書とお寺が大好きな春逕の「日々是好日」

日々思うこと、感じた事をつづります。

筆の毛について

2010-05-30 01:37:40 | 書について
東京の久保田さんに

中国製作のテレビドラマ(AD600年頃の物語)の中で、王が臣下に筆を贈ります。その筆を見た臣下は、「これは鼠の毛ではありませんか。こんな貴重なものを。」と言う(字幕)のです。
時々、久保田さんは???っていう質問を下さる。

1、鼠の毛で筆が出来るのか?

私が調べた範囲でお答えします。

現在筆として見つかった最古の筆は長沙市で発見された筆です。
中国戦国時代の楚(?~前223年)の遺跡から発見された「長沙筆」は、約十六センチの細い竹軸の先端を裂いてウサギの毛を挟み糸で縛り漆で固められています。(この筆は直接長沙市に見に行きました。)
また、漢代の木簡とともに発見された「居延筆」(前75~57と推定)は約21センチの木軸の一端を四つ割にして1.4センチの穂首を差し込んだ完成度の高い筆です。

日本では大宝年間(701~714年)には筆がつくられたとされていますが、現存する最古の筆は正倉院にあるウサギ、鹿、タヌキの毛で作られた十七本の巻筆です。書の名人空海は812年に筆匠坂井清川に唐の製筆法によって狸毛筆四本(偕・行・草・写経用)をつくらせ天皇に献上したという記録があります。
                熊野筆のサイトよりから引用

「筆談墨史」 李家正文著
によると、筆に使われる毛は、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ウマ、ブタ、タヌキ、キツネ、シカ、トラ、ネコ、カモシカ、オオカミ、イノシシ、テン、リス、ネズミ、イタチ、カワウソ、ニワトリ、キジ、カモなどがあるそうです。

今ではもっと他の毛も使ってあると思います。
因みに私がお写経を書くときに使う筆は「ミンク筆」です。
イタチの筆もバネが効きますが、ミンク筆は今お気に入りです。

持っている本「筆談墨史」によると、ネズミの毛というのは、ネズミのヒゲを筆に使ったように書いてありました。
ネズミのヒゲを王羲之も好んだようです。
かの有名な王羲之「蘭帝序」もネズミのヒゲで書いたとか???

動物の毛のキューティクル(毛鱗)が載っていましたので紹介します。
それぞれの毛質を楽しんでおられる方も多いと思いますよ。

私はまだまだそこまでいきませんが、気に入った毛質の筆をさがしながら書いています。

知人の書家の方は筆の毛の配合や墨のすすと膠の配合などもこだわっておられる方もおられます。

とにかく書は奥深く、楽しいものです。





今月の寧々塾

2010-05-25 22:49:37 | 寧々塾(ねぇねぇ)塾
今月の寧々塾は・・・。

基本的な書の魅力を「ぎゅっと」濃縮させた1時間と、既製の「うちわに書く」1時間をやります。

先月の陶印はまだ窯に入っていないようなので色付けはもうちょっと先になるみたいです。(お楽しみに!)


蒸し暑い時期にも負けないすてきな「うちわ」を作りましょうね。


むしんのかたち

2010-05-23 20:41:22 | 思う事
鹿児島のしょうぶ学園の作品展http://www.shobu.jp/exhibition.html
および、作品即売会が
熊本市錦ヶ丘の「はじめギャラリー」096-365-0363で5月22日から5月27日まで開催される。

「針一本で縫い続ける」という行為によって生まれるアート。
「nui project」の展示。
木工・陶芸・和紙・布など工房しょうぶのクラフト作品展示もあり。

5月26日(水)には施設長 福森 伸氏による講話会(無料)もある。

むしんの中にしか出来ない素晴らしい作品が並ぶ。
きっと何かを感じる空間そして作品展だとおもう。
ぜひとも
「はじめギャラリー」へ。

以前、熊本でしょうぶ学園の展示会があったときにはしゅんけい教室でも木工ワークショップに参加させていただいた。
また作品たちに会えるのが楽しみだ。