NPO集改センター(NPO法人 集合住宅改善センター)活動レポート

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集改センターの第110回スキルアップセミナー「駐車場専用使用権について考えてみよう」の報告

2013-10-25 20:25:35 | NPO 集改センターのお知らせ

NPO集改センターの恒例スキルアップセミナーの報告です。

 

第110回 スキルアップセミナー 開催報告

開催日:2013年(平成25年)10月9日(水)

開催地:大阪建築会館

テーマ:「駐車場専用使用権について考えてみよう。」

講 師:弁護士 九鬼正光

 

例えば、分譲駐車場とはなんですか? と尋ねられたとき、あなたはどう答えますか?

分かっているようで、なんとなく頼りないのではないでしょうか。

分譲駐車場と言っても、いろいろあります。様々な問題が出て、裁判沙汰も多く発生しています。

裁判事例を含めてこれらの問題を考えてみませんか。

九鬼正光弁護士を囲んで、基本的なことから一緒に語りましょう。

 

分譲駐車場(専用使用権を分譲した駐車場)とは、<受講者感想;枝記述>

■共有敷地内の駐車場を、特定のマンション購入者に分譲し、その対価を事業主が取得するというもので、事業主は売買契約書・重要事項説明書・管理規約にこれを記載し、マンション購入者全員に承認させて販売するものです。

■マンション購入時は、誰しも購入する住宅のことしか頭になく、分譲駐車場の説明をされても、なんのことやら十分理解できません。いわばマンション販売のドサクサに紛れて共有敷地の使用権を売ってしまうという、誠に不誠実な手口ではないでしょうか。その裏には、駐車場の分譲対価を得て、マンションをできるだけ安くして、売れ残りが出ないようにという事業主の意図もあるのではと思われます。

■最高裁判所は平成10年に、駐車場使用権の分譲は違法とは言えない、有効だと判決しました。

では、これで解決したのかというと、多くの問題をかかえております。

分譲駐車場は今後も譲渡できるのか? 建替え等の買取り請求ができるのか? その権利を総会決議で奪えるのか、権利者の承諾が要るのか? 使用権分譲の結果が、その後にどのような問題を生じるのか、ということも考えて判決して欲しいものです。

■昭和54年に当時の建設省は「このような分譲は取引の形態として好ましくないので、原則として避けるよう」という通達を宅建業者等に出しております。また、平成9年に、当時の建設省は、駐車場の専用使用権の表示を改め、標準管理規約の改正を行っております。

■携帯基地局(共用部分を使用させる行為)の裁判事例や駐車場の使用料と収益事業の関係、区分所有法や民法の解釈などにも触れ、専門性の高い説明と議論が行われました。

 

次回のご案内 開催:2013年11月13日(水)15:00~

テーマ:「改修設計仕様書を読む」

~工事に携わる監理者・現場代理人・職人が、着工前にすべき準備と確認事項~