なあむ

やどかり和尚の考えたこと

サンデーサンライズ479 帰省

2024年08月11日 05時00分00秒 | サンデーサンライズ

三ちゃんのサンデーサンライズ。第479回。令和6年8月11日、日曜日。

 

月曜日から金曜日まで島根県隠岐の島でした。

今年最初の特派布教です。

この島には7年前にも訪れており、懐かしさがありました。

人口約1万人の隠岐の島町島後の半数は神道で、仏教は真言宗もありますが曹洞宗寺院が6ヵ寺あります。

いずれも檀家数は100軒に満たなく、住職が住んでいる寺は1ヵ寺で2ヵ寺を兼務。あとの3ヵ寺は鳥取県の住職が兼務です。

それでもそれぞれの寺院は檀家総代を中心に伽藍を維持し護っていました。

木曜日、その1ヵ寺観音寺様は山間に建つ本堂だけの寺院です。檀家数が29軒ですが法要には16名が参加し、出席率50%超えですねと驚きました。

法要の準備も後片付けも参加者全員で行い、和気あいあいと集いを楽しんでいるように見えました。

次の日、最終日の大満寺様にお邪魔すると出席が40名とのこと、檀家数を聞くとなんと50軒。出席率80%で更に驚きました。

昨年には小さいながら本堂を再建し、新たな出発をしました。今後も維持していくという意思がなければできないことと思います。

往々にして、檀家数の少ない寺院は「我が寺」という意識が高い傾向にあります。

寺院が地域の集いの場となり、心の支えになっているあり様が今後も続いていってほしいと願います。

ただ、高齢化が進んでいることは否めません。次の世代が後を継いでくれなければ寺を維持していくのも難しくなるでしょう。何とか心をつないでくれる後継者が現れることを願うばかりです。

 

木曜日、お勤めを終えて宿に帰り風呂で汗を流していた時でした。

体がふわふわして湯船のお湯が揺れていました。あたりを見るとシャワーのホースも揺れています。

それが宮崎県沖を震源とする地震でした。津波も起こりました。

今のところそれほど大きな被害には至っていないようです。

ただ、南海トラフとの関連が懸念されているようで心配されます。

金曜日には神奈川県で、土曜日は茨城、長野、北海道、熊本でも弱い地震が起こっています。

大事に至らないようにと祈ります。

 

間もなくお盆です。

被災されている能登の人々、山形県内の被災各地の人々、全ての人々が無事にお盆を迎えられることを心から願います。

お盆は先祖様のことを思い心がつながる、心のふるさと。

ご先祖様も自分も帰り着く、命のふるさと。

先を見つめ先に進む進歩だけでなく、時には原点に立ち返る退歩も必要なことです。

命の帰省、心の帰省のお盆です。

命の原点、心の原点に立ち返り、無くしてはならないものは何か、忘れてはならないものは何か。それを見つめるお盆にしたいと思います。

 

今週の一言

「退歩を学すべし」

 

今週はここまで。また来週お立ち寄りください。