書とお寺が大好きな春逕の「日々是好日」

日々思うこと、感じた事をつづります。

書モード

2008-05-13 23:31:09 | 書について
ひたすら言葉調べ。

四書五経より。

四書五経とは

大学、中庸、論語、孟子。
易経、書経、詩経、春秋、礼記。

今、わたしに何かぴったり来る語は?

今度の茶掛け展の語さがし。(かなり脱線しながら・・・)

肥後藩には細川重賢が設立した時習館という藩校があった。

今回熊本で全国藩校サミットというものがあるということで、私たち女流展の出品者もそれに協賛して作品を作るという事になっている。

それで、本を引っ張り出し、ネットで探しまくり、やっと何とか語に出会った。
その言葉はひ・み・つ。

四書五経を調べていたら、そこからいろんな方向に発展した。

元田東野(1818~1891)
彼は、幕末から明治の漢学者。
熊本出身。
10歳にして漢籍を学び、翌年時習館に入る。
そこで横井小楠を師事たが、開国を勧める小楠とその反対の長岡監物との争いには中立を示した。
彼がよんだ詩に出会った。

『中庸』元田東野

勇力男児斃勇力 文明才子酔文明・・・・・・

勇気あるものたちはその腕力のために身を滅ぼしてしまう。
また、文明にあこがれる才子は文明に心酔するために本来の日本の良さを見失ってしまいそうになる。

勘君須択中庸去 天下萬機師一誠。

そこで君たちに勧めたいのは、常に不偏中正の道を選び、
それに則した考えを持ち行動をする事である。
天下のあることが起こる微妙な点は、すべてただ一つの誠によるものであるからそれを失わないようにしなければならない。

時習館での勉強についても調べた。
学科は、漢字、習字、習礼、数学、音楽、故実、馬術、居合、なぎなた、剣術、槍術、軍学、柔術、棒、野太刀、陣貝太鼓、犬追物、遊泳。
教科書は『孝経』『大学』『中庸』『論語』『孟子』『五経』『文選』『国語』
『史記』『漢書』『綱鑑』『通鑑』『近思録』
とにかく、教科書のレベルも高いし、勉学への意欲が違う。

今、10代で志をもって勉学に励んでいる若人はどれだけいるのだろうか???

いろいろ調べていたら、どんどん面白くなってまた夜更かしをしてしまった。


潤渇(濃淡・かすれ)

2008-05-12 13:09:59 | 書について
墨、紙、筆、硯。

そして私。

作品に向かうとき、墨の良さ、紙の良さ、筆の良さ、硯の良さを引き出すのは私???

今日はお休みなので、潤渇を考えて書いている。

墨はつけすぎると渇かない。が筆の穂先は渇いている。
たっぷり筆に墨をつけて潤った線を引く。そして穂先で渇いた線を添える。
筆のばねを使ったり、筆の腹を使ったり、穂先を使ったり・・・。

筆に含んだ磨った墨は、その筆の角度で紙に染みてくれる。
紙に向かって真下に染みるか、角度浅く染みるかで、墨の色も変わる。

書は基本的には白黒の世界。

墨紙筆硯、そして書き手の関係でその白黒も無限大になる。

書けば書くほど、求めれば求めるほどいろんな謎にはまり込む。

だから書道は面白い!!!


母の日に・・・。

2008-05-12 10:54:31 | 思う事
先週にひき続き阿蘇の「etu」に行った。

今回は母を誘ってお友達と4人、それと2匹のワンコで行った。

母の日だから母も誘ったのだが、(私と母二人ならきっと会話も弾まなかっただろうけれど)友だちは、気遣って母の話に相槌をうってくれたからますます母は上機嫌だった。

一路阿蘇へ。

前日のお天気から一転、ドライブ日和になった。


阿蘇神社から水き巡りの道を歩いて、お昼を食べることにした。
おいなり定食に惹かれお店に入った。

凄いボリュームでこの値段???

おいなりさん特大2個、馬刺し、だご汁、酢の物、山菜、お煮しめ、サラダ、煮豆。みんなビッグなおいなりさんは持ち帰りパックを貰って持ち帰った。

テクテクと散策しながら昭和初期の洋裁学校跡のお店「etu」に向かった。

友だちも、母も、その校舎を見るなり
「わ~つ!」

中に入ると
「なつかし~い!!!」

アンティークなものたちが私たち昭和人間を優しく待っていてくれた。

ここには時間がゆっくり流れている。

母も友だちも、ここのお世話をしている方からほかの校舎や母屋を見せてもらい興味津々だった。

ここの友だちのお嬢ちゃんの朋ちゃんは、ワンコ達を庭につれて行ってくれてワンコも大喜び!!!

うちのワンコ
ティアラ12歳は1歳の頃から毎年5月にはキャンプに10年間連れていっていたのでドライブや野外も慣れたもの。毎年阿蘇でのキャンプだったから、きっと草の香りが一緒だったのだろう。
いつもぼんやりお昼ねばかりしているおばあちゃんしているティアラの目は輝いて走り回った。(あなた何歳???)
それに遅れをとらないようにと、2歳のダックスのピンキーはティアラについてまわった。

もちろん私達もこの校舎のおかげで小学生か中学生に戻る事ができた。母の顔を見ても私達の顔もみんな学生の顔をしていた。

本当にいい時間をすごす事ができた。

朋ちゃんは帰る時に私に・・・

「ピンちゃんママ、また来てね。あと50回ぐらい来てね!!!」と。

ここの良さをいろんな人に伝えたいから、いろんな人を連れて行こう!!!

母と呼べる人がいて、そして母と呼んでもらえる子がいて幸せだと思った。

今はワンコたちのママそしてしゅんけい教室のママとしてとっても幸せ者だと思う。


昨夜はきりりと書きたかった・・・。

2008-05-11 09:24:29 | 書について
趙孟頫(ちょうもうふ)の楷書『玄妙観重修三門記』を全臨した。

なんか心がだれてしまってどうも、で、思い立って臨書を。それも楷書。

趙孟頫は、1254~13228(南宋~元)
南宋時代には皇族であったが、彼が、26歳のとき宋は滅び元のフビライに仕えることとなった。
当時は、2朝に仕えるのは民族の恥といわれていたが、彼は、宋までの書画の文化、技術を伝えることこそ使命とと思い、研鑽を続けた。

この玄妙観重修三門記は49歳から56歳にかけての作品と言われている。

半紙を縦に8横6のマスを鉛筆で書いて、11枚になった。
4センチ方寸の文字を499文字を無心で書いた。

歴史に残っている人そして文字には魂が籠もっている。
本当にすばらしい!!!

ある人に言われた。
「誰でも、引越しする時には要らないものから捨てる。
歴史に残ると言うもの、そしてその精神は多くの人たちの中でその作品が、何とか残したいと思わせるものだ。」と。

「歴史に残っているものの良さが解らないのは、自分の観る目が乏しいのだよ。」と。

書は面白い。

そのときに必要なものを心のサプリとして書きたくなる。

果たして私の使命はいったいなんだろう?

昭和初期の墨を頂きました。(墨運堂製・紅花墨)

2008-05-10 21:38:50 | 書について
先日お邪魔した阿蘇の洋裁学校跡の「etu」の内装工事のときに置いてあったものの中に、墨があったからとっていたよ!って友だちがくれた。

「墨運堂製の紅花墨(三ツ星)」

なんと、墨に30円のシールのもの4本。そして50円のシールのもの5本を貰って帰った。
早速、メール墨運堂さんに尋ねているところ。

墨運堂さんの墨をよく使わせてもらっている。
子どもたちの墨汁も、私の固形墨も、そしてうちで一番の働き者の通称“墨すり君”も墨運堂製だ。

墨は時間が経つととてもいい色になるが、経ちすぎると発色しなくなって本当の淡墨となる。
これらの墨がいったいどれくらいの時間を経ているのか、今現在どのくらいの墨色があるのかとても楽しみだ。
でも、磨るのはもったいないかなあ?

金色で彫りこまれ書き込まれた「墨運堂監製」という文字がとても気品があってすばらしい!!!


とにかく寝ました。

2008-05-09 08:29:30 | 思う事
昨日は、近所のカイロの治療院に行った。

生まれつき体の建て付けが悪くその上凝り性だから、時々は体のメンテナンスをしないといけない。
外から見たら、全く元気いっぱいな私も・・・。

近くにカイロの先生がいらして丁寧に体を見てくださった。

首、肩、腰、足。

とにかく擦ったり、押したり、引っ張ったり、気を入れたり・・・。
治療が終わって家に帰ったら・・・。
もう眠くて眠くて。
8時すぎ。

ちょっとベッドに入ったつもりが、おきたら朝6時半だった。

「なんで?」

「今、もう朝???」

って感じだった。

こんな事もあるさ。



四葉のクローバー(オキザリス)が出てきた!!!

2008-05-08 07:37:00 | 思う事
先週ダスキンのおまけで2個の球根を貰った。

説明書には・・・。
ダスキンの会社のロゴ派ダスキンのDの文字と四葉のクローバーでできていると書いてあった。この球根はしろつめ草とは別の種類だそうだが、早速ベランダの鉢に植えて毎朝水をやった。

で、、今朝四葉が開いたのでただそれだけで嬉しくなった。
(私って単純!!!)

嬉しいと思ったら体も心も弾む。


心は書にも現れる。
書は深くないと重みがないが、重いだけでは息が詰まるし嫌気が差す。
しかし、軽すぎると軽率でなれなれしいから嫌いだ・・・。(私の考え)

高村光太郎 『書の深淵』

「書を見れば誰でもその書かれた文字を知ろうとするが、それと同時に意味などはどうでもよい書のアラベスクの美に心をひかれる。しかもそのアラベスクがただの機械的、図様的のものでなくて、それを書いた人間の肉体、ひいてはその精神力の力なり、性質なり、高さ低さ清さ卑しさまでが明らかにこちらに伝播してくるのである。」
今朝、ぱらぱらとめくった本より・・・。

さあ今日も是好日!!!

お休み最終日は、阿蘇に行きました。

2008-05-06 22:24:50 | 思う事
お友だちが阿蘇神社のすぐ近くにお店を出したので遊びに行った。

西原の方から俵山トンネルを抜けて緑の阿蘇を満喫した。

そして阿蘇神社に。

阿蘇神社は、健磐竜命(たけいわたつのみこと)をはじめ十二柱の神々を祀る由緒ある古社で、古くは肥後一の宮と称され、第二次世界大戦前までは官幣大社に列せられていた。妃宮阿蘇都媛命(あそつめのみこと)が二の宮とその子速瓶玉命(十一の宮)として三神が重く祀られてきた。
宮司の阿蘇家は現在まで九十代受け継がれてきた古い家柄で中世以降は武家の統領としても肥後一円に勢力を振るった。
という事だった。

そこでひとつ気になったのは。
で、竜田にある三の宮はいったい誰が祀られているのだろう???

それは、ちょっとまだ調べていないが・・・。

その阿蘇神社を参拝してから、水基巡りの道を通り過ぎると・・・。
友だちのお嬢ちゃんの朋ちゃんが手を振って走って迎えに来てくれた。
そこは・・・友だちのお店「etu」。

一歩入るとそこは異の空間。
昭和初期に建てられた洋裁学校の空き校舎だった。
まさしく、学校建築。
廊下があって、ガラス窓の教室。

そこには配置よく、今ではきっと役に立たないと思って隅っこにしまいこんであるような昭和の物たちが胸を張って居心地よく並べられていた。

懐かしい風景。

朋ちゃんは沢がにを見つけたよ。って自慢げに見せてくれた。
近所の方々も自分の母がここの卒業生です。と懐かしがって訪ねて来られるそうだ。

街中にはない本当に豊かな時間が流れていた。

作品の裏に・・・。

2008-05-05 15:07:40 | 思う事
少し前に私の書展からご縁があって、漱石の草枕に出てくる「那古井館」の女将さんとお話する機会が会った。
それから夏目漱石についていろいろと気になっている。

前は漱石は、「五高の教授で、熊本に在住していた旧居は坪井だった。」ぐらいしか知らなかったが。
私が上京するとききまって訪ねる書道博物館とその前にある子規庵(正岡子規が仲間を集めて俳句の指導をしたり、みんなで文学談義をした家)に中村不折、河東碧梧桐、高浜虚子、そして夏目漱石も出入りしていたらしい。

那古井館の玄関には中村不折の扁額があった。
不折は漱石の「我輩は猫である」の挿絵も画いている書家で、画家である。

先月から、漱石をいろいろ調べてみたり「草枕」を読んだりしてみた。
「草枕」には・・・。

鎌研坂から峠の茶屋そして石畳の道。
その道を歩くときっと、現実から小説「草枕」の中にすーっと入っていくに違いない。

「草枕」の中には引用や人名がたくさん出てくる。
シェレーの雲雀の詩
黄檗宗の僧侶の書いたであろう書。
芦雪、若冲。
陶淵明、王維、白楽天。
大慧禅師、白隠和尚。
イタリアの画家、サルバトル・ロザ。
ターナー、ウォーズウォース(?)
文与可、雲谷、泰西。
雪舟、蕪村。
レッシング、ホーマー、ヴァージル、ラオコーン、スゥインバーン。
頼春水、頼杏坪、頼山陽、荻生徂徠、細井広沢。
タイモン、ラオコーン、トリストラム・シャンデー、スターン、オスカーワイルド、レオラルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ、グーダル、イプセン・・・。

主人公は画工として那古井に宿っているが、なかなか筆が進まず・・・。
いろんな詩、俳句、書、音楽、画を模索し、登場人物のしぐさや性格を観察しながらミレーの画いたオフェリアの顔を那美の最後の顔にその「憐れ」を感じた。

小説に引用が多い分とても厚みがあって日本のものでありながら、東洋と西洋との香りがして興味深かった。
また、絵画やヨーロッパの詩や儒学、朱子学を、知っていたならばとてもまだ深く楽しめるだろうと思った。
しかし、私レベルで、端渓の硯のところはその色と様子のようなものが少し目に浮かんだ。

私が書を書く場合も臨書する場合も、知らない事を少しづつ知ってくると芋づる式に解ってきて本当に面白い。
小説に限らず、作品を理解するためにいろんな事を知ることはとても楽しい。

本当の遊びというものはきっとそういうものだろうと思う。
いろんな作品の裏にいろんなエッセンスを封じ込めれるように日々感じたいと思った。

書作品も解りやすいものと徹底的に解りにくいものと二本立てで追求したいものだ。


書三昧

2008-05-04 19:43:38 | 書について
まとまった時間。
私にとって宝の時間。

いろんな本をながめたり、墨すり君が磨った墨で2×8尺の作品を書いたり、臨書をしたり、
硯に残った墨に水を足して遊びで絵を描いたり・・・。


多分、どっぷりマニアック。

ちょっと嬉しかった事は、

陶淵明のあざなが陶潜ってわかったこと。
夏目漱石の『草枕』の中に引用されている漢詩や黄檗宗の僧侶の書を調べる時間があった事。
故宮博物院のビデオをゆっくり見れた事。
墨絵の本を見る時間が持てた事。

書は白と黒の芸術。

紙墨硯筆

すべての相性が作品を決める。

筆もいろんな種類があるが、私は青山杉雨先生が使われていた「杉友」(兼毫)を使っている。一度に20本ぐらいは買って使う。
ちょっと硬いなあと思ったときは、杉友の羊毛のを使うと随分柔らかい。

筆が動きすぎると気持ちが入らない。
臨書もじっくり呼吸を整えてゆっくり書くほうがいいようだ。

古代の筆使い、中国の筆使い、そして日本の和様の筆使い。
いろいろ考えて書いていると本当に面白い!!!

やっぱり私ってマニアックだわ。