大岡昇平全集6(筑摩書房)『事件』。映画にもなった作品。166ページ。
金田町という都市隣接町村の生活の姿全体が、事件の背景として、浮かび上ってきた。これこそ菊地の望んでいたことであった。
「全体」ということばに注目した。
「全体」がなくても意味は通じるが、大岡は「全体」ということばをこそ書きたかったのだと思う。この部分は、弁護士・菊地の「思い」なのだが、それは同時に大岡の「思い」そのものだと思う。
大岡は「野火」「俘虜記」を書いた。それは戦争の「一部」であった。個人的体験であった。戦争の「全体」ではなかった。だから、大岡は、あの『レイテ戦記』を書いたのである。もちろん『レイテ戦記』が、日本が体験した「戦争全体」ではない。しかし、大岡が体験した戦争の「全体」と言えるだろう。(アメリカ、マッカーサーの思いを含んだ「全体」も、作品の最後で触れられてはいるのだが。)
「全体」のなかで、個人がどう動いているか。個人の動きは「全体」とは切り離せない。
「こころ」というものがあるとしても、それは「個人」の思うがままではない。「全体」からの影響を受けている。そして、それはもしかすると「個人のこころ」ではなく、「全体があってのこころ」かもしれない。
しかし、そうだとしても、それは「全体への責任転嫁」にはならない。「全体の問題」であって「個人の問題」ではない、とは言えない。
大岡昇平の文章が厳しいのは、常に「全体」をとらえようとしているからだ。
この大岡の文章でおもしろいのは、その「全体」の上に「姿」がついていることである。「姿全体」。「姿」というのは、ちょっと強引な言い方になるが「こころ」ではない。「生活のこころ全体」(生きている人間のこころ、思い、考え、思想全体)ではなく「姿全体」と大岡は書く。
「姿全体」は「慣用句」かもしれないが、慣用句だとしても、そこに「こころ」よりも「客観的」な「姿」ということばを選びとっているところに、私は大岡昇平の「視線」(肉眼の動き)を感じる。
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