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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

2005年宇宙の旅

2005-07-31 08:47:18 | 科学/考察
 野口聡一さんがようやく宇宙に飛び立ち、現在は国際宇宙ステーションで船外活動などを行なっている。映画『2001年宇宙の旅』で見たようなシーンが、今も僕らの頭のずーっと上の方で繰り広げられていることだろう(まさかコンピュータの反乱はないだろうが)。
 映画では、地上の様子は確かテレビ電話の画面で少し映っただけだったと記憶しているが、宇宙ステーションができる時代になれば、地上はどこも平和になり、浮上式の自動車なんかがスイスイ走っているものだと思っていた。
 でも、大きな戦争はないものの、貧困に飢餓、テロに核問題は依然としてあり、映画を見た時のイメージとはだいぶ異なっている。勝手にイメージした方が悪い、と言われればそれまでだが、悲しむべきことである。
 宇宙への進出、という華々しいシーンの一方で、地上での問題はなかなか解決されずにいる。そのため、宇宙開発よりも社会不安の解消のためにお金をかけるべきだ、という意見もあるらしい。ただ、宇宙へ進出するのは必然であろうし、人類が火星まで行こうが太陽系を飛び出すことになろうが、こういった問題は何かしら残るものだと思う。もちろん、問題を解決するための努力は必要なのだが。

 …真夏の青空を見上げながら、こんなことを考えていました。
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ネガティブウイルスの脅威

2005-07-24 08:47:19 | エッセイ
 テロにアスベストに児童虐待に、ニュースを見るたんびに憂鬱になる。もちろんスポーツの大記録やらお祭りのレポートやら、楽しくなるニュースもあるのだが、憂鬱になるくらいなら無理して見ることもない、と思っていた。マスコミに接するほど、人間弱くなる、とも言うし。
 今回の表題は、システムエンジニアの大和賢一郎氏が週に3回出している「幸せなサラリーマンになる方法」というメルマガにあったものだ。確か20代後半だったと思うが、これまたしっかりした考えを持っており、自分の同年代の頃よりもはるかに意識が高い。毎回なるほどと感じる内容ばかりで、1万人以上の読者がいるようだが、日本のサラリーマンは5000万人というから、もっと読まれていいと思う。
 大和氏の言うネガティブウイルスとは、暗いニュースなどを見てネガティブな気持ちになり、それが会社の部下や取引先、ひいてはそれらの家族にまで蔓延するさまを表わしたものである。このウイルスをまき散らさないよう、逆にポジティブウイルスの保菌者となってポジティブを広め、社会全体を幸せにしたい/しよう、というのが氏のテーマである。そのために、朝の暗いニュースは見ないように、と。
 そうすると朝、何となく物足りないのだが、代わりに見つけたのがNHK教育の『てれび絵本』という番組。とぼけた感じの「ペンギン」シリーズなど、結構面白いので、よかったらどうぞ。少なくとも、ネガティブにはなりません。7時25分から10分間です。

 幸せなサラリーマン http://www.1mouke.com/mlmg/shiawase/
 てれび絵本 http://www.nhk.or.jp/kids/tv_ehon/
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選ばれない人

2005-07-17 08:12:25 | 恋愛
 願望はありながらなかなか結婚できない人達をはた目で見ていて、気がついた点を3つほど。もっと他にもあるかもしれないが、とりあえず。

・異性をバカにしていないか。
 男をバカにしている女は男性としても選びたくないし、女をバカにしている男は女性としても選びたくないだろう。
・知らんぷりができるか。
 気になっている人が異性と話をしていても、あるいは同性同士で話をしていても、知らんぷりができるか。人にはその人の世界というのがある。それに変に割り込むのは、長いつき合いを考えるとご遠慮願いたくなる。
・「ありがとう」や「ごめんなさい」が素直に言えるか。
 これが素直に言えないようだと、同性の間でだってギクシャクしてしまう。そしてこれらの言葉は、お互いの気持ちを近付けさせてくれるものだ。

 とは言っても、所帯持ちでこの3つが出来ない人もいるのだが。
 
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「さとるの化け物」

2005-07-10 08:17:11 | ショートショート
 もうイヤでイヤでたまらなかった。夫の良男のことだ。人が考えていることがすべてお見通しとでもいうように、どういうわけか何もかもわかってしまう。買い物に行き、すき焼きの材料を手に玄関を開ければ、「お、すき焼きか、こんな寒い日はいいよな」と出てくるし、今月のやり繰りが大変な時には「お金少し出そうか」と言ってくるし、友達の和美と少し息抜きに出掛けた日には「和美さん元気してた?」と聞いてくるし。
 どうしてわかってしまうのだろう。付き合い始めた頃はちっともそんな風には見えなかったのに。そういう能力を隠していたのだろうか。でもとても勘が鋭いようには見えないし、どちらかと言えば、お人よしの鈍感な男だ。それだけに、何から何まで見透かされたのでは、余計イライラしてくる。それとも、勘の鋭い人間というのは、見た目は鈍そうなものなのか。
 それでも最初のうちは我慢していた。そのうち慣れるだろう、あるいは、そんな勘もいずれ鈍ってくるだろう、と考えていたから。しかし弱まるどころか、次第に強くなっていき、今では心の中を隠すのがやっとである。
「もう限界だ」と思った。殺してしまうこともチラッと頭をかすめたが、悪い男ではないし、何だかそれもバレてしまいそうで怖かったのだ。別れればいい、という結論は、かなり前から出ていた。そしてそれを実行に移した。良男はこれも感付いていたみたいで、それでもかなり抵抗したが、結局は離婚届に判を押すことになった。幸い子供がいなかったせいもあり、そのあとはすんなりと事が運んだ。こちらが別れたがる理由もわかったみたいだが、いまいちよく理解はできなかったようだ。そういう無邪気なところが、好きになったところでもあるのだが。
 新しい生活が始まった。元の一人の生活に戻っただけだ、と自分を納得させていた。しかし、幸か不幸か、まずまずの美人であることから、新しいパートナーがやがて見つかった。良男とは顔つきも性格も違うが、今度の相手もやはり愚直そうな男であった。
 また新しい生活が始まった。一人暮らしの寂しさから開放されて、それはそれは楽しい毎日、のはずだった。が、また始まってしまった。考えを読まれることが、次第次第に増えてきたのである。良男の時と同じように。愚直な男はみなこうなのか、と考えていると、果たして相手が原因なのだろうか、ということに思いが到った。
 自分が原因ではないか。向こうの、念を受け取る力が強いからではなく、こちらの、念を送る力が強いからではないか。それが親しくなると、どっと溢れてしまう…。そこでこっそり、浮気をすることにした。夫に悟られないようにするのにかなり気を遣ったが、その結果は、考えていたとおりであった。浮気相手にも、付き合ううちに心を読まれることが多くなっていった。そしてその分、夫に読まれることは少なくなった。
 付き合いが深まれば深まるほど、その相手に心を見透かされてしまう…。もはや絶望的な気持ちにならざるを得なかった。

 Copyright(c) shinob_2005

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裁判員制度について

2005-07-03 07:59:19 | エッセイ
 4年後に、日本でも裁判員制度が始まるそうだ。抽選か何かで任意に選ばれ、基本的には拒否できないものらしい。
 選ばれる可能性というのはわずかだし、あまり心配してもしょうがないのだが、守秘義務を怠った場合に罰則があるというのは気になる。もちろん人の運命を決め得る立場にあるわけだから、軽々しい発言は控えるべきだろうが、完全に秘密を守るのは難しいだろうと思う。
 平日に行なわれる裁判に出席してもらうため、サラリーマンなどには勤めを休めるようにするという。とすれば、少なくとも職場には裁判員をやっていることがわかってしまう。飲み会なんかで、「どう、裁判の方は?」なんて話題になった場合、黙っていられるかどうか。「ちょっと教えてよ」なんて言われて、「いや、守秘義務がありますから」と断われるかどうか…。酔った勢いでついしゃべってしまう、というのも、よくある話。
 職場の同僚はともかく、親友や家族にも話ができないのはツライに違いない。特に難しい判断を迫られている時などは、胸の内を聞いてもらいたいはず。ただ、どの程度の秘密漏洩で罰せられるのかよくわからないし、あるいは陪審員制度を敷いているアメリカなどではその辺うまくやっているのだろうが。
 いずれにせよ、評決そのものよりも秘密を守ることの方が難しいかもしれない。口の軽い人にとってはたまらないだろうな、とも。
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