラスはFWチェルチやDFウルトーを獲得したり、積極的な補強を見せてるので面白そうだ。