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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

離島防衛?

2018-02-12 10:27:03 | 自民党憲法改正草案を読む
離島防衛?
             自民党憲法改正草案を読む/番外176(情報の読み方)

 2018年02月12日の読売新聞朝刊(西部版・14版)の一面の見出し。

離島防衛 F35B導入へ/短距離離陸ステレス 空母運用も視野

 防衛(軍隊)のことはまったくわからないのだが。これは、どういうことかな? 離島を「基地化」するということだろうか。

政府は、米軍が運用している最新鋭ステレス戦闘機「F35B」の導入を検討している。複数の政府関係者が明らかにした。2026年度頃の運用開始を目指す。滑走路の短い離島の空港を活用でき、離島防衛能力が高まる。

 やはり離島の空港を活用する(離島を基地化する)ということみたいだが、疑問に思うのは「離島防衛」って「空中戦」? 離島へ向かってくる船団(艦隊)を空から攻撃するということかな? 実際に離島が侵犯されたら「陸上戦」が主になると思うけれど。上陸させないためには、海岸線の防衛が主になると思うけれど。
 「離島防衛」という抽象的なことばでは、F35Bの活用方法がわからない。実際の「防衛戦」でどう使うのだろう。だいたい「防衛」が目的なら「ステレス」でなくてもいいのではないのか、と思ってしまう。

 本文を読んでいく。こう書いてある。(番号は、私が便宜上つけたもの。)

(1)F35Bを導入すれば、離島の民間空港を活用しやすくなる。
(2)離陸に必要な滑走距離が短いため、基地の滑走路が攻撃を受けても離陸できる可能性が高まる。
(3)年末に見直す新たな防衛大綱でも、「戦い続けるための能力強化」を掲げる方向だ。
(4)配備先は、空自新田原基地(宮崎県新富町)が候補に挙がっている。

(1)は離島が基地化するということ。どこの「離島」かは明記されていないが、空港のある「離島」なら限られているだろう。長崎周辺、鹿児島、沖縄周辺ということになるだろう。北朝鮮や中国を「仮想敵国」にしての構想ということになる。
(2)は、ことばを補うと
離陸に必要な滑走距離が短いため、「本土の/あるいは沖縄本島の」「自衛隊/あるいは米軍」基地の滑走路が攻撃を受けても、「離島の滑走路から」離陸できる可能性が高まる。
ということだろう。
 本土(あるいは沖縄)が攻撃されているのなら、「離島防衛」どころではないだろう。「離島」にどこかの国が「基地」をつくり始めている(そこから、さらに本土攻撃をしようとしている)のなら、「離島」の滑走路など利用できないだろう。
(3)の「戦い続けるための能力強化」はことばは勇ましいが、「離島」の短い滑走路しかない空港が、本土(あるいは沖縄)が攻撃されたあとの「防衛拠点」になるというとこ? うーん、心もとない。滑走路があれば離陸はできるだろうが、戦闘機というのは飛び立ったらおしまい? 「神風特攻隊」? 基地に帰って来て、装備しなおして、また離陸するというのなら、滑走路があれば十分というわけではないだろう。
 「離島」を、どう「基地化」するのか、それを明示せずにF35Bを導入すれば、「離島防衛」が強化されるというのは信じられないなあ。
(4)は、笑いだしてしまうなあ。「空自新田原基地(宮崎県新富町)」って「離島」?宮崎県って太平洋側だよ。想定されている「離島防衛」って太平洋側の離島?
 それに、空自新田原基地から「攻撃されている離島」へ向けて、「防衛」のためにF35Bが飛び立つ。その後、その「攻撃されている離島」を拠点にしてF35Bが活動するって、おかしくないか? 「離島が攻撃されている」なら、そしてその「空港」が「基地化」されている(されようとしている)ことがわかっているなら、敵は「空港(滑走路)」をまず攻撃するのではないだろうか。
 敵国が「離島の滑走路」だけを攻撃しないと考える根拠がわからない。

 後半に、こういうことも書いてある。

政府は「いずも」の甲板の耐熱性を強化し、戦闘機が離着艦できる空母に改修することを検討しており、20年代初頭に運用を始めたい考えだ。

 空母から飛び立ったF35Bが「離島防衛」にあたる? うーん。本土(あるいは沖縄)の基地から飛び立った方が効率的じゃない? だいたい「空母」というのは「移動基地」。それは「防衛」というよりも、遠くの敵基地を攻撃するためのもの。「本土」から飛び立っていたのでは燃料がつきてしまう。敵の基地の近くまで(攻撃対象の近くまで)空母で戦闘機を運び、そこから敵を攻撃するためのもの。「防衛」とは関係ないだろう。
 「離島基地化」も「防衛」ではなく、より短時間で仮想敵国を攻撃するためのものだろう。レーダーでとらえにくいステレス戦闘機が導入されるのも、「防衛」ではなく「先制攻撃」のためだろう。

 「攻撃こそが最大の防御」(先制攻撃で敵を倒す)という「意識」を「離島防衛」ということばで隠している。「離島」のことも「防衛」のことも、まったく考えていない、安倍の軍事独裁推進を証明する計画だといえる。
 安倍はただただ北朝鮮を攻撃したい。軍隊を指揮したい。軍隊を指揮すれば、独裁は簡単だ。国民を「御霊」にしてしまえば、だれも「安倍辞めろ」とは言わない。死人に口なし、だからね。
 安倍のすすめている「沈黙作戦」の集大成が、「戦争」なのだ。


#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位 
 


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