なあむ

やどかり和尚の考えたこと

サンサンラジオ244 返す言葉はありません

2020年01月05日 05時00分00秒 | サンサンラジオ
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三ちゃんの、サンデーサンサンラジオ
今週もはじまりましたサンデーサンサンラジオ、第244回。
お相手は、いつもの三ちゃんこと三部和尚です。

1月5日、日曜日。

一部
皆さま、新年あけましておめでとうございます。
それぞれ正月の行事を過ごされたことと思います。
三が日、お寺では大般若理趣文経を読んで三朝の祈祷を勤めました。
昨日は地元の檀家さん100軒を回り祈祷札を配って歩きました。
今日は集落の役員さんにお札の配布を依頼して回ります。
明日の夜は寒念仏。16日は小正月の祈祷会です。
元日は松林寺檀家さんの元朝祈祷会で終わって新年会。二日は宿用院で同じく祈祷会と新年会でした。
新年会のご馳走、いわゆるお節は毎年寺で手作りしています。
それを始めたのはいつからだっけという話になり、カミさんは「伊達巻をつくり始めてから」ということでした。宿用院でのことです。
その伊達巻のつくり方は今でもその当時の雑誌「esse」のお節特集号を大事に使っており、その雑誌は何と娘が生まれた年ですから32年前ということが分かりました。
松林寺の新年会は、それ以前から行っており母親が黒豆などをつくって出していました。
そこに伊達巻が加わってから年々品数が増えていき、松林寺と宿用院の2ヵ寺分をつくってきました。合わせると130人分になります。
このところの献立はほぼ決まっています。
松林寺で、伊達巻、黒豆、煮しめ、栗きんとん、昆布巻き、ぜんまい炒り、数の子豆、漬物類をつくります。
宿用院では、ゴマ豆腐、大根なま酢、たたきごぼうをつくり、大晦日に中間地点で物々交換してそれぞれに盛り付けすることにしています。
年末の忙しさの中ではお手伝いをもらうこともできず、ほぼ全てカミさんと嫁さんの手になり、家族はそのサポートです。
当日は、どちらのお寺も助けてくれる力強いメンバーがいるので何とかなっています。
ですから、30年来、カミさんは動きっぱなしの年末年始でした。家族でゆっくり過ごす時間は少しもありませんでした。
今年は特に娘やその連れ合いたち、息子家族も集まったのでその食事も加わりました。
疲れ過ぎて夜もなかなか眠れなかったようなので、そろそろゴロゴロした日々を過ごしてもらいましょう。お疲れ様でした。

二部
何故カミさんに苦労をかけるようになったかというと、それは私の思いからです。
住職の仕事はいかにして檀家衆を寺に来てもらうように仕向けるか、だと思っていて、そのために色々な行事をつくってきました。
宿用院の地蔵まつり、松林寺の集中講座もその一環です。そして新年会もその一つです。
それぞれの先祖の眠るお寺の本堂で、みんな仲良く楽しく過ごすことでご先祖様もきっと喜んでくれるに違いないと思っているのです。
しかしそのために家族は大変です。
寺の理想としてはそれでいいとしても、それを準備する家族は苦労することになります。
住職が家族を持つことの是非という問題もあるでしょうが、家族がいるからできるお寺の運営の在り方もあると思っています。
ただ、それには家族の理解が欠かせないわけで、ウチのカミさんが理解して納得してくれているかは微妙です。
住職の思いにつきあわされているだけと閉口しているような気がします。
それでもここまでつきあってくれたことは紛れもない事実で、そういう意味で感謝をしています。
「フン、あなたは外面がいいから」という声が聞こえます。
返す言葉はありません。

三部
皆様に今年よき出会いがあることを祈ります。
人生が織物のように経糸と横糸で織り込まれていくものならば、経糸は先祖から子孫につながる命の糸であるでしょうし、横糸は人々との出会いによるご縁の糸と言えるでしょう。
ご縁によってどんな人と出会えるかで人生のいろどりが変わってきます。
よき出会いになるかならないかは自分の向き合い方によっても変わってきます。
自分にとってのよき出会いは相手にとってもよき出会いであるはず。
今年の出会いが、あなたにも相手にもよき出会いとなるよう祈念いたします。

今週はここまで。また来週お立ち寄りください。