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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

アンヌ隊員が

2008-05-25 10:00:01 | エッセイ
 
 またもテレビの話になってしまうのだが。

 NHKで深夜に『BS熱中夜話』というのがあって、先日はウルトラマン/ウルトラセブンの特集だった。人気怪獣や名作ストーリーのランキング発表をやっていて(『ウルトラマン』ではそれぞれ、バルタン星人と「故郷は地球」だった(個人的には「小さな英雄」の方が好きだが))、なかなか面白かった。
 ただ、ゲストで出ていたアンヌ隊員役のひし美ゆり子さんが、失礼ながらすっかりオバサンになっていたのにはビックリした。『ウルトラセブン』以来40年、60歳は超えてるはずだから、仕方ないのであるが(仮にその辺ですれ違っても、ただのオバサンとしか…)。フジ隊員役の桜井浩子さんは、時々テレビにも出ていたのでそれほど違和感なかったのだが。

 フジ隊員に比べて色っぽいアンヌ隊員、こちらまだ小学生ながら、ちょっとドキドキしながら見ていたものだ。モロボシダン役の森次晃嗣さんが年取ってもあまり変わらないように、吉永小百合さんが60超えてもきれいなように、アンヌ隊員もあまり変わっていないものと勝手に思っていた。しかしこれはこちらの一方的な思い込みであり、本人にすれば、いい迷惑なのかもしれない。
 彼女に限らず、芸能界やスポーツ界で昔活躍した人が久しぶりに出てくると、体型がずいぶんと変わっていたり、ものすごく老け込んでいたりするもんだ。もちろんそれはその人が悪いんじゃなく、時間の経過や気苦労によるものであろう。画面の中の世界と違って、現実の世界には苦労が付き物だから。それは、どんなに有名なタレントだってヒーローだって例外ではない。

 名前を出して恐縮だが、例えば石野真子さんなんか、昔は垂れ目でかわいらしかったのだが、最近のドラマでは、その目で睨みつける怖いオバサン役になっていたりする(実際は違うと思うが)。
 てことは、今かわいらしい女の子も、年取ったらおっかないオバサンになるのかも。そして今おっかないオバサンも、昔はかわいらしい女の子だったに違いない。だから結婚するときは、女の子の場合その母親を、男の子の場合その父親を見ておけ、というのはやはり理屈に合っているのだろう。
 またちょっと話が逸れるけれども、オジサン達が若い女の子を求めるのは、こんなところに理由があるのかもしれない。

 でもでも、ひし美さんはどこかでレストランを経営しているらしく、今でもファンとの交流があるそうだ。元気そうだったし、それはそれで、いいのか…。
 それに僕だって、40年前からすればずいぶんオッサンになっているのだし。
  

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帯津良一先生のこと

2008-05-18 10:11:45 | エッセイ
 
 ひょっとしたら見た人もいるかもしれないが、5月4日(日)のNHK教育『こころの時代』に、帯津良一先生が出演されていた。

 埼玉県川越市にある「帯津三敬病院」の名誉院長であり、ガンの専門医である(太極拳の大家・楊名時氏の主治医でもあったそうな)。僕も何回か講演会に参加したことがあるのだが、丸々とした体から穏やかな語り口の話がされて、聞いてるだけで楽しい気分になれる。今はやりの〈癒やし系〉といったところだろうか。テレビでも、その話し方は変わらなかった。
 で、どういう話なのかというと、西洋医学に東洋医学、それに心の面をミックスした〈ホリスティック医学〉あるいは〈統合医療〉というもの。通常使われる西洋薬や外科手術、放射線治療だけでなく、漢方薬とか鍼灸とか、それに気功までも利用する。おそらく、その方面では随一かもしれない。
 それから、人の生き死にを扱うお医者さんだけあってか、「生きる悲しみ」とか「虚空」とかいう哲学的な話も(でもにこやかに話されるので、肩はコらなくて済む)。

 ちょっと話は飛ぶけれど、江戸から明治にかけての開国時、政府は漢学(東洋医学)を捨てて、蘭学(西洋医学)を選択した。そのため今もって西洋医学が中心の医療となっているのだが、東洋医学は捨てるべきではなかった、という意見が、医学界にもあるようだ。単一成分の薬を使用するわけでもないし、しっかりした臨床データがあるわけでもないが、それこそ何千年という歴史に基づく優れたところが、東洋医学にはある、というわけだ。
 複雑な人体の病気が、単純な薬で治るわけがない、と僕も思っている。漢方薬をよく使うのだが、それらを治すだけでなく、体質もうまく整えてくれるような気がする。風邪ひきにくくなったりとか、年々花粉症が軽くなったりとか。
 ついでながら、病院へ行って薬飲んでもなかなかよくならない、何だかすっきりしない、という慢性的な病気だったら、漢方の方がおそらくよく効く。

 外科医だった帯津先生も、西洋医学に限界を感じてホリスティック医学を始めたらしいのだが、ガン患者の間での評判はいいらしい。あなた自身、あるいは知り合いにガンを患っている人がいたら、一度診てもらうといいかもしれない。少なくとも、気持ちの上ではすごく楽になるはず。
 講演会では気功もやるし、合宿なんかも開いているようだから、興味のある方はどうぞ。
 

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旅はいいよ

2008-05-11 08:50:55 | 
 
 小浜のあと、天橋立を経由して伊根へ。
 関西以外ではあまり知られていないようだが、ここは〈舟屋〉と呼ばれる海に面した家々が建ち並ぶ、静かな港町。200軒以上が、伊根湾をぐるりと囲むようにして立っている。
 疲れた足を海で冷やしていると、小学生の男の子が「何してるんですか?」と寄ってきて、しばらく話をしていた。街じゃまず考えられないことだ。今どきまだこんな子供がいるということが、旅で緩んだ心に沁みたものだ。

 そう、ひとり旅のいいのは、この「心が緩む」というところ。電話やメール、それに周りからの視線や意見・考えをまったく気にしなくて済むというところにある。普段はどうしても人の思惑に縛られ、仮面をかぶって生きているものだが、そこからすっぽり離れられるというのは、精神衛生上とてもいい。1日でも2日でも、丸々そういう時間が持てるのはいいことだ。
 今回は3日間だったのだが、いずれまた忙しい日常に戻るにせよ、どこかでそういうリセットの時間が持てて、〈素の自分〉に戻れるということが確認できるだけでも、その後の励みというか自信になる。
 ほとんど口も利かず、自分の思考の流れのまま、好きなように考え事ができるのもいいところ。「なぜ葉緑体は緑なのか」とか「神はあるのか」てなことが考えられるのも、こういう時。ショートショートのネタも、よく思いつく。

 ろくに調べもせずに予約した民宿(与謝荘)だったが、すぐ目の前に海を見ながら食事もできたし(刺身がウマかった!)、テレビもなくて、ゆっくりすることができた。
 そこのご主人と話もできて良かった。ただ、後継者のこととか、やはり不便なところとか、通りすがりの人間ではわからない悩みというのはやはりあるようだ。またご主人からは、「旅というのはその土地の人と触れ合ってこそ」ということを、改めて教えてもらった。

 昔から辺鄙な所(失礼!)だったせいだろうか、近くには浦島伝説の残る神社とかあるそうだ。だからというわけでもないが、ガソリンが再度値上げになったことなど、「ああそう言えば」と、こちらもすっかり浦島状態になっていたのでした。
 

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福井県小浜市へ

2008-05-04 09:16:21 | 
 
 休みを利用して、『ちりとてちん』の舞台・小浜市へ。
 ほとんど下調べせずに出掛けたのだが、駅の構内にも駅前の観光案内所にも、ロケ地を記した地図があって、それを頼りに歩いて行けば良かった。ただ、ドラマの中では和田家と古い町並みの通学路とは近くのはずなのだが、実際は遠く離れてたりして(映像の世界ではよくあること)、けっこう広範囲にわたっているから、レンタサイクルを利用した方が良かったかもしれない。

 一番見たかったのは、寺らしき建物の前に階段があり、その間を線路が通っている所。行ってみたら、常高寺というお寺に実際あった(写真はその場所)。そこでロケが行なわれたという看板も、立てられていた。本堂は新しいものだったが、近くで〈瀧の水〉というおいしい水が飲めた。
 あと、鯖街道と呼ばれる商店街の「魚屋食堂」のモデルとなった魚屋さんや(焼きサバも確かにあった)、A子ちゃんが透明な石を放り投げる海岸の突堤(〈ちりとての堤防〉だそうだ)、和田家の撮影に使われた家も。まだ終わってひと月ちょっとながら、懐かしい気分で眺めていた。
 また、街のいたる所に『ちりとてちん』ののぼりやポスターが、今も立てられ、あるいは貼られてあった。

 ほとんど飛び込みで入った旅館の女将さん含め、地元の人は、基本的に親切。街中で子供の遊ぶ姿もよく見かけたし。ただ、よそ者がウロウロするため苦々しく思っている人もいるだろうから、かき捨てだからといって失礼なことはしない方がいい(これはまあ、小浜に限らないが)。

 少々汗ばむ中、ほぼ半日歩き回り、若狭塗箸や箸袋、それに〈さばのへしこ〉というサバの糠漬けをみやげに買った。足が疲れたところ、漁港近くの「食文化館」という所に足湯があったので浸からせてもらった。あーいい気分。
 あそうそう、あす5日と6日と、『ちりとてちん総集編』があるそうだ(また観光客も増えることだろう)。

 さて次の日は、京都の日本海側で、舟屋の並ぶ伊根という港町へ。ここもいい所だったのだが、残念、そのことを記すにはスペースが足りない。
 

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