西脇順三郎の一行(99)
ふつうに書けば「すきおとるラムネのビンの色の」かもしれない。西脇の大好きな「の」がここでは2回も省略されている。不自然なことばなのかもしれないが、その不自然さがラムネのビンのまがった形と色をひとつにしている。色だけがあるのではなく、形がいっしょに、そこにある。そこにはラムネの炭酸水の透明も含まれるのかもしれないが、ラムネが入っていなくても「ラムネビン」なのだ。形と色がラムネビン。
この全体的な結合が美しい。「の」がないことによって結合が強くなる。
「しほつち」
すきとおるラムネビン色の
ふつうに書けば「すきおとるラムネのビンの色の」かもしれない。西脇の大好きな「の」がここでは2回も省略されている。不自然なことばなのかもしれないが、その不自然さがラムネのビンのまがった形と色をひとつにしている。色だけがあるのではなく、形がいっしょに、そこにある。そこにはラムネの炭酸水の透明も含まれるのかもしれないが、ラムネが入っていなくても「ラムネビン」なのだ。形と色がラムネビン。
この全体的な結合が美しい。「の」がないことによって結合が強くなる。