「秋 Ⅱ」
タイフーンの吹いている朝
台風ではなくタイフーン。「たいふう」と声に出すときよりも「ふ」の音が長い。のばされことで「ふ」の音が強調される。だから「吹いている」の「ふ」の音がはっきり聞こえる。「ふいている」だけだと、私は母音「う」をそれほど明確には発音しない。「ふいている」が「音楽」として響くのは「タイフーン」だからこそだと思う。
「秋 Ⅱ」は、ほかのすべての行も「音楽」として美しいと思う。「西脇の一行」というタイトルで書きはじめて、あ、くやしい、と思う。もっと書きたいのに書けない。