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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

災難をのがれる方法

2007-08-26 09:23:41 | 実用
 
 中華航空機が、那覇空港で炎上した。原因調査・再発防止が図られるのは当然としても、死者が出なかったのは不幸中の幸いであった。
 さてきょうの内容、知ってる人も多いとは思うが、江戸時代の僧侶・良寛さんの考え方である。ポプラ社の世界伝記全集『良寛』より、引用しておく(p.175)。
「災難にあう時節にはあうがよく候。死ぬる時節には死ぬがよく候。是はこれ災難をのがるる妙法にて候。」

 災難を逃れる方法、それは、「災難に遭うときは遭うがいい」というもの。災難にあったらどうしようどうしよう、と考えるよりも、その時はその時、と腹をくくっておく方がいいというもの。心配しているより、何か他の有用なことに気を遣った方がいいだろうし、心配なり不安感を持っていると、精神衛生上もよろしくない。また変に抵抗すると、無理な力が掛かってこれまた良くない。
 とは言っても、無用心でいい、というわけではない。用心するに越したことはないが、ある程度用心したら、それ以上は天にでも任せるしかない、とでもいったところだろう。たとえば夜道をケータイとにらめっこなんかして歩いてたら、ひったくりやら、被害に遭っても仕方ないと思われる。見ていて危なっかしい。せめて、周りには気を配るべきだろう。
 ちなみにこれと似た考えは、かのデール・カーネギーの『道は開ける』にも「避けられない運命には従え」として載っている。その中で、気に入っている文章をこれまた引用しておく。
「すべてこの世の病には、治す手だてがあるか、なし。手だてがあるなら見つけよう、手だてがないなら忘れよう」

 ここ静岡も、東海地震が来る来ると言われて久しい。食糧・飲料水の確保や家具の転倒防止なんか、やるだけやって、あとは運を天に、ってとこ。

 またこれは、いわゆる災害に限らない。病気にしろ何にしろ、一定の注意を払っていたら、あとは流れに任せるべし。カゼならカゼ引く時ってのは、体が休みたがっている時なのだから、休ませてあげるのがいい。もちろん、手洗いやらうがいやら、やることはやっての上のこと。
 前回も書いた、暑い時は暑い思いをするのがいい、というのも、この考えに沿ったもの。8月に入って最高気温がずっと30℃を超えていたが、30℃をようやく下回った23日の処暑以降は、暑さも少しずつ和らいでいる。猛暑とは言ってもいずれ涼しくなるもの。自然に任せるのがいいのだ。

 ちなみに僕は、どちらかと言うと心配性の方で、「○○したらどうしよう」と考えるタチなのだが、カミさんの方は「そん時はそん時」と、おっとりというか胆の据わったもの。
 おそらく、カミさんの方がずっと長生きするだろう、と。

 

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